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チュンチュン……

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

……んぅ……

ゴソッ

ブラインドから微かに差し込む光。

雀が外で鳴いている。

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

……今何時?

壁掛け時計を見ると朝の8時半。

……なんだまだ8時半か

もう一度寝よう……

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

……あれ

スマホに通知が溜まっている。

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

……誰だっけ……

……あ

昨日の金髪サッカー青年……!

急いでMINEを開く。

捏島

祈宮君起きとる?

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

はい。今起きました。

捏島

おお、おはよう。

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

おはようございます

捏島

今、住宅地に向かってるんやけどな?

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

はい

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

え、なんで住宅地に?

捏島

いやぁ……

捏島

祈宮君来てくれる言うたけど、なかなか来んから……

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

あ、ごめんなさい……朝は弱くて。

捏島

いや、大丈夫やで。

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

でも場所わかるんですか?

捏島

ああ、それは大丈夫や

捏島

紫髪の背が低めで祈宮って苗字の人は君ぐらいやったわ笑

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

ナチュラルに気にしてる事言わないでくださいよ……

捏島

すまんすまん(笑)‪

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

今どこら辺に居ます?

捏島

君の家の前。

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

え?

捏島

君の家の前に居るで?

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

ちょっと待っててくださいすぐ行きます。

走って階段を駆け下りる

不味い。

家がバレてしまった……

……これからこの人達は毎回僕の家を訪ねに来るのだろうか……

それだけは嫌だ!

何としてでも避けたい!

てかそんなこと言ってる場合じゃねぇ!

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

上着と……あと常備リュック……

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

よしOK

ヘッドホンを付けて玄関に走る。

ドタドタドタ

扉を開けるとそこには昨日の2人組が立っていた

捏島

祈宮君おはよう!

鬱島

おはよぉ〜……

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

あ、えと……おはようございます……ボソ

昨日よりかは話せるようになった。

……両親や知り合い意外と喋るのは何年ぶりだろう。

捏島

とりあえず移動しよか。

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

そう……ですね……

鬱島

…ふぁぁ……

欠伸が大きいな……眠れなかったのかな?

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

あの...お二人共……傘お持ってますか?

捏島

傘?

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

あ、はい...

捏島

一様あるで。

捏島

それにしてもここ大分雨続いてんのな...

鬱島

晴れの日いつか見るわ。

そう言ってスマホを取り出し

天気情報を調べている鬱島さんの顔が顰める

鬱島

ん……?

捏島

どしたん大先生?

鬱島

いや...可笑しいねん

捏島

何がや?

鬱島

……

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

……もしかしてですけど

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

晴れの日が一つも無いからですか?

二人は驚いた顔でもう一度天気情報を確認する。

鬱島

...ほんまなんこれ?

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

はい。

顥雨街は雨の止まない街。

数十年間の歴史の中で

恐らく雨が止む日は一度も来なかった

捏島

そんなことあるんか……?

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

他の所だと有り得ないかもしれませんけど……

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

本当……です

鬱島

俺らが行こうとしてた所と大違いやな()

捏島

晴和街は晴れ続きの街やもんなぁ……

ここ 顥雨街とは正反対で 遠い場所にある 晴和街(セイカチョウ)

あの街は晴れがよく続く。

……羨ましいな

雨しか降らなくて いつもジメジメしてるし……晴れてるの見た事ないし……

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

そろそろ……行きます?

捏島

せやな……よし行こか!

忘れてたな……この人たち()

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

徒歩だと4日……3日ですけど

鬱島

あ……()

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

あ……でも大丈夫……ですボソ

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

特急の地下鉄あるんで……

鬱島

それやとどれぐらいなん?

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

三、四日が特急で二時間半です……

捏島

速攻やん!()

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

あはは……

捏島

よし、案内頼むで!

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

あっ……ひゃい……

それから、地下鉄に乗って 晴和駅を目指した

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

人多い……ヤバイ……

捏島

え、結構少人数とちゃう……?

そういう問題じゃないんだよなぁ……

だって僕 引きこもりで不登校気味だし人なんて滅多に会わないよ?無理だよ?恐怖でしかねぇって!()

鬱島

……祈宮さそういや下の名前……

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

アッ↑ タイヨウデス……

やべぇ声裏返った……

鬱島

太陽……ええ名前やな

捏島

何カッコつけとんねん……()

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

……フッ‪w

鬱島

鼻で笑いおったなこの!()

明るくて……うるさい陽キャだけど面白い……かな

電車から降りて 、僕達は駅に着いた。

捏島

ほれ!着いたで!

鬱島

はよ行こか〜

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

……

なんだろうこれ

……外が光ってる

捏島

……太陽君?

捏島

おーい……生きとる?()

……ん?

僕に向かって捏島さんが手を何度も降っていた

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

え……?あ、すみませ……

鬱島

大丈夫大丈夫

鬱島

ほら行くで。

捏島

おー!

テンション高い……

外に出たら

涼しい風が空を仰ぐように吹き抜け来て

とても明るくて暖かい光が僕に向かって差し込んでくる

……これが……

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

太陽……

あっ

ヤバイ思わず声に出しちゃった

え?という顔をしてからすぐに気がついた顔に二人はなる

捏島

……そか!

鬱島

見た事なかってんな……晴れの景色。

一瞬驚いてたけどすぐ笑顔になった

鬱島

太陽くん……

鬱島

泣くほど嬉しかった?‪w

……は?何言って……え?

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

……嘘……僕……泣いてる!?

気が付けば目からは雫がポツポツと流れ落ちてきている

……そっか

今までずっと空想の世界の物だと思ってた

僕の名前と同じモノ

嘘じゃなかった

空は……

輝くような太陽に照らされている。

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

……綺麗……ですね

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

僕……ずっと見た事なくて

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

絵よりずっとずっと綺麗で

祈宮 太陽 イノミヤ タイヨウ

輝いてて……

捏島

……

捏島さんは何故か僕の方をポンポンと叩いてくれた

風で髪が揺れてるのもあるけど前がよく見えないな……

涙が溢れるように流れ出てくるし

僕感動してるんだ

きっとそうだ……

泣いててよく分からなかったけれど、二人が一緒に歩いてくれた

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