翻弄〈前編〉

ﾀﾞﾝｯ!!

お断りだ

ﾊﾞﾀﾝ

ｺﾝｺﾝ

数日後

全然反応しないなこのﾋﾄ

ﾗﾀﾞｵｰｰｰｰｰｰ!!!!!!!!!

そういって頬を両手でパチパチ叩く彼

その言葉を発した直後 彼の体が小さく震えたのがわかった

俺はそういう 彼のわかりやすいとこが好きなのかもしれない

夜

そのとき

今物凄い殺気を感じた気がする

彼の視線＿＿＿振り返ると 古びた城があった

その聳え立つ塔の隙間から覗く赤い光

あれは

“彼の瞳”とそっくりだった

ﾊﾟｼﾝｯ

そんなことを考えていると 白衣の男が複数人入ってきた

1番リーダー格のような奴が俺の頬を片手で掴んで 顔を引き寄せるように引っ張ってくる

白衣の集団「「はい。」」

そう皆が返事をした直後から 弾けるように皆が動き始めた

大半は何故か地面に俺を押し付けるようにし 抑えつけてくる

＿＿＿＿＿＿＿

そこには注射器や薬 おまけに血まで散乱していた

そこまで言うと 彼の顔がこれ以上ないほど険しくなった

ｶﾞｯ

鈍い音があたりに響いたと思えば 彼は気絶したのか地面に倒れ込んだまま動かない

ﾆﾀﾆﾀと嗤う白衣の男は背後に目を向ける

白衣の男で見えていなかった奥の方には 血だらけの、見慣れた人が倒れていて

男がそう言うと 背に強い衝撃を与えられ、飛ばされる どうやら他の仲間に蹴りとばされたらしい

受け身を取れず、倒れたままの姿勢で顔をあげると 目の前には探していた彼がいて

急いで立ち上がり彼のそばに駆け寄って 体を揺さぶるが応答せずぐったりしている

とくとご覧あれ