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エルゼ・リドール

あの力を使うわ!

エルゼ・リドール

由乃ちゃん、魔力を

由乃

はい!!

由乃は目を閉じ跪き、手を合わせ、エルゼへ祈りを捧げる

エルゼ・リドール

エルゼ・リドール

[全ての神々よ]

ルン・リドール

……!

ルン・リドール

その呪文は…!

由叶

はる!エルゼを止めろ!

優來 はる

はっ

はるは手に雷の魔力を溜めながらエルゼに向かって走る

月影 未彩

そうはさせない!

月影 未彩

【フィオル】!

未彩ははるの足元を凍らせようとするが、はるは間一髪で避ける

優來 はる

っ!

エルゼ・リドール

[年月と共に蓄積したその穢れを]

由叶

その呪文だけはダメだ…!!

由叶は上空へ飛び上がり、エルゼに向かって足を振り下ろす

吟羽 舞夢

【スィリカー】!

六月 真奈

【ウォルム】!

舞夢と真奈はそれぞれ別の方向から由叶に向かって切り裂き魔法と水弾魔法を放つ

由叶

っ…!

由叶はエルゼを注視していたせいで舞夢達の魔法に気付くのが一瞬遅れ、2人の攻撃を喰らい吹き飛んでしまう

ドカーン!

由叶

由叶

ゴホッ

由叶はすぐさま回復魔法を使い、全快するが、明らかな時間ロスは喰らった

エルゼ・リドール

[今此処に捨て、我に従え]

ルン・リドール

ぐっ…

由叶

体が重いっ…!

エルゼが神に対する拘束の呪文を唱え終わると、その効果はルンと由叶に出ているようだったが、魔力が足りないのか、体の動きを鈍くする程度で留まっている

由叶

くそ…!

由叶は重い体を引きずりながらエルゼの元へ近付き、炎魔法を放とうとする

六月 真奈

【ウォリピナ】!

すると、真奈はエルゼの周りに水泡を撒き散らし、由叶の放つ魔法を無力化しようと試みる

ルン・リドール

はるクン、あいつらを…止めるんダ…

優來 はる

はっ、仰せのままに

はるはエルゼ達の方へ向かい、再び拳に電気属性を溜めるが

吟羽 舞夢

【ストリム】

優來 はる

……っ!

吟羽 舞夢

ダメだよ、大人しくしてて

舞夢ははるに拘束魔法を唱えた

月影 未彩

エルゼさん!

月影 緋芽

アタシ達の魔力を貴女に注ぐわね

エルゼ・リドール

…えぇ、助かるわ

緋芽と未彩がエルゼに魔力を注ぐと、神に対する拘束の力が強まり、ルンと由叶は完全に身動きを取れなくなった

由叶

くっっそ…

ルン・リドール

ぐ…

ルン・リドール

エルゼ!!

ルン・リドール

世界の神じゃなくなった者が何故未だその能力を使える!!!

ルンは声を荒らげてエルゼに問う

エルゼ・リドール

そんなの知らないわ

エルゼ・リドール

ただ1つ言えるのは…

エルゼ・リドール

貴方に世界の神になる資格はないという事ね

ルン・リドール

っ……

エルゼ・リドール

凪紗くん、能力を使ってちょうだい

白町 凪紗

白町 凪紗

わかりました

白町 凪紗

(リドール教…いい方の神であるエルゼさんとその眷属の由乃が消えるのは良くないとは思うけど…)

白町 凪紗

(僕とはる、そしてその家族を狂わせたこの宗教は、消さなきゃならないよね)

白町 凪紗

[リドール教なんてものは、最初から存在していなかった]

白町 凪紗

[だから…]

白町 凪紗

[この義手義足は、ただの事故だったってことにしよう]

パチンッ

凪紗は能力を使って、リドール教を消し去る──

俺の家は、他人と比べると変わった家だったんだろう

俺の家族は、体の一部がみんな欠損していた

家族全員、体の一部を神と崇める存在に捧げていた

生まれつき持っていなかったり、事故によって失ったり

父親は舌を切り

父親は舌を持たずに産まれ

母親は左腕を切断し

母親は事故で左腕を無くし

兄は右足を斬られ

兄は病気で右足を切断し

俺も、物心の着く前に右目を取られた

俺も、右目を持たずに産まれてきた

小さい頃からそれが常識だと教わり

小さい頃から世間から後ろ指を差され

痛覚で善し悪しを伝えてくる神のために生きてきた

孤独に生きてきた

友達なんてものはできなかった

皆俺を気味悪がった

でも、1人だけ

俺と同じ人がいた

彼は片手片足が作り物だった

話を聞けば

親に斬られ

小さい頃に事故に遭い

神のために捧げられたのだと言う

生きるためには切断するしかなかったそうだ

彼に自分の境遇も話し、その日から俺はそいつと友達になった

そんなある日

神が友人を否定した

彼が言った

そいつと絡むと右目がズキズキと痛む

自分と絡んで変な目で見られないか、と

普段なら、神に従って彼と絡むことはなくなっただろうが

俺の右目は前髪で隠すことができるから、と

俺の意志としては、初めてできた友達を失いたくなかった

でも、俺には初めてできた友達を手放すという選択はなかった

それから何年かが経って

急に彼が姿を消した

突然彼が言った

何かに追い詰められているわけでも、悩んでいるわけでもなかったのに

色んな世界へ行ってみたい、と

俺は痛む右目を抑えながら、彼の家族や知人を尋ねたが

俺は『行かないで』と言いたかったが、言葉にはできなかった

誰1人として知っている者はいなかった

『はるも他の世界へ行けるようになったら、今度は2人で旅をしよう』

そして出した結論は、この世界に白町凪紗が居なくなったという事だった

俺の心情を察してくれたであろう白町凪紗は、そう約束してくれた

凪紗が能力を使った後、エルゼと由乃、ルンと由叶は消え、はる、舞夢、真奈の3人は気を失った

白町 凪紗

白町 凪紗

これで、リドール教は消えたんだよね…?

月影 緋芽

そうね

月影 未彩

いやー、すごい瞬間を目にしたなー…

月影 緋芽

未彩ちゃん?

月影 未彩

はい!なんでしょうか?

月影 緋芽

今、舞夢ちゃん達3人を含めて、全ての世界の人々は、リドール教の存在を失うわ

月影 緋芽

でも、アタシの賢者である貴女は、これを忘れることはなく覚えたままよ

月影 緋芽

でも、このことはアタシ達だけの秘密よ

月影 緋芽

決して、誰にも言っちゃダメよ

月影 未彩

はい!了解しました!!

月影 緋芽

ふふ、いい子ね

緋芽は未彩の頭を撫でる

月影 緋芽

協力してくれてありがとうね

月影 緋芽

貴女を元の世界へ帰すわ

月影 未彩

はい!ありがとうございました!

月影 未彩

神社に戻ったら祈りますね!

月影 緋芽

ふふ、そこまでしなくていいわよ

未彩と緋芽は軽い談笑の後、未彩を元の世界へと帰した

白町 凪紗

……

白町 凪紗

僕は、どうしたらいいですか?

月影 緋芽

そうね、舞夢ちゃん達が意識を失っているまま貴方だけ帰す訳にも行かないし…

月影 緋芽

少しおしゃべりしましょう

白町 凪紗

はい…

白町 凪紗

あの、ほんとに良かったんでしょうか

白町 凪紗

記録を書き換えると、本来あったはずのものが無くなり、本来なかったはずの記憶が生まれます

白町 凪紗

そして、覚えてるのは僕だけ…

白町 凪紗

偽りの記憶で塗りつぶしているみたいで、嫌なんです

月影 緋芽

月影 緋芽

そうね、気持ちは何となくわかるわ

月影 緋芽

でも、これはエルゼが望んでいたこと

月影 緋芽

貴方の事を知った時から、貴方達に協力を求めて、リドール教を消すことを願っていたのよ

白町 凪紗

……

月影 緋芽

そういえば貴方、度々はるくんのことを気にしていたみたいね

白町 凪紗

え…まぁ…

月影 緋芽

月影 緋芽

はるくんがリドール教に苦しめられることは無くなるとはいえ、人同士のイザコザは無くなることはないわ

月影 緋芽

伝えたいことがあるなら早めに伝えないと、いつまた居なくなるかわからないわよ

白町 凪紗

白町 凪紗

……え?

白町 凪紗

待って…まさか僕の気持ちを知って──

月影 緋芽

ふふ

月影 緋芽

冗談よ

白町 凪紗

白町 凪紗

そ、その冗談は心臓に悪いです…

吟羽 舞夢

吟羽 舞夢

う…

六月 真奈

うぅん…

優來 はる

……

月影 緋芽

あら、みんな起きたみたいね

六月 真奈

あれぇ…ここはどこ…

吟羽 舞夢

そうだ、あの時倒しきれなかった絢夢が神の世界で暴れてるって緋芽さんに言われて…

優來 はる

それで倒しに来たんだったな

六月 真奈

そうだった!!

六月 真奈

絢夢は今度こそちゃんと倒せた?!

真奈は凪紗に詰め寄る

白町 凪紗

え、えっと…

月影 緋芽

えぇ、倒せたわよ

月影 緋芽

ただ、3人ともあまりに疲れていて眠っちゃったみたいだったけど…

月影 緋芽

元気そうで良かったわ

六月 真奈

良かったぁ〜!

吟羽 舞夢

それじゃあ、世界は平和になったんだね

六月 真奈

おめでたいね!!

書き換えられた記憶を話す舞夢達を見て、凪紗は口を開く

白町 凪紗

ねぇ、はる

優來 はる

優來 はる

どうしたんだ?

白町 凪紗

はるの右目って…なんで無いんだっけ?

優來 はる

は?昔言ったことあるだろ

白町 凪紗

えっと…忘れちゃったなー…なんちゃって

優來 はる

……なんだそれ

優來 はる

産まれた頃から右の眼球がなかったらしい

優來 はる

それ以外は知らないから俺の親に聞いてくれ

白町 凪紗

白町 凪紗

そっ……か

白町 凪紗

うん…わかった

六月 真奈

あれ?!

六月 真奈

凪紗くん、なんで泣いてるの?!

白町 凪紗

…え?あれ?

白町 凪紗

僕、泣いてる…?

吟羽 舞夢

はるの右目がないことに同情してるのかな?

優來 はる

んなわけないだろ

白町 凪紗

あはは…そうかも、しれない

凪紗は涙を拭いながら考えた

はるを囲っていたリドール教が消えたこと

すなわち、自分の手足が義肢になるきっかけでもあった宗教が消えたこと

リドール教信者だった両親から異世界へと追い出された凪紗だったが、その出来事がなかったことになったことを、喜ばしく思っていた

吟羽 舞夢

それじゃあ、お世話になりました

月影 緋芽

ええ、こちらこそありがとう

六月 真奈

そういえば賢者の未彩ちゃんいなかったなー…

月影 緋芽

ごめんなさいね、あの子は先に帰っちゃったのよ

優來 はる

賢者にも賢者のやるべきことがあるんだろう

白町 凪紗

そうだね

月影 緋芽

じゃあ、みんな、お元気で

舞夢達は、緋芽にそれぞれの世界へと帰してもらう──

白町 凪紗

ただいま〜未彩さん

月影 未彩

あ!凪紗くん!はるくん!

月影 未彩

おかえり!

優來 はる

じゃ、俺は家に帰る

月影 未彩

えー!!

月影 未彩

もうちょっと再会を喜んでくれてもいいじゃん!!

白町 凪紗

あははっ

六月 真奈

アリス様!悠斗くん!

六月 真奈

ただいま!!

鏡狂 悠斗

おかえり

アリス・シア

真奈ちゃん!

アリス・シア

無事に帰ってきてくれて良かったわ…!

六月 真奈

えへへ!

六月 真奈

お土産話いっぱい持ってきたから楽しみにしてて!!

鏡狂 悠斗

お、それは気になるな

アリス・シア

聞かせてちょうだい!

吟羽 舞夢

ただいま…

月影 未彩

あ、舞夢ちゃんだ!

星川 悠斗

よく無事だったな、舞夢

星川 悠斗

おかえり

アリス・シア

舞夢ちゃんっっっ!!!!

アリス・シア

ほんとに心配したのよ…!!

アリス・シア

あぁでも無事で良かったわ…!!!

アリスは舞夢に抱き着く

吟羽 舞夢

あ、アリスさん…

吟羽 舞夢

ちょっと苦しいかも…

月影 未彩

これで全部終わったんだよね?

吟羽 舞夢

うん、終わった

アリス・シア

それじゃあ、これからはずーーっと、一緒に暮らせるのね…!!!

星川 悠斗

ずっとは無茶じゃねぇか?

アリス・シア

黙りなさい

星川 悠斗

えぇ…

吟羽 舞夢

ふふ

舞夢は、アリスと悠斗のコントのようなやり取りに吹き出す

そして、少し深呼吸して、3人に伝える

吟羽 舞夢

みんな、ただいま

──fin.

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