???
ヒョコッ(ゆりかごの外から顔を覗かせる)
セル・ウォー
ビクッ(だ、誰だ?)
???
この子が僕の未来のお嫁さんか
セル・ウォー
バブ…(この聞き覚えのある声、まさか-)
セルが顔を上げると、そこには左頬に自分と同じアザのある見覚えのある顔が見えた
セル・ウォー
バブバブ!?バブ!?(マッシュ・バーンデッド!?なぜ!?)
マッシュ
元気な子ですな
レグロ
これマッシュ、先に国王様と王妃様にご挨拶なさい
マッシュ
爺ちゃん
マッシュ
ごめん、未来のお嫁さんが気になっちゃって
セル・ウォー
(いや、だとしても挨拶が先だろ…)
家臣
我らが心から愛し敬う、良き妖精御三方のご到着です
セル・ウォー
(妖精…確かフローラ、フォーナ、メリーウェザーという名の妖精だよな)
家臣
アベル・ウォーカー様
セル・ウォー
(…ん?)
家臣
アビス・レイザー様
家臣
ワース・マドル様
セル・ウォー
(は?今なんて-)
三人:ぬっ…(ゆりかごに近づき、セルの顔を覗き込む)
セル・ウォー
ビクッ
セル・ウォー
(は!?七魔牙!?それにアベル!)
アベル
へぇ…
アビス
可愛らしいですね
ワース
…何か怖がってないか?
セル・ウォー
(最悪だ…)
アベル
僕たちからお姫様へ贈り物を一つずつ差し上げましょう
アベル
小さなお姫様、僕からの贈り物は「美しさ」です
アベル
黄金色の美しい髪に、藤色の魅力的な唇を授けましょう
セル・ウォー
(美しさ、か)
セル・ウォー
(自分で言うのもなんだが、僕は元がいいからな。余計なお世話だ)
アビス
愛らしいお姫様、私からの贈り物は「美しい歌声」です
アビス
ハープの音のように美しい、素敵な歌声を贈りましょう
セル・ウォー
(美しい歌声、か)
セル・ウォー
(それも元から持ち合わせているがな←CV:花江○樹さん)
ワース
可愛いお姫様、俺からの贈り物は-
セル・ウォー
バブッ!?(何だ!?)
???
…
セル・ウォー
(あ、あの人は…!)
アベル
おや、イノセント・ゼロだ
ワース
何しに来やがったんだアイツ!
アビス
ワースさん、シッ!
セル・ウォー
バブ!(お父様!)
セル・ウォー
(どうしよう、こんな姿お見せできない…!)
イノセント・ゼロ
おやおや、随分賑やかなパーティーだね
イノセント・ゼロ
王族、貴族、皆さんお揃いで…
イノセント・ゼロ
…フフッ、おや驚いた
イノセント・ゼロ
お前たちまで…(三人を見る)
ワース
っ…!
アベル
ワース、抑えろ…!
イノセント・ゼロ
招待されなかったのでガッカリしたよ…
ワース
誰もテメェに用がねぇからだよ
セル・ウォー
バブバブ!!(お父様に何て口をきくんだ!!)
イノセント・ゼロ
用?
イノセント・ゼロ
…では私は勝手に押しかけたことに?
イノセント・ゼロ
てっきり手違いだと思っていたのだが、そういうことなら、おいとまを…
王妃様
では、怒ってはいないのですね…?
イノセント・ゼロ
もちろんですよ、王妃様
イノセント・ゼロ
心からのお祝いに、私からも贈り物を授けましょう
アベル
!
アビス
!
ワース
!
イノセント・ゼロ
よく聞くがいい皆の者!
イノセント・ゼロ
セルロラ姫は美しく育ち、多くの者から愛されるであろう…しかし
イノセント・ゼロ
16歳の誕生日の陽が沈むまでに糸車の針で指を指すだろうそしてー
イノセント・ゼロ
死ぬ!
セル・ウォー
(お父様からの贈り物!有り難き幸せ!)
セル・ウォー
(…って言えるか!!お父様、どうして…)
国王様
その悪魔を捕らえろ!
イノセント・ゼロ
下がれ愚か者めが!
イノセント・ゼロ
アッハハハハハハ!(炎に包まれながら消えていく)
国王様
…何てことだ
アベル
国王様、気を落とさないでください
アベル
ワースの贈り物がまだ残っています
国王様
それでは、この恐ろしい呪いを解いてくれるのか?
ワース
いえ、残念ながら無理です…
アベル
イノセント・ゼロの魔法はとても強力なのです
アビス
でも彼なら…
アベル&アビス:(ワースの背中を押し、セルの元へ行かせる)
ワース
…
ワース
可愛いお姫様、もしもあの魔王の呪い通りに糸車の針で指を刺しても、希望の光が一筋残るような贈り物を差し上げましょう
ワース
死ぬのではなく、しばらくの間深い眠りにつくだけ
ワース
そして心から愛する人のキスで、呪いは解けて眠りから覚めるのです
セル・ウォー
(今思ったが、プリンセスって命懸けだな…)
国王様
ありがとう、三人とも
国王様
だがしかし、呪いが解けないことにはまだ安心できない
国王様
国中の糸車を一つ残らず燃やし、処分しろ!
こうして、国王様の命令により国中の全ての糸車が一つ残らず処分されたのだった…