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《空っ!》
私の背後でそうはっきり聞こえた。後ろを振り返ると
かけるがいた。
私の頬には涙が伝った。
ただ、この涙は安心したのか悲しみからなのかは誰にも分からなかった。
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私の両親の事故から1週間ぐらいは経っただろうか…
空(私)
空(私)
ろくに食事も取らずただボッーとして過ごしていた。
ある1本の電話が静かに鳴り響いた。あの時と同じように…
空(私)
私の頭の中には、1週間前のことがどんどん蘇ってくる。
震えた手で受話器を取り耳に当てる。
空(私)
看護師
電話の相手は男性だった。でも、前とは少し違う。
空(私)
看護師
看護師
そう言って切れてしまった。
空(私)
そんな期待もすぐに消えてしまった。
看護師は暗い感じで話していた。
空(私)
自然と口から出ていた。
私の親戚は会ったことない人ばかりだ。知っていたとしても、年に会うか会わないかの中だ。
空(私)
空(私)
本当は全然面白くなんてない。もう心さえも壊れかけていた。
空(私)
そんな事を考えるようになってしまった時…
《ドン》
と下から音がした。
それと同時に誰かが入ってくる。
それは、、、、
かける
空(私)
空(私)
空(私)
私の手には包丁が握り締められていた。私の心臓までわずか数センチの距離だった。
かける
私の中で何かが切れた。
空(私)
かける
空(私)
空(私)
空(私)
空(私)
静かな家には私の声だけが響いていた。そんな私の姿を彼は優しく見ているだけだった。
そして彼が口を開いた。
かける
かける
とても優しく聞こえてきた声だった。
空(私)
空(私)
空(私)
私の声はかけるに答えたというより、自分に言った感じだった。
言うと同時に「カラン」と音を立てて包丁が落ちた。
そして私は力が抜け、その場にへたりこんでしまった。
空(私)
空(私)
先程のことが他人事のように感じてしまうほど落ち着いていた。
そのあと私はポツンポツンとかけるに話し始めた。
電話がきた事。病院で家族を見た事。それがすごく怖かった事。そのどれもをただ優しく聞いてくれていた。
しばらく話したあと、かけると一緒に行くことになった。
外は少しだけ明るくなったように感じれた。
空(私)
そう願う私の心とともに。
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