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―僕たちはまだ知り合ったばっかりで相手のことなんて何も分かってなかった―
8月も後半に入り、そろそろ夏も終わりを告げようとしていたその日は、午後から突然の豪雨に襲われた
なご
突然降り出した雨の中、傘をもたない なご は ひたすら走っていた。するとバスの待合室を見つけ慌てて駆け込む
なご
たいが
そう声かけられたと同時にふわりとタオルを頭からかけられる
なご
たいが
心地よい甘い低音ボイスで 少年はそう言うと、ニコリと微笑む。
なご
あまりの自然な行動に思わず声が漏れる。髪を拭きながらそっと相手の方を見る… 黒髪に少し切れ長の瞳、一見すると大人っぽく見えるけど、制服を着ている事から高校生だろう…本を読むその横顔がとても整っていて思わず見とれていた…
たいが
なご
たいが
なご
たいが
ふとぶつかり合う視線…その瞬間なごの心臓は大きく跳ね上がって鼓動が早くなる……
なご
しばらくふたりの間に沈黙が流れ、激しい雨音と雷鳴だけが静寂な時の中 響いた……