圭
こうやって歩くの久しぶりだなぁ。
さら
…確かに、何か変な感じ。
そう言って少しだけ微笑んだ
圭
…そうだ、最近そ..まりとはどうなの?
蒼太,そう言おうとして踏みとどまった。俺は… さらと別れた。 そん時に今の彼氏の名前をだすなんて馬鹿みたいだな
さら
まり?なんで?
圭
いや,前にさぁ何か喧嘩してたじゃん?それから二人して無視しちゃってさぁ〜もう俺も気まずかったんだから笑
さら
……あったね,そんな事
圭
あったねって,結構最近だろ。確か…
そこまで言って気づいた。そう,その喧嘩中に俺らは別れた。別に二人が喧嘩してるから気まずくなって別れたわけじゃない。ただ, 「別れよう」 それだけだった。何が原因かは分からない,けど,蒼太が好きになったから別れた訳ではない,それだけはわかった。だって,泣いていたから
さら
…別れよ,
圭
...は?えっなんで?
さら
ごめん,
圭
…好きな人が出来たのかよ
圭
それってすげぇ無責任じゃん,なんで別れるかも言わずに別れよ,って…俺はもう用無しかよ..っ!
言っちゃいけないって分かってた。でも兎に角どうしていいか分からない位怒りでいっぱいだったんだ。
さら
…ごめッん,ズズッほんとにっゔッぁごめんっゔゔゔぅ
泣いて,いた。でも,「ごめん」,その声が君に届くことはなかった
さら
何か気まずくなるからこの話終〜わりっ!ね?
圭
…うん笑
やっぱ俺,さらの事忘れらんないんだなぁ,笑 酷いこと言って悲しませたのにばっかみたい。 俺らは別れたんだ,なのに
いや,だから
圭
ねぇさら,月が綺麗だよ
ちょっとカッコつけちゃって,アホらし でもこんな時位しかカッコつけらんないからさ, 伝わらなかったらそれでいい だから,伝えさせて
さら
…それってどう受け取ればいいの?
圭
お好きにどうぞ
さら
…でも
月は青くはないよ,
圭
…そっか
これでいい
圭
そろそろ帰ろっか
さら
うん
さら
「さようなら」
もう会うことは無いだろう。幸せになって,さら
圭
さようなら
俺ら別れたのはきっと赤い糸が切れたからじゃない。ほどけてしまったんだろう。俺らに運命の赤い糸なんて無かった。俺が勝手に結んでしまった。
今度は,俺が泣く番だ。本当は彼奴のほうが泣きたいのに,
圭
…泣くなよ,馬鹿