サトコとの戦いから数日経った今日まで、他にも能力を失ったものは誰もいなかった。
ワタルとカナの2人以外、能力を失ったことにより目が見えなくなったという事実は誰1人として知らなかった。
ワタル
カナ
ワタル
カナ
彼女は一呼吸置いて再び口を開く。
カナ
カナ
ワタル
ワタル
カナ
ワタル
ワタル
カナ
ワタル
カナ
ワタル
カナ
しんみりとしていた空気が、ワタルの言葉で再び元の明るい空気へと戻り始める。
カナ
カナ
カナはそう言って走り去っていった。
口では気にしないと言っていたワタルも、どうか負けないでほしい、そう願っていた。
ワタル
ワタルも独り言をつぶやき歩き始める。
ユウ
ユウ
ユウ
歩き始めて13歩目の事だった、あまりにも早く見つかり拍子抜けしてしまう。
ワタル
ユウ
彼はそう言い放ち、そして目を瞑る。
ワタル
ユウ
その場に沈黙の空気が流れた…
全く攻撃をしてこない相手に何かをするのも気が引けると思ったワタルは、彼が目を瞑るのが終わるのを待っていた。
そして3分後
ユウ
ワタル
ユウ
ユウ
ユウ
ユウ
ワタル
ユウ
ワタル
ユウ
ワタル
勢いに押され、ついていけなくなっていた。
ユウ
ユウ
ワタル
ユウ
ユウ
ワタル
ユウ
ユウ
只今の場所は公園、風で砂が舞う場
砂を避けるために手で目を防ぐワタル、彼の耳に聞こえてきた音は…
シュッ!シュッ!
ワタル
自分の前方からしか聞こえてこないわけでは無い。
右、左、またまた後ろ、四方八方から聞こえてくる風を切る音。
ワタル
目を覆っていた手を、恐る恐る開いて見てみると…
ユウ
ワタル
ユウ
ワタル
見えてきたのは風を切る音を自分で言いながらワタルの周りを回る彼の姿だった。
ユウ
ワタル
…とツッコミを入れたところで、ワタルに妙案が思いつく。
ワタル
ユウ
ワタル
ワタル
ここからは、ワタルの殻を破ったハッタリの始まりだった。
ユウ
ワタル
ワタル
ワタル
ユウ
ワタル
ワタル
ユウ
ワタル
ユウ
ワタル
ワタル
ユウ
ワタル
ユウ
ワタル
ユウ
ワタル
ワタル
ユウ
石をぶつける事なく脅かす事で気絶させたワタル。
やり方としては汚いが、これも一つの勝ち方としては悪いとは言い切れないのだろう。
ワタル
ワタル
ワタル
今後、同じような勝ち方では二度と勝ちたくない、そう思ったワタルなのだった。