休日、僕はケンの言葉で 目を覚ました。
ケン
いつまで
寝ているんだい?
寝ているんだい?
ケン
ほら起きて
武相 創
睡眠時間は僕の自由だろ
武相 創
頼むから寝かせてくれよ
ケン
おっと、これは失礼
眠いながらも反論すると、 彼は謝罪してきた。
武相 創
わかればいいよわかれば
ケン
寝起きだと感情が表に
出やすいようだね
出やすいようだね
ケン
一つ勉強になったよ
武相 創
……うるさい
どうでもいい。
早く寝かせてくれ。
ケン
仕方ないな
ケン
今日は大人しく帰るよ
ケン
それじゃ
直後、部屋の中が静かになった。
これでようやく眠れる。
武相 創
……ん?
目を覚ました瞬間に気配を感じる。
身体を起こすと、ベッドの端に ケンが座っていた。
ケン
やっと起きる気に
なったかい
なったかい
武相 創
まだいたの?
ケン
さっき戻ってきた
ところだよ
ところだよ
ケン
僕等は君と違って
忙しいんだ
忙しいんだ
武相 創
じゃあ僕に構う必要も
ないんじゃ?
ないんじゃ?
ケン
それを決めるのは
僕等であって君じゃない
僕等であって君じゃない
何も言い返せなかった。
ケン
君さ、好き嫌いはある?
武相 創
いきなりどういう質問?
ケン
君からの質問は
受け付けてない
受け付けてない
ケン
いいから答えてくれ
武相 創
何に対しても無関心だよ
ケン
実際は?
武相 創
……僕に構う
『表情童子』っていう
妖怪が嫌いだ
『表情童子』っていう
妖怪が嫌いだ
ケン
正直にありがとう
ケン
あいにくだけど君から
離れるつもりは無いよ
離れるつもりは無いよ
武相 創
どうして
ケン
僕の場合、君みたいな
タイプが嫌いだからかな
タイプが嫌いだからかな
武相 創
嫌いなら最初から
関わらない方が
いいと思うけど
関わらない方が
いいと思うけど
ケン
それがそうも
いかないんだ
いかないんだ
ケン
好きの反対は無関心
ケン
つまり嫌いという感情も
関心の表れなんだよ
関心の表れなんだよ
武相 創
よくわからないね
ケン
それは君にも
言えることだよ
言えることだよ
ケン
嫌いなら僕達を
無視すれば
良いじゃないか
無視すれば
良いじゃないか
武相 創
……してるよ、一応
彼等への感情は怒りに 変わりつつあった。