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ザッザッと、 7人分の足音が,近くで聞こえる

乱数

本当に、こっちで、あってるんだよね?

左馬刻

多分、な

左馬刻

!あれだッ…

一郎

一番上が爆発したのか…

梓穩は大丈夫なんやろか

ギィと鈍い音を立てて ドアが開いた

そこには、

二郎

!梓穩!

見慣れた後ろ姿で 部屋の中心に立つ梓穩がいた

否、違った

足元には同級生と思われる少女が 血を流して、目を見開いて倒れていた

梓穩

二郎

よかった、まじで死んでたらどうしようかと…

寂雷

近づいてはダメですッ!

梓穩

1、2、3……7人

梓穩

全員…あの時の出場者…

盧笙

…!

梓穩お前…記憶が…

梓穩

山田…二郎…

梓穩

…まだ、残ってた

左馬刻

梓穩…?

一郎

ッ!二郎、梓穩から離れろッッ!

梓穩

…殺さなきゃ

二郎

は……

いつの間にか梓穩の手には ヒプノシスマイクとナイフが握られていた

梓穩が足に力を込めるのがわかった

俺はその両腕を掴んだ

盧笙

ッ、今のうちに離れや…!

二郎

う、うん…

梓穩

…離して

盧笙

無理に、決まってるやろッ…!

梓穩

だが、梓穩は俺を足場に ジャンプをして、後ろに下がった

盧笙

っ"…た…ッ

盧笙ッ、!

盧笙

大丈夫や…手刺されただけやし

梓穩

…なんでそいつを守るの

盧笙

当然やろ、

盧笙

逆にあの子は梓穩に何したんや

盧笙

何もしてない子を…

梓穩

だからだよ

乱数

は…?

梓穩

あそこでは何もしないことはしてきた奴らよりも悪質

梓穩

見て見ぬ振りなんて、正義でも何でもない

二郎

違うッ!

二郎

俺は、あいつらがそんなことしてるって知らなかったんだっ

梓穩

知らなかった?どうして?

梓穩

教師でさえも共犯だったあの場所で

梓穩

気づかないなんてありえないでしょ?

一郎

教師が…共犯…!?

梓穩

…あそこでは私は1人だった

梓穩

誰1人助けてくれなかった

梓穩

私だって分かってたよ

梓穩

こんな人間に意味なんてないんだって

そんなことッ…!

梓穩

でも…それでも…ッ…!

まずい、と思った時には 梓穩は二郎くんの腕を掴んで 壁に押し付けた

梓穩

誰かが助けてくれることを願ってたッ…!

二郎

っ…!

梓穩

友達じゃなくてもいい

梓穩

私のためなんかじゃなくていいッ

梓穩

エゴでも、偽善でもなんでもいいっ

梓穩

誰か、助けてって

梓穩

ずっと…思ってた…ッ

梓穩

…だけど、

梓穩

あの日、いつものメンバーに体育館に呼び出された

二郎

体育館…?

二郎

そんなの、使えないはずじゃ…

梓穩

言ったでしょ、教師も共犯だって

寂雷

まさか…っ

梓穩

…あの日、体育館に行ったらクラスの全員がいた

二郎

全、員…?

梓穩

…その時にはもう理解してた

『ああ、』

『助けなんて、ないんだ。』

その瞬間、俺は気づいた

俺と仲が良かった奴らも

クラスの優等生も

二郎

全員が…梓穩を…ッ

全員で、梓穩ただ1人を 傷つけたんだ

梓穩

…それからはもう、何も考えられなかった

梓穩

この世界に救いなんてない

梓穩

きっと今までもこれからも同じように、

梓穩

絶望で溢れながら生きていくんだって

梓穩

そう思った

許せない、という気持ちと共に

助けられなかったという後悔が 俺の心に押し寄せてくる

二郎

ッ…ごめん…っ

梓穩

え…?

二郎

俺、ずっと何も知らずに…

二郎

あの時に助けられなくて、ごめん

梓穩

沙漓奈

ちょっと…どういうつもりよ…ッ…!

梓穩

…!

二郎

なっ…

沙漓奈

なに、仲良くなろうとしてんの、?

沙漓奈

あんた、私の大切な顔を傷つけてただで済むと思ってるの!?

梓穩

ぇ…ぁ…?

沙漓奈

ふざけんじゃないわよッ!

沙漓奈

お前なんて、あの時に死んでれば良かったんだッ!!

二郎

ふざけてんのはお前のほうだろッ!

二郎

お前、梓穩がどういうつもりで今まで生きてきたか知らねぇだろッ!

沙漓奈

…はぁ?w

沙漓奈

そんなのどうでもいいに決まってんでしょw

沙漓奈

それよりも、さっさと謝りなさいよ

沙漓奈

沙漓奈様の顔に傷をつけてすみませんでしたって言いなさいッ!

一郎

あまりにも自分勝手すぎるだろ…ッ!

左馬刻

調子乗ってんじゃねぇぞクソが

二郎

梓穩っ、こんな奴に謝らなくていい!

二郎

…って、

目の前にいる梓穩は、 ずっと俯いて体を震わせていた

二郎

梓穩、?

沙漓奈

あら?まさか泣いてるの?w

沙漓奈

やっぱり弱いわね、あんたってw

また、見えた

大嫌いな奴の顔が

今すぐ潰したい

その顔を潰して ぐちゃぐちゃにして 他の奴らも、みんな

梓穩

…ぐちゃぐちゃにしたい

乱数

っ…!!

梓穩がマイクを口元に持っていく

冷や汗が止まらない

まずい、このままだと

一郎の弟も、あの女も 殺される

本能的にそう思った

その瞬間 周りが暗くなった

乱数

一郎!弟とその子を下がらせて!

二郎

はぁ!?俺だって!!

左馬刻

お前殺されるぞ

二郎

は…?

盧笙

今の梓穩は、もうさっきの梓穩とちゃう

ヒプノシスマイク…やる気満々っちゅうわけか

沙漓奈

何よそのマイク…気持ち悪い

沙漓奈

そもそも、違法されてるはずでしょッ!

梓穩

…お前には関係ない

沙漓奈

なっ!?お前ですって!?

沙漓奈

誰に口きいて…

ラップは 「────」 でお願いします

梓穩

───────────
──────、─────?
─────!

沙漓奈

あがっ…!?

二郎

おいッ!大丈夫か!?

沙漓奈

二郎

兄ちゃんッ!こいつ息してないッ!!

一郎

!?

寂雷

私に任せてください

寂雷の目の前をナイフが通り過ぎる

寂雷

ッ!

梓穩

…させるとでも?

梓穩

私は言ったはず

梓穩

そいつは、私をいじめた

梓穩

死にたくなるような苦しみまで与えられた

梓穩

なのに助けようだなんて、考えるの?

寂雷

何をしても、人は皆平等です

乱数

そういう話じゃないっつーの…

梓穩

…今私がここで死んで

梓穩

そいつが人殺しになっても?

寂雷

君も、その人も死なせません

梓穩

…馬鹿馬鹿しい

梓穩

綺麗事なんて、気持ち悪いだけでしょ

寂雷

貴方がそう思うならそうなのでしょう

寂雷

でも、私はそう思いません

寂雷

綺麗事でも、誰かを助けることはできます

梓穩

…じゃあいいよ

梓穩

そいつらの味方する奴は

梓穩

問答無用で潰す

寂雷

…望むところです

左馬刻

は…ッ…は…ッ

梓穩

…もう終わり?

梓穩

残念、あんなに威勢は良かったのに

梓穩

立てる人は…もういないか、

梓穩

…あぁ、一つだけ言ってあげる

梓穩

私はこの世界に何の希望も持ってない

梓穩

貴方達の救いなんて、求めてなんかいない

盧笙

ッ…なん、でや…っ

梓穩

…何?

盧笙

ついさっきまで、梓穩は普通だった

梓穩

簡単だよ

そういうと梓穩は ポケットから小さい透明の袋を出した

梓穩

この薬を飲んだだけ

寂雷

!?

左馬刻

お前、なにして…!

梓穩

別に怪しいものじゃないよ

梓穩

記憶を一時的に取り戻す薬

乱数

だからこんなに思い出してたのか…

梓穩

あぁ、そっか

梓穩

乱数さんは知ってたんだっけ

梓穩

知らない人たちばかりかと思ってた

乱数

そりゃあね

乱数

…バレないように嘘つくのなんて、簡単でしょ?

梓穩

…まぁ、そっか

沙漓奈

ピクッ

梓穩

…まだ、生きてるんだ

そう言い、ナイフに持ち替えて 女のところに近づく

そして大きく振りかぶった

梓穩

…さよなら

刺そうとしたナイフは 誰かの手によって止められていた

まぁた暴走してんのか?梓穩

零!?

盧笙

あんたなんでここに…!

梓穩

…何のつもり?

お前、もう限界きてんだろ

梓穩

さっきから動き鈍いもんな

そういうと一瞬でナイフを取られた

梓穩

返し──

その瞬間ズキッと頭が痛んだ

梓穩

ッ…

ほらな、

あんま無理は良くねぇ

梓穩

なんで止めるの

梓穩

関係ないでしょ

そんな感情忘れろ

梓穩

は…?

今のお前は憎さなんて忘れて

幸せそうだぞ

梓穩

っ…そんなの、

ならこのまま殺すのか?

梓穩

梓穩

…わかった、やめる

盧笙

!ほんまか!

梓穩

あからさまに喜ぶじゃん

梓穩

…零

はいはい、

零が私の額に指を置く

それと同時に 私の意識は沈んだ

そのコミュ障少女はどついたれ本舗と仲がいいらしい

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