これから始まる物語は、とある少女と、醜い人形のおはなし。
昔、ふと呟いた。
むかしのわたし
リリィはね、私の最愛の人。
いつも私のそばにいてくれて、私のおはなしをずーっと聞いてくれる。
その頃は、おかあさんもおとうさんも「あの子、あの人形のこととても気に入ったみたい。」と、言っていた。
人形?なに言ってるの、リリィはわたしのおよめさんなんだもん!
そう言っても、おかあさんとおとうさんは「うんうん、そうだね。」と、子供の戯言だと思って可愛らしいと思いながら見守ってくれていた。
でもほんとなんだよ。リリィはわたしのおよめさん。
わたし
私ももう高校生になった。相変わらずリリィとは一緒にご飯を食べ、一緒に寝て、一緒に登校している。
でも、最近リリィのおめめが取れちゃったり、右腕が折れちゃったり…痛そうなことが何故か連発している。
私のお嫁さんが傷つくのはダメ。私が守るんだ、リリィが私を見守ってくれたみたいに。
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