TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

アメリカ

…ん、んぁ……?

ここは何処だ? 布団……?ベッドではなく?

ふと目を覚ますと、アメリカは畳の香りとともに布団にくるまっていた。

アメリカ

日帝の家…?
何があったんだよ…

アメリカ

おーい日帝〜……って、
いないし。

布団の中でぼうっと天井を見上げ、 誰もいない部屋で掠れた声をあげる。

アメリカ

長い夢を見ていたような…

アメリカ

そういえば、
何で枕が二つあるんだ?

そうこうしているうちに目が冴えてしまった。どちらにせよ、いつまでもここで推測を続けるわけにもいかない。 アメリカは、居間に行くことにした。

アメリカ

えーっと、
オハヨウゴザイマス…

日帝

おおアメリカ。
やっと起きたか………って

日帝

っ、お前…

カタコトの日本語で挨拶をしてきたアメリカ。だがその姿は昨日のものではなく、 いつもの青年になっていた。

日帝はつい昨日の調子で接してしまったが、自分よりも頭一つ分高い男の姿を見て 思わずギョッとする。

アメリカ

日帝、いつもより優しいな。

日帝

優しい?
俺が、貴様に?

日帝

フン、顔を洗って寝ぼけた頭を覚ましてくるといい。

アメリカ

……だよな、そんなはずないよな…。

日本

あれ?アメリカさんじゃないですか!

アメリカ

日本!Good morning!!

日本

おはようございます。どうやら元に戻ったみたいですね。

アメリカ

元に……?

日本

いやだって、アメリカさん昨日まで子ど──むぐっ!?

何かを言いかけた日本の口を 日帝は慌てて塞ぐ。

アメリカ

??

どうやら幼いアメリカへの態度で接してしまったことが恥ずかしいらしい。 普段はつい強く当たってしまうから、 なおさらである。

日帝

貴様が道端で倒れているのを見かけたから看病してやっただけだ。

アメリカ

そうだったのか……ありがとう。

日帝

べ、別に、あのままにしたら
寝覚めが悪かったからな。

アメリカ

それでもだよ。

日帝

……そんなことより貴様、
随分と魘されていたぞ。
もう熱は無いのか。

アメリカに丁寧に礼を言われてしまい、むず痒くなる。 日帝は思わず嘘を重ねてしまった。

アメリカ

魘されてた?

日帝

あ、ああ……

アメリカ

え、そうなのか?
すごく幸せな夢を見たんだけどな……

日帝

あっ……そ、そうか。
なら良いんだ、ははは。

 

アメリカ

──過去の事を全部忘れて、
日帝と一緒に過ごす夢だったんだ。

日帝

……!

アメリカ

楽しかったな…
一緒におやつ食ったり、晩飯作ったり……

アメリカ

一緒に風呂にも入ったんだけど、何故かお前が猫みたいだったんだよ。

やっぱ夢って感じするよな。

日帝

な、何だその夢は!ただ俺が恥ずかしいだけじゃないか。

アメリカはその"夢"が現実であることを 知らない。

幸いなことに、日帝は既にいつもの軍服に着替え終わっていた。 故にそれが 夢でないと気付かれることはない。

アメリカ

まさか、
本当に猫だったりして!?

日帝

そんなわけないだろ。戯言もそこまでにして早く帰れ。
もう回復したのだろう。

アメリカ

病み上がりなのに冷た〜い。
……ハイハイ、分かりましたよ。

日帝にギロリと睨まれ、アメリカは いたし方なく家を後にしようとする。

──わけもなく。

アメリカ

えいっ!!

日帝

……!?

アメリカはすれ違いざま、 冗談半分で日帝の帽子を取る。

帽子の中の絶対領域。 そこには、紛うことなき猫耳があった。

アメリカ

……お、

アメリカ

Oh my CAAAAAAAAAT!!!!!

日本

アメリカさん。

アメリカ

すみません、本当にすみません。ごめんなさい。

仁王立ちする日本の前で、 アメリカは正座をして痛みに耐える。 …その膝の上には、大量の書類や本が。

日本

貴方のお遊びは結構。
だがそれに父を巻き込まないでいただきたい。

日本

……結局、互いに良い気分は
しないんだから。

日本は日帝の部屋の方向を一瞥する。 あの後、衝撃のあまり日帝は部屋に閉じこもってしまったのだ。

アメリカ

違…っ、そんなつもりじゃ…

日本

第一、本当は気がついていたんでしょう?
あなたの言っている"夢"が夢じゃないって。

アメリカ

……へ?

アメリカ

ま、待ってくれ!!どういうことだよ?俺の見た夢が現実だったって……。

日本

は、はぁ…?
いやだから、言葉の通りですが──

日本は、アメリカが昨日の出来事を理由に 父親をからかっていると思っていたが、 それは大きな誤算だった。

本当に記憶は曖昧だったのだ。

日本

……!!!

しまったと思った時にはもう遅く。 日本は完全に日帝の利敵をしてしまった。

アメリカ

だ、だから枕も二つ……

アメリカ

──ん?待てよ?

アメリカ

なあ日本。オレ、昨日は誰の部屋で寝たんだ?

日本

? 父さんですが。

アメリカ

!!!!!

アメリカ

これってもしかして、日帝に添い寝してもらったってこと!?!?

アメリカは興奮のあまり、 とんでもない力で立ち上がる。 太腿に載っていた本と書類がばさばさと落ちて、アメリカの足に直撃した。

だが、それどころではない。

アメリカ

OHHHHHHHH!!!!!!

アメリカ

日帝〜!!お前やっぱ照れ屋なだけでオレのこと──

物凄い勢いで日帝の部屋に向かおうとするアメリカ。 だが……その腕を掴む者が一人。

日本

……

ニコリ。白々しい笑みを浮かべた 日本である。

アメリカ

ヒッ…

日本

何をしに行くつもりで?

日本

ほ〜ら、まだまだ話すことは
沢山ありますよ。

アメリカ

あっ……

のちにアメリカは語る。 日本を怒らせる方法は存在した……と。

**続く**

ショタアメくんといっしょ!

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

277

コメント

2

ユーザー
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚