七海
ねぇ、湊。
湊
ん?なに?
七海
なんで彩花と付き合ったの?
湊
は?いきなり何聞いてんだよ!
湊
そんなに気になる?
七海
別に。ただ、ちょっとね。
湊
彩花ってさ、明るいし気遣わなくていいんだ。
湊
気づいたら好きになってた…///
湊
なんか自然でいられた。
七海
自然ね。似合ってるよ!
七海
あんたと彩花。お似合い!
湊
お前さ、なんかその言い方嫌味っぽい。
七海
嫌味なんかじゃないよ。本気で言ってる!
七海
ほんとお似合い。
湊
お前さ、いつもそうだよな。
湊
大事なことを笑って隠す。
七海
隠してなんかない。
湊
隠してる。今も。
七海
ほんとにしてない!
七海
(心の声)
違う。ほんとは"羨ましい"って言いたいのに。
違う。ほんとは"羨ましい"って言いたいのに。
七海
(心の声)
私が欲しかったのはその言葉だったのに。
私が欲しかったのはその言葉だったのに。
翔太
ななみ。
七海
あ、翔太。
翔太
また屋上にいたでしょ。
七海
え?なんでわかるの?
翔太
お前、屋上から戻るとき必ずため息ついてるから。
七海
ばれてたんだ。
翔太
最近、元気ないよな。
七海
そんなことないって!
翔太
嘘だろ。見てればわかる。
翔太
ななみ、俺じゃダメ?
七海
え?
翔太
湊じゃなくても俺じゃダメか?
七海
(心の声)
なんで今なの。どうして私が欲しい人からじゃなくて、違う人から。
なんで今なの。どうして私が欲しい人からじゃなくて、違う人から。
七海
ごめん、今は答えられない。
翔太
そっか。でも俺は諦めないから。
七海
彩花の隣にいる湊を見ていると胸が痛くてたまらない。
七海
奪いたい笑顔がある。
七海
でもそれは私のものじゃなかった。
七海
だから私は笑わなきゃって思った。
七海
強がってでも、嘘でも、笑っていなきゃって。
七海
そうしなきゃ自分が壊れそうだったから。