テラーノベル
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分かってる。
分かってるよ。
私だけじゃないって、分かってるよ。
でもやっぱり、泣いちゃうんだよ。
たった少しの真っ暗闇で
どうしても、気持ちが溢れちゃうよ。
分かってる。
先生
分かってるよ。
未来
そんなの、口先だけの嘘だって。
未来
優
彗那
いつも2人組になれないのは私だって。
蒼衣
彗那
蒼衣
そんな時
彗那
彗那
救ってくれる存在があるってことも。
分かってる。
彗那
綾香
彗那
綾香
彗那
分かってるよ。
彗那
真緒
彗那
他クラスにも救いは居るって。
彗那
心寧
彗那
心寧
君は私の友達だって。
真緒
彗那
真緒
彗那
真緒
クラスが離れても交友関係は続いていると。
彗那
彗那
真緒
私は君たちを友達だと信じたいってことも。
心の底では、分かってるよ。
分かってる。
彗那
綾香
彗那
分かってたよ。
私は君たちを嫌いになれないんだって。
彗那
でも、強がってたよ。
綾香
彗那
たくさん傷付けて、ごめんなさい。
授業中に溜まっていく
ホンネ 小説の数々。
丸めてゴミ箱に捨てては
何度も何度も書き直した。
分かって欲しかったから。
私の本音を聞いて欲しかったから。
でもそれも、今日で終わり。
もう、君は信じないと
もう、期待なんかしないと決めたから。
いつか私を分かってくれる人が現れるまで
蓋をしていればいいだけの話。
杏
彗那
分かってる。
杏
彗那
分かってるよ。
杏
彗那
彗那
話したことのない人でも
遥陽
話題さえあれば自分から話しかけられることも
遥陽
彗那
彗那
瑛人
誰かの笑顔が好きってことも。
彗那
杏
私は、きっと君たちに好かれていること。
杏
彗那
杏
同じように、私も君たちが大好きだってことも。
彗那
ちゃんと、分かってるよ。
変わらない愛された風景に慣れてしまったから
愛を感じられなくなっただけ。
もっともっとって、欲張りだっただけ。
彗那
教科書みたいに
彗那
パラパラ思い出をめくることは出来ないのだから
だから、もっと自分を愛す方法を
ちゃんと、見につければいい。
たまに思い出を遡って
今度は、泣いてしまわないように。
思い出の上書き保存で
微笑みを落とせるように。
君の言葉は本当だったよ。
彗那
だって、君と出会えたんだから。
自分を愛せない君を
いちばんに愛すのは私がいい。
彗那
君だけとの魔法の言葉。
そう送信してから
今度迎える5ヶ月記念日にはなんて言おうか。
そう、夢を描いていた。
分かってる。
先生
分かってるよ。
彗那
彗那
上手に生きてるってことも
先生
君たちを笑わせられているってことも。
曖昧すぎだよ、人生。
学校で習わない事ばかり問題にしちゃってさ。
ごめんなさい。
そう言っても許されないこの世界では
どうすれば許してもらえるんだろう。
私はちゃんと許してたのに。
なんて、悲劇のヒロインは嫌いなんだ、私。
だけど、嫌いじゃないよ。
君の悲劇のヒロインは。
どうやら、私限定らしいや。
あの子は可愛い。
あの子は頭がいい。
あの子は人気者。
あの子はみんなに好かれている。
あの子はよく悪口を言われている。
あの子はいつもひとりだ。
皆、長所と短所も持ち合わせている。
なら、私は?
分かりっこないよ。
私は、自分を褒めるのも認めるのも苦手だから。
だから、人の良し悪しにすぐ目がいく。
人の変化にすぐ気付ける。
多分、これが私のいいところ。
だから、お願い。
君にひとつお願いがある。
私のいい所を教えて欲しい。
私の悪い所を素直に伝えて欲しい。
きっと、私は傷付くよ。
でも、多分。
それ以上に君のことを好きになれると思う。
君に素性を見せられる気がする。
だからね、教えて欲しい。
嫌だったら、嫌って言って欲しい。
それが、私の今いちばん望んでいるもの。
可愛くて、美人で、みんなに好かれてて
ギャグ線がよくて、人脈が広くて、笑顔が素敵で。
そんな君たちになりたかった。
何度も何度も、君になりたいと願ったよ。
君になれたら、わたしはどうするんだろう。
何度も考えて、何度も悲しくなったよ。
君になりたいって言い訳して
何度も逃げてきたよ。
ありがとう、逃げる理由をくれて。
ありがとう、居場所になってくれて。
ありがとう、笑わせてくれて。
ありがとう、本当に。
ごめんなさい、傷付けてしまって。
ごめんなさい、泣かせてしまって。
ごめんなさい、嘘つかせて。
謝るのは苦手だけど、言わせて欲しい。
ごめんなさい。
君は困ってしまうかな。
ごめんね。
でも、多分それじゃダメなんだ。
向き合わなきゃいけないんだ。
どうか、私を忘れないでいて欲しい。
「 おかえり 」って、笑って欲しい。
もう嘘はつきたくないから。
大好きな君の前で
いつまでも仮面を被っていたくないから。
だから、どうか。
変わってしまってもいいから。
君の前でだけ
最低で
可愛くなくて
子供っぽくて
泣き虫で
嘘つきで
そんな、素直な私で居てもいいですか。
彗那
夏月
もう君はいらないよ。
彗那
彗那
そう呟いて
生きる理由がたくさん詰まった スマートフォンの電源を落とした。
コメント
6件
なんか複雑 うまく言葉に出来ないけどグッときた 私は みこに憧れちゃってるんだよね だいすき
なんだろーね 人間の本当の部分っていうのかな?普段心の中に閉じ込められてる思いがブワーッって出てて素敵
共感性が多い小説ですね~! それに、読んでいくにつれて没入感に浸ることが出来たり、共感性が上がったりして、もう本当に大好きです👍🏻 ̖́-︎👍🏻 ̖́-︎👍🏻 ̖́-︎