僕は小さい頃に親を殺された
僕が心地よく寝ていると、急に叫び声が聞こえた
僕は飛び起き、恐る恐る叫び声が聞こえたリビングに向かう
そこには
両親の死体と
血の着いたナイフを持って
立ち尽くしている兄がいた
しにがみ
しにがみ
しにがみ
しにがみ
僕はあいつを殺す準備をしていた
僕の大切なお母さんとお父さんを殺したのだからやり返されるなんて当然だ
僕があいつを殺しても2人は喜ばないかもしれない
だけどあいつが伸び伸びと暮らすなんて不公平過ぎる
あいつ地獄に落ちて反省し続ける義務がある
だから僕はあいつを殺すのだ
時刻は23:00
人目に付かない道を通りながら包丁を持ってあいつの家へと向かう
住所、家にいる時間帯などは全て調べている
僕の一生をかけて調べたんだ
必ず成功する筈だろう
そんな事を考えながら道を進む
あいつの家はもう少しかかりそうだった
しにがみ
しにがみ
しにがみ
しにがみ
しにがみ
時刻は23:30
30分しか歩いていないが、体感では2時間ぐらい歩いた感覚だ
それ程あいつを殺すのが待ち遠しかったのだろう
あいつの家の合鍵は作ってある
僕は期待を胸に込め家に入る
家に入ると、あいつの匂いがした
匂いを嗅ぐだけでも吐きそうだ
でもやらなきゃいけない
僕はゆっくりと音がするリビングに向かう
しにがみ
そいつはそこにいた
音でバレていたのか、こっちをじっと見ている
そしてあいつは口を開く
ぺいんと
しにがみ
しにがみ
そう叫ぶと沈黙がやってきた
僕は目に涙を浮かべ
あいつは目を見開いてこっちを見ている
あいつの姿が視界に入るだけでどうしようもない怒りが湧いきて
あいつの目に僕が映っているだけでも憎しみが湧き出る
しにがみ
しにがみ
しにがみ
しにがみ
しにがみ
そう言うとあいつも口を開く
ぺいんと
ぺいんと
ぺいんと
しにがみ
僕は包丁を手に取りあいつに向ける
包丁を見たあいつは一瞬驚いたような表情を見せたがすぐに冷静な顔になる
ぺいんと
ぺいんと
しにがみ
しにがみ
ぺいんと
しにがみ
僕の手は震えていた
震えている事に気が付くと何も言葉が吐き出せない
そんな僕を見てあいつは話し続ける
ぺいんと
1歩1歩近ずいてくる
ぺいんと
距離が近くなる
ぺいんと
気が付くと僕の手の上にはこいつの手が重なっており
包丁の刃はあいつの腹に触れていた
ぺいんと
しにがみ
しにがみ
ぺいんと
その言葉を聞いた瞬間僕は包丁に力を入れた
包丁が刺さるのと同時にあいつはこう言い放った
ぺいんと
しにがみ
しにがみ
僕がそう呟いていると、まだ生きていたのかあいつはこう言った
ぺいんと
ぺいんと
ぺいんと
ぺいんと
ぺいんと
そう言い残すとあいつは目を閉じた
どうやら死んだようだ
しにがみ
しにがみ
しにがみ
しにがみ
しにがみ
しにがみ
僕の心には罪悪感からかぽっかり穴が空いたようだった
その空っぽな体を動かして部屋へと向かう
しにがみ
それっぽい部屋を見つけ、探し始める
しにがみ
引き出しの中に金が沢山入っていた
それを取り、家にあった袋に詰める
しにがみ
金を詰めていると、底に手紙のようなものがあったのに気付いた
開いて読んでみる
しにがみへ
しにがみが小さい頃、驚かせたよな…ごめん
今からあの事の本当の事を伝える
落ち着いて読んでくれ
あの日、家に強盗が入ったんだ
強盗は、最初に母さんを刺した
次に俺を狙ってきたんだ
それを父さんが守ってくれた
俺はすぐに包丁を取り出して強盗を刺したんだ
そこにしにがみが来たんだが運悪くしにがみの視界には強盗が入っていなかったんだ
その後、強盗殺人として事件は終わったが、小さい頃のしにがみには刺激が強いから伝えられていなかったんだ
心配かけたよな。ごめん
俺はしにがみが生きていた事が嬉しい
そしてこれからも生きて欲しい
ここにあった金は全てしにがみのものだ
何に使ってもいいぞ
この事を知らなくて辛かったよな
頑張ったな。お疲れ様
そしてごめんな
ぺいんとより
しにがみ
しにがみ
僕の目からは大粒の涙が零れていた
僕は涙を流しながらぺいんとの元へ走る
しにがみ
リビングに戻ると、僕はぺいんとに抱き着いた
2人の周りには血の海がひろがっていた
冷たい肌に触れながら話し続ける
しにがみ
しにがみ
しにがみ
しにがみ
しにがみ
しにがみ
しにがみ
しにがみ
しにがみ
しにがみ
時刻は0:00
冷たい空気の中
血の海に囲まれながら
僕は僕を刺した
わかめ
わかめ
わかめ
わかめ
わかめ
わかめ
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