TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

嫌われた世一と愛された世一

一覧ページ

「嫌われた世一と愛された世一」のメインビジュアル

嫌われた世一と愛された世一

12 - 嫌われた世一と愛された世一【最終話】

♥

1,672

2023年07月22日

シェアするシェアする
報告する

A子

なっ!!

写真を撮られ

A子が焦ったように声を荒らげる

愛凪

写真見せる前に、

愛凪

A子に対するイメージ教えて欲しいんだけど。

愛凪

ねぇ、玲王、教えて?

首傾げ眉を下げ、捨てられた子犬のような顔で

向こうの玲王にこっちの凪が問いを投げる

嫌玲

えっと、ふわふわしてて優しくて、

嫌玲

天使みたいな人ってイメージだけど...

玲王が反射的に質問に答える

嫌凪

玲王、あいつらにそんなの教える価値ないって

嫌玲

あっ、すまん、反射的に...

愛凪

ふーーん、天使かぁ...

撮った写真をじっと見つめ

愛凪

天使とは思えない表情してるけど...

とこっちの凪が述べる

俺らが凪の撮った写真を覗くと

バッチリ世一を睨みつけてるA子のが写っていた。

凪は持っているスマホの画面を外側に向け

皆にA子の写真を見せる

すると向こうの3人は戸惑ったような表情をした。

嫌蜂

え...

嫌玲

え、A子さん...?

嫌凪

うそ...

その写真を見たあと、3人はA子に疑いの目を向けた

A子

え、えと、そのっ、

些細な写真ひとつ

言い訳をすればまた騙せるかもしれない写真なのに

今までの悪事がバレてしまうかもと思ったのか

A子は焦り、テンパっている

A子

っ...

言い訳が思いつかないのかとうとうA子は黙ってしまった。

嫌蜂

涙を流すのを堪えてるだけだよね...?

3人は受け入れきれないのか言い訳を3人が考え、A子に問う

A子

そ、そうっ、そうなのっ

A子はそれに対して、そうだと肯定する。

その様子を見ていた向こうの千切が

嫌千

おい、そろそろ認めろよ

そう言い、A子の近くに歩いていく

焦っている向こうの玲王はギリッと歯を鳴らし

嫌玲

うるせぇ!近づくな!!

嫌千

ぐッ...

ガンッと千切を殴った

強く顔を殴ったのか、態勢を崩し、口の中が切れ、口から少し血を流す

それを見た俺らはすぐ、近くへ行き千切を支える

嫌玲

あッ......

愛潔

大丈夫か!?

愛玲

とりあえず冷やさねぇと腫れるぞこれ...

愛蜂

でもここ氷とかないよっ、

そんなことをしていると奥にあった黒い扉が

バンッと勢いよく開いた

みんながびっくりしていると世一が

嫌潔

...帰ろう

嫌潔

俺、こいつらにもう興味ねえ

そういうと世一は千切に肩を貸し、開いた扉へ歩いていく

俺らが唖然としていると國神と馬狼が世一の後に続くように歩き始めた

俺らは戸惑いながら世一と國神らの後をついて行った

A子を取り囲んでた3人は絶望の顔をして、その場から動かなかった

俺らが扉の中に入ると扉はバタンと閉まった。

扉の中は廊下のようになっていて

突き当たりが見えないぐらい長い。

すると、いきなり世一が俺らの方を向き、

嫌潔

ごめん!みんな!

頭を下げた

愛潔

えっ

嫌潔

俺のためにせっかく色々してくれたのに

嫌潔

結局あいつら説得するの諦めたから...

申し訳なさそうに、頭を下げ続ける。

愛玲

いや、いい判断だった

愛玲

ああなった俺は何するか分かんねぇし...

愛千

そっちの俺の怪我もあっての判断だろ?

愛千

まあ、俺は俺説得できて満足だから

愛蜂

俺もあんな俺もう見たくなかったから全然平気!

嫌國

俺は潔が無事なだけで嬉しいからな

嫌馬

あいつらに吠え面かかせれただけで満足だ

世一は皆の言葉を聞き安心したように笑った。

愛潔

俺はなんにも出来なかったから謝られる資格ないし...

愛潔

それより俺は世一が吹っ切れたように見えて

愛潔

ちょっと安心してる

嫌潔

...!

嫌潔

...味方になってくれた千切を殴ったのを見て思ったんだ

嫌潔

こいつらはもう俺の知ってるこいつらじゃないんだって。

その時の世一の顔は全て解決したかのような

清々しい顔をしていた。

嫌潔

だからもういいんだ、あいつらのことはさ

そういうと、

國神と馬狼と世一に肩を借りていた千切が

世一の頭をポンポンと撫でた

嫌潔

なんだよお前ら〜っ!

嬉しそうに笑う世一を見て、俺は心から安心出来た。

千切が世一の肩を借りるのを辞めてから数分経つ

色々な世間話をしながら長い廊下を歩いていた。

その数分間は笑顔が絶えなかった。

けれど今、俺らは迷っている

愛潔

どっちに進めばいいんだ...?

廊下がふたつに分かれていたのだ

分かれている廊下の先にはどちらにも光が見える

だからこそどっちに進むのが正解か迷っていた

愛蜂

あ、ねね!世一!

蜂楽が俺の後ろから抱きつき、廊下の下を指さした

愛蜂

『嫌われ』と『愛され』って書いてるよ

廊下の床に『嫌われ』の文字と『愛され』の文字がそれぞれ書かれてあった。

愛潔

『嫌われ』と『愛され』...?

俺が首を傾げていると

世一が嫌われの廊下の方に立ち、

嫌潔

世一はそっちだ

と『愛され』と記された廊下を指さした

愛潔

なんで分かったんだ?

嫌潔

...あの黒い扉は俺の感情とリンクして開いたみたいだった

嫌潔

だからこの『愛され』と『嫌われ』も多分〝潔世一〟のことだと思うんだよ

嫌潔

俺は玲王や凪や蜂楽や...國神と馬狼以外には〝嫌われ〟てたからこっち

嫌潔

だとしたらお前はそっちだろ?

愛潔

な、なるほど...

俺は納得すると蜂楽たちと一緒に『愛され』の廊下に立った

愛潔

...

愛潔

じゃあな、世一

嫌潔

おう、じゃあな。

俺らはハイタッチをするとそれぞれの廊下を進んだ。

俺らは廊下を進んだ

愛蜂

ねぇ、潔寂しい?

愛潔

は、え、なんで?

愛蜂

そーいう顔してた!

愛潔

あーー...

愛潔

まあ、確かに寂しくないって言ったら嘘になるな...

愛千

寂しいなら俺がよしよししてやろうか?

愛潔

い、いや...

愛潔

...ん、やっぱお願い...

愛千

え、

愛潔

...?

愛潔

千切早く

愛千

お、おうっっっ!!!

千切は俺の頭を撫で回した

愛潔

ちょ、!千切!撫ですぎ!!

愛千

いーだろ、これぐらい、

愛千

潔から甘えてくるのって初めてだから俺も嬉しいんだよっ!!

愛潔

うるせぇっ

愛凪

潔〜、俺も撫でてあげようか?

愛潔

千切に十分撫でてもらったって!

愛潔

てか、お前ら世一呼びやめたのか?

愛凪

あー、うん

愛蜂

こっちの方がしっくり来るし

愛蜂

呼び慣れてるしっ!

愛凪

もしかして世一の方が良かった?

愛潔

いや、

愛潔

なんだか潔ってお前らに呼ばれるの久しぶりで

愛潔

むず痒いっていうか

愛潔

嬉しいっていうか...

愛蜂

!!

愛凪

...!!

愛蜂

いーーさぎっ♪

愛凪

いさぎーー

愛潔

いきなりなんだよ、お前ら〜っ

愛玲

潔、

玲王が後ろから俺の頭をくしゃりと撫でた

愛潔

わっ、玲王?

愛玲

これ俺からのご褒美な?

愛潔

...おうっ

その会話を最後に俺らは光に包まれ

眠るような感覚に陥った

愛潔

ん...

俺はブルーロックのベッドの上で目を覚ました。

今までの出来事は夢だったのかと思うほどいつも通りの朝だった。

俺は食堂に行き、飯を食べようとすると

玲王と凪と蜂楽と千切が走ってきた。

愛千

居たぞ!潔だ!

愛蜂

潔〜〜〜〜!!

愛玲

やっぱここに居たな

愛凪

潔...!

愛潔

どうしたんだよお前ら?

愛凪

これ、

そう言って凪が見せてきたのは

俺が2人写ってる写真...

いや、俺と世一が写ってる

凪が撮影したあの写真だった

愛凪

ねぇ、潔、

愛凪

夢じゃないよ

そう言って俺にその写真が写ったスマホを渡してくれた。

俺はその写真を見つめ、夢じゃなったと確信した。

俺が今どんな顔をしてるかは分からない

頬に水の感覚あるから泣いてるんだろうな...

でも多分

愛潔

...そうだなっ!

すっごい笑顔でもあると思う

━ 𝑒𝑛𝑑 ━

loading

この作品はいかがでしたか?

1,672

コメント

38

ユーザー

書き方上手すぎてびっくりしました(*^^*)

ユーザー

嫌われの方の潔も幸せになってね(´;ω;`)

ユーザー

初コメ失礼します! 最後めちゃくちゃ感動しました…見た物語の中で1番大好きかも知れません…!! こんな最高の作品をありがとうございます!!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚