昨日 老人ホームで暮らしている おばあちゃんが亡くなった
そしておばあちゃんの住んでいた家を 掃除することとなり
莉子
私は一番汚い書斎を任された
莉子
莉子
莉子
莉子
莉子
莉子
莉子は嫌々 汚い床を掃除してゆく
莉子
莉子
しかし莉子は見つける
薄く汚れた紙の束
そして表紙にはこう書かれている
以下の内容は 誰も見てはいけない
ただの日記である
莉子
莉子
莉子
この日記は生涯誰にも見せることは無いだろう
だって見せても
不幸自慢だの思われそうだから
さんざん口を開かない言い訳だって 怒られそうだから
処女作がこんなんでいいのかなあって 思うけど
いいよね別に
作品であって日記なんだから
奏
奏
奏
奏
奏
奏
3年前はハスキーボイスなのかなとか 思ってたけど
2年前になれば上手く話せなくなって
1年前は音を出すのもやっとで
今もおなじ
奏
声が出なくて気づいたことは沢山ある
スタバの注文ができない
バイトの面接に行けない
新しい友達が作れない
ディスコードで通話ができない
歌が歌えない
その他諸々
切れるなら喉を切ってやりたい
奏
奏
奏
愛佳がいないと 生きていけない
愛佳
愛佳
奏
奏
奏は小声でそんなことを言う
愛佳
愛佳
愛佳
愛佳
奏
愛佳
奏
奏
愛佳
愛佳
奏
フラペチーノを待っていた奏の前に 愛佳が現れる
奏
奏
愛佳
愛佳
愛佳
奏
奏
愛佳
愛佳と奏はメロンフラペチーノを 飲んでゆく
愛佳
奏
愛佳
愛佳
奏
愛佳
愛佳
愛佳
奏
奏
奏
奏
結局辛さなんて
自分にしか分からないんだから
愛佳
愛佳
奏
愛佳
奏
愛佳
愛佳
奏
愛佳
愛佳
奏
奏
愛佳
愛佳
奏
奏
愛佳
奏
奏
愛佳
愛佳
奏
愛佳
愛佳
愛佳
奏
そして結果
ほんとに 松江くんと愛佳と私で 駅を遊ぶことになった
愛佳は松江くんに好きだと伝えたけど
松江くんはそんな好きではないらしく
試しにデートしてみる、だとか
私、必要?って思ったけど
愛佳が いないと緊張で死ぬ!! ってうるさいから
仕方なくついて行くことにした
奏
奏
なぜ私が驚いているのか
それは 喋らなくても注文出来るスタバに 来ているからだ
奏
愛佳
愛佳
松江
松江
松江
奏
奏
奏
奏
奏
愛佳
愛佳
愛佳
愛佳
奏
ぽろぽろ涙を流す奏を抱き寄せる愛佳
松江
を、 安心した顔で眺める松江
スタバ終了後
カラオケ
松江
愛佳
奏
果たして歌えない私がこんな所にいて いいのか
そんな疑問がただただ二人を見て 思い浮かんだ
愛佳
愛佳は退屈そうに携帯をいじる奏に 気づく
愛佳
愛佳
奏
奏
愛佳
愛佳は奏を手を掴む
愛佳
奏
緊張するから帰らないで、という 眼差し
奏
奏
愛佳
愛佳
松江
奏
こういう所が愛佳の嫌なところ なんだよな
カラオケ行くなら事前に言ってほしかった
言ってくれたら、 暇つぶしの道具くらい持っていくのに
奏
そうして2時間半
奏は天井をぼーっと眺め 時間を無駄にした
愛佳
愛佳
愛佳
愛佳
愛佳
奏
奏
愛佳
奏
奏
愛佳
愛佳
愛佳
奏
奏
奏
愛佳
愛佳
奏
奏
奏
奏
愛佳
愛佳
奏
愛佳
愛佳
奏
愛佳
愛佳
愛佳
愛佳
愛佳
奏
奏
奏
愛佳
愛佳
愛佳
愛佳
奏は今の今まで 声出して喋ってないんだから
奏
奏
愛佳
愛佳
愛佳はそな場を立ち去ろうとする
奏
奏
奏
愛佳
愛佳
奏
奏
奏
奏
奏
奏
奏
愛佳
愛佳
何言ってるのか聞こえないよ
奏
追記
あれから私の心は閉ざされたまま
それからそんな暗い気持ちを 消すために作家になって
心を閉じたまま……
莉子
莉子は紙の束をまた床に置く
莉子
莉子
莉子
莉子
莉子
ひいおばぁちゃんは吃音症で
おばあちゃんは声がでなくて
お母さんは声がガラガラになって
莉子
莉子
莉子
莉子
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