友達は訳あり神様だった

なつ視点

９月になったらこさめ達は学校で来なくなった

それでも学校が終わればこの森に来る

その原因は…

すち視点

もう何百年も前の話

いるまちゃんが神様になって間もない頃

いるまちゃんはご飯を食べなかった

いるまちゃんが打首になったその日の夜

自分の家の様子を見に行ったら…

お父さんとお母さんが自◯したんだって

正直、俺には両親がいないからいるまちゃんの気持ちがわからなかった

それでも、俺は心配だった

◯なないとはいえ、やつれていく所を見たくなかった

俺は罪滅ぼしの為、いるまちゃんを救う為にそばにいた

友達と言うのもわからなかった

いるまちゃんは変わってしまった…いや

俺が変えてしまったんだ

いるま視点

本当はすちは悪くないって知っていたクセに

むしゃくしゃ気持ちの吐きどころが欲しかったから

俺はすちにあたっていた

気づいたら俺は森の奥に居た

すちと初めて山菜を採りに来た所

ぽっ

俺の足元にラベンダーが咲いた

その匂いはおかーさんがくれた香り袋の様だった

全てを優しく包みこんでくれる

そんな匂いだった

俺は今、前を向かないといけない

立ち止まって過去を引きずるだけじゃ駄目な気がした

そして、すちに申し訳ない気持ちでいっぱいになった

俺が酷い事をしても、怒りもしないで

優しくてどんな俺でも温かく見守ってくれる

これから俺等は長い付き合いになるんだから

俺はすちにラベンダーの花をあげた

咲いたばかりの、たった1輪だけど

すちは鳩が豆鉄砲を喰らった顔をしていた

その後にすぐ優しく微笑んだ

その時、俺は感じた

すちは本当に神様なんだな…って