秋澄風
おはよ〜瑳来
瑳来
あ、えっと…おはよう、ございます
秋澄風
(うぅん…ぎこちない)
秋澄風
(やっぱりまだ慣れないのかなぁ〜)
母
おはよう2人とも、休日だからって寝すぎよ?秋澄風
秋澄風
休日だから寝るんだよ〜
秋澄風
ねー瑳来〜
瑳来
アッ、はい…そうですね…
秋澄風
(敬語抜けないなぁ…)
瑳来が家族になってから約2ヶ月
どうにかして自然に馴染めるようにしてるけど、やっぱり瑳来は遠慮してしまっている
そりゃそうだ。赤の他人の家にいるんだもの
秋澄風
瑳来、保育園は楽しい?
瑳来
えっ、あ…えと、楽しいです…
秋澄風
楽しいなら良かった。友達はできた?
瑳来
2人、できた
秋澄風
よかった、大事にしなね
瑳来
コク
秋澄風
あ、母さん。俺今日友達と遊んでくる
母
お昼ご飯はいらない?
秋澄風
うん。5時には帰るよ
母
楽しんでね
秋澄風
(確か、ここで良いんだよね)
秋澄風
(まだかなぁ)
秋澄風
母さんに嘘ついちゃった(あの人は友達じゃないし…)
黎
秋澄風
秋澄風
黎!
黎
久しぶりだな、元気してたか?
秋澄風
うんっ!黎は?バーテンダーとかどう?
黎
最近新人が入ってな、面白いんだ
秋澄風
そうなんだ
黎
さ、行こうぜ
秋澄風
そういえばさっきなんで走ってきたの?
黎
逆ナンされてさ、逃げれなくて困ってた
秋澄風
俺を見つけて連れがいるからって走ってきたんでしょ
黎
御明答
秋澄風
そういや彼女は?できた?
黎
できたら俺は今頃女と遊んでるぞ
秋澄風
まだできてないの…!?
黎
俺は独身で生きていくんだよ
秋澄風
そっかぁ…
黎
そーゆーお前はって、中坊にはまだ早いか
秋澄風
俺はできたよ?
黎
はぁっ!?
秋澄風
春遥ちゃんとね〜
黎
あーねー…
黎
うん、そうか…うん、
秋澄風
(すごいショック受けてる…)
順番待ち
黎
んで、新しい家族とはどうだ?もう2ヶ月だろ?
秋澄風
瑳来がね…ちょっとぎこちないって言うか
黎
あー、遠慮しがち的な?
秋澄風
そーそー
秋澄風
どうしたらいいのかわかんないから気まずくなっちゃうし
黎
確かに、出会った頃のお前俺の事クソ野郎とか言ってたし
秋澄風
そーだっけ〜?
秋澄風
ていうか、黎も俺の事クソガキって言ってきたじゃん!
黎
あの時のお前はほんとにクソガキだったぞ…?
秋澄風
え?
黎
自覚なしか…
秋澄風
過去はもう振り返らないんだよ〜
黎
…あっそ?
秋澄風
ところで、順番が近づいてくる度に黎の顔が青ざめてるのは気のせい?
黎
気のせいだな
秋澄風
(気のせいじゃないだろこれ)
秋澄風
もしかして高いところ苦手とか?
黎
んなわけねぇだろ、ヨユーだっつの
秋澄風
(うわぁ…大人気ない)
秋澄風
(いや、めっちゃ怖いって泣かれる方が引いちゃうけど)
黎
お前が俺に懐いたのはいつ頃だったけな
秋澄風
…俺の過去と黎の過去をお互いが知った時…だっけ
黎
そーゆー事だ。お互いを知れば馴染めるだろ
秋澄風
でも、俺は言いたくない
黎
言いたくないことは伏せればいい
秋澄風
でもそれだと
黎
馴染めないって?そんなことはないだろ
秋澄風
なんでそう言いきれるの?
黎
言い切ったわけじゃねぇけど、俺の経験上な
秋澄風
…俺に隠し事大量にあるもんね
黎
バレたか
秋澄風
バレるよこの詐欺師
黎
はは〜
秋澄風
黎、次はいつ会えるかな
黎
ん?そーだな、物理的な距離は近いし
黎
俺の家にいつでも来いよ。部屋はそのままにしてあるし
秋澄風
いや、黎に会うってなると母さんが色々持たせるから…
黎
あれ?今回は?
秋澄風
友達に会うってことにしてる
黎
友達…
秋澄風
俺は黎のこと友達だなんて思ってないから
黎
おーおー、そーですかー
秋澄風
俺の、命の恩人だから
黎
…おーおー、随分素直じゃねーか
秋澄風
あ、順番来た。行こ
黎
おっ、おぉおおお、おう
秋澄風
(ダサい)
秋澄風
楽しかったー!
黎
そ、そそそそうだだな?
秋澄風
(終始ダサい。もうヤダ)