知ってる?
愛って、致死量があるんだよ。
致死量以上の愛を受けると、
その人は「一生」愛せないんだって。
──これは私とあの人との
愛と哀の物語──
私
ねぇねぇ!
奏太
どうしたの
私が貴方の胸に顔をうずめた
暖かい。日だまりみたいだ。
私
んー、いい匂い……
少し甘えてみると、貴方は私の頭を撫でた
奏太
はいはい、どうしたの。
私
私
致死量の愛って、知ってる?
聞くと、貴方は首を振った
どうやら知らないらしい。
奏太
なにそれ、迷信?
ニヤリと笑って、貴方が言った
私
あー、からかってるー…
大袈裟に、不満そうに私が言うと、
貴方は笑った
奏太
ははは、どんな話なの?
私
むー……
私
やめてよ……
奏太
はいはい、大丈夫だよー
もしかして丸め込まれてる?
………ま、そんな貴方も好きだけどさ…
私
致死量の愛、
私
それは、とても切ない愛。
私
致死量以上の愛を受けると
私
その人は一生、愛せなくなる
奏太
奏太
やっぱり、迷信?
笑いながら言う彼に、嫌気が差す
私
うるさいなー、雑誌に載ってたんだよ!
自慢気に雑誌を見せると、貴方は真面目そうな顔になった
奏太
へー……本当だ…
そうやってすぐ信じるとこ、騙されやすいんじゃない…?
なんて、思っていると……
奏太
奏太
今、騙されやすい、とか思ってただろ。
私
お、思ってないよー!
必死に否定した
本当は、思ってたけど。
奏太
嘘だー、騙されないぞー?
そう言って、貴方が私をくすぐった
私
うひゃひゃひゃひゃひゃ……
奏太
あんな事思った罰だよー
私
きゃー!やめてよー!!
くすぐるのが強くて、少し、痛い。
そんなところも好きだと思ってしまう私は、
バカだなぁ、と思ってしまった
私
もー、奏太ったらー……
ははは、と笑うと、貴方はパッと手を離した
私
え?
奏太
はい、今日は終わり。
私
どうして?
奏太
致死量の愛、なんでしょ?
いたずらっぽく、貴方は言った
迷信だと言ってたのに。
私
ははは、そうだよ
奏太
愛せなくなったら、嫌だから。
真面目な顔で、貴方が言った
愛せなくなったら嫌って……
愛せなくなる訳ないじゃん。
私
ほら!すぐ信じるー!
奏太
いいじゃん?
私
もー、心配性なんだからー……
心配性な貴方。
私、貴方の言う事、聞けば良かった
今後悔しても、遅いけどね。
続く






