テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
2019/07/11
幼い妹に対するような そんな感覚に近いものだと僕は自分に言い聞かせていた。 彼女の柔らかな髪に触れ、小さな手を握る。 その温もりは、僕の孤独を優しく包み込むようだった。 夜、リンは僕の布団に潜り込んでくる。 小さな身体を丸めて眠る彼女の寝顔は、無防備で、痛々しいほどに幼い。 その寝息を聞いていると、僕は彼女を守らなければならないという強い衝動に駆られる。 この小さな命を、僕以外の誰にも傷つけさせない。 しかし、時折、僕は自分の心の中に潜む、別の感情に気づく。 それは、彼女の無垢さに対する、歪んだ独占欲のようなもの。 彼女のそばにいるだけで、今まで感じたことのない、甘美で危険な感情が湧き上がってくる。 僕は、リンに「これは、じゃれあいだよ」と教える。 「…だ、や、あ、だ」 「ぃ……え、かへしえ」 48手という技巧を凝らし、触れる上下 生命の根源が共鳴し合う。 彼女は、なにこれ???と不思議そうな顔をして僕を見上げるが やがてその意味を理解したのか諦めたのか分からないが、小さく微笑んで涙を流した。 その歪んだ顔を見るたびに、僕は興奮と同時に、言いようのない優越感に浸る。 蝉の痛々しく大きな感情の奔流が織りなす 内なる叫びだけが 今日も変わらず 夏の終わりを告げるように鳴り響いている。 生を感じずには居られない もう彼女は感じられないと思うが 俺は冷静になって終わってしまった甘美を カバンに入れていたナイフで四肢解体をして 箱に閉じ込め 「ちゃんと家、帰れたね。りんちゃん」 と箱に向かって呟いた。