ほーん、いつからわかっておった

珍しいのう、あの道を見つけるだけで恐ろしいほどの才がなければならんのに

どれだけその力を持て余しておるのだ

…お主の親どもは何を見ているんじゃ

あの道を見つける奴は多くても半世紀に一人

この神社まで辿り着くのが一世紀に一人

火の玉が見えるやつはだいたい三世紀に一人

そして

わしの存在に気付いたものは誰一人としていなかった

自分で建てたものじゃ

人間どもは馬鹿よのう

全く見当違いのところに社をたてておるわ

（此奴の両親は言霊を操ることができるようじゃの）

（じゃが…）

わしの力には到底及ばぬ愚図の力じゃ

お主はいつでもここに来ることができる

いつでもじゃ

これを持ち歩け

願えば、いつ何時でもここに来ることができる

（さてはて、此奴の両親は由緒ある家柄じゃと言っておったが…
今渡したものにも気づかなければ、凡人に毛が生えたような才能を
見せびらかしているやつということになるのう）

（どんなものか…）