記憶を失った弟は甘えん坊

俺には弟がいる

それも、素っ気ないにも程がある性格だ

俺に対して嫌悪感をいだいていて

俺に構いやしない

それでも俺は弟に愛を注いだ

そのおかげで周囲の人には悪者じゃない

俺だけにその性格をぶつけている

つまり俺を嫌っている

他の人はなにも悪くない

それで良かった

でも

俺だって

そんなふうに……

ﾊﾞﾀﾝｯ

兄さん！

兄さん大好きだよ！！

兄さんおばけがぁ((泣

兄さん大丈夫！？

兄さん早くしてよ

なにやってんの兄さん

馬鹿みたい

情けない兄さんだわ

兄さんのことなんか大嫌いだし

はあ？

黙れよ兄さん

そんなだから兄さんは

兄さん！

〜夜〜

1時間後

その時転んだ時に出来た傷は血が止まらなかった

だけどなぜか痛くなかった

愛する弟がいなくなったから

その時俺が泣いていたのは

足の傷じゃない

心にできた傷だ

弟がいなくなった傷

もう…諦めかけた………

ﾋﾟﾘﾘﾘﾘ！