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MAKO
436
タコロ
67
101
デビルズハウス
大広間
主
頭に染み付いたメロディを
小さく口ずさみながら
主
今日失敗してしまったところを繰り返す
主
硬いヒールが床をすべる
ワンピースのパジャマの裾が空気を含んで 小さく舞った
目線も手の位置も
いつも練習に付き合ってくれるベリアンと向き合う位置に
必死でそう体に染み付くように
最近はそればかり
主
着々と迫るその日に向けて
最近はダンス、マナー、歩き方のレッスン
主
主
主
歌うのと足をとめるのは同時だった
広いホールに1人
耳が痛いくらいに静まり返る
主
主
主
主
主
振り返って
少し離れたところにあるテーブルへ
そう思って歩き出した瞬間
魔法が溶けたように
足に鋭い痛みが走り
バランスを崩して足元がふらついた
主
衝撃に備えて強ばった体は
ラト
細くて少し冷たい体温に優しく包まれた
ラト
ラト
いつものゆったりとした声が降ってきた
主
驚いて顔をあげると
ガラスのような青い瞳と目が合った
主
ラト
ラト
私を見下ろす彼の長い髪が
私の世界を赤く囲んで
ますます視界にうつる彼の瞳の青が 際立っていた
主
主
主
ラト
ラトが気づかうように手を貸してくれた
ラト
主
ラト
ラト
ラト
ラト
主
主
見上げたラトはいつもよりも近くて
ベリアンを見上げた景色を思い出して 少し微笑ましくなった
ラト
ラト
主
主
主
主
ラト
ラト
ラト
主
ラトはおもむろに
私の体を姫抱きにした
主
ラト
そのまま近くの椅子に優しく座らせて
ラト
そのまま私の足元に跪く姿勢をとった
主
ラト
ラト
ラト
ラト
主
主
ラトは相変わらずの優しい手つきで
靴を脱がせてくれた
圧迫感から抜け出した足に
どっと血が巡ると同時に
鈍い痛みがうずき始めた
ラト
主
ラト
ラト
ラト
ラト
少し楽しそうな声でそう言いながら
今度は彼が私を見あげる番になる
主
主
ラト
素足に床の冷たさが広がる
痛みを冷やすのには少しちょうどいい
ラト
ラト
ガラスのような青が楽しそうに細められる
主
ラト
ラト
主
私の言葉を楽しそうに繰り返してくれた その姿が
少し幼く見えて
私もつられて笑ってしまった
主
主
私は彼の頭を撫でる
ほどかれている長い長い髪が
ホールの床にも広がっている
主
主
ラト
少し伏せた瞳には嬉しさが滲んでいるように見えた
ラト
ラト
ラト
深い色の美しい髪
白くて細い体
ガラスの瞳
主
主
きっと
美しいドレスはあなたの方が似合う
フルーレが頑張って作ってくれた衣装を 着たみんなと
その主として私は並び立たなければ
堂々とした姿を
見せなければ
それが優しくしてくれるみんなを 守ることに繋がる
ラト
主
主
主
主
ラト
ラト
主
主
ラトの頭からそっと手を離す
主
絶望に必死にあらがって
それでも誰かのために戦って
優しさをたくさんくれて
私は少しでも恩返しがしたい
ラト
主
気がつくと
立ち上がったラトが
椅子に座ったままの私をぎゅっと
抱きしめていた
ラト
ラト
ラト
主
ラト
ラト
ラト
ゆったりとした声がすぐそばにある
ラト
ラト
ラト
ラト
ラト
少し冷たい彼の手が
優しく優しく
頭を撫でてくれる
主
主
あまりにもその手が優しくて
主
私のことを大切に思ってくれていると
主
いやでもそう刻み込んでくる
主
たくさんたくさんいろんなものに 傷つけられたその手は
いつの間にか
涙が止まらないくらいのあたたかさを まとっていた
主
頭によぎるたくさんの失敗と悔しさと
止まらない涙が悔しい
主
ラト
ラト
耳元に
溶けるような優しい囁きが落ちる
ラト
主
ラト
ラト
ラト
すこし弾むような
楽しげな声
ラト
主
主
主
ラトが1番辛くて苦しかった日だ
主
主
ラト
ラト
ラト
ラト
ラト
主
主
止まった涙がまたじわりと溢れ出す
主
ラト
ラト
主
ぎゅっと
少し強く抱きしめられる
ラト
ラト
ラト
ラト
ラト
ラト
ラト
ラト
ラト
ラト
主
ラト
ラト
ラト
ラト
ラト
ラト
主
主
少し幼さをにじませた言葉が
愛らしくて嬉しくて優しくて
わたしはまた笑みをこぼした
主
主
ラト
ラト
主
主
ラト
ラト
ラト
主
主
主
ラト
ラト
そう言うと
またラトは私を姫抱きにする
主
反射的に見上げた彼が
息のかかる距離で微笑む
ラト
ラト
ラト
ラト
細められた青と同時に
赤い髪が風をまとって小さく舞った
コメント
1件
読み終わりました……このエピソード、すごく好きです。主様とラトの距離感がとにかく繊細で、ラトが「今日は月が綺麗ですね」って言うところ、あれ、満月の日の彼の過去を思うと胸がぎゅっとなりました。それでも今は「苦しくも痛くもない」って言えるようになったんだなって……。姫抱きで運ぶとかエスコートとか、もう読んでて優しさに包まれるような気持ちになりました。主様が「返したい」と思ってるのも伝わってきて、この関係性が愛おしいです。続き、すごく気になります……!