太陽

流石に昨日のは不自然だったよな…

気まずい…

そんな哀れみの目を向けるなよー…

来てしまった…

俺は、八丈島ってとこで生まれた。

俺の親は、貧しいながらも2人で生きて、島の人たちからの信頼も厚い人だった。

島で、豊かに、幸せに暮らしてたんだ。

でも、ある日。

キキーッドン！

母は定期検診に向かう途中、車に撥ねられた。

母はすぐに救急搬送されたが、命は助からなかった。 唯一助かったのが、俺だった。

そして残された俺は、アルビノだった。

そんな状況に耐えられなかったのだろう。父は、電車の線路に飛び出して自殺した。

その後俺は親戚の家に引き取られた。

その家での生活は…まぁ、酷かったよな…まるで人間として扱われなかった。 まぁ、今もそこで暮らしてるんだけどさ。

こんな事は日常茶飯事。 もっとひどい時は…

ガタガタ

ガシッ

逃げなきゃ。そう思った。

怖い。体が動かない。足がすくむ。 でも逃げなきゃ。じゃないと死んでしまう。

走って、走って、走った。

ドン！

ガシッ

そして俺は家に連れ戻された。

気づけば、俺の体には無数の痣が出来ていた。辛かった…のかなぁ…

気づかれたくなかった。なんとしてでも。

気づかれたら、もうこの世界に居場所なんてなくなると思ったから。

だから、必死で隠した。

作り笑顔を作って。

いじめられても、出来るだけ明るく振る舞って。

水泳の授業は休んだ。

それで内申点が下がったとしても。

居場所が、欲しかった。