香耶
律
香耶
律
律
香耶
律
香耶
律
香耶
香耶
律
香耶
律
律
香耶
律
律
香耶
香耶
律
香耶
香耶
律
香耶
律
律
そう言うと律は
私にじっと目を合わせて言った
律
香耶
律
律
香耶
香耶
香耶
「旦那のことを愛してるから」
そう言いたいのに
言えなかった
だって、本当は……
香耶
香耶
香耶
香耶
香耶
香耶
香耶
香耶
律
香耶
香耶
香耶
律
香耶
香耶
香耶
律
律
律
律
香耶
香耶
香耶
香耶
律
香耶
香耶
香耶
香耶
香耶
香耶
重い、沈黙が流れた
律
律
香耶
律
律
律
律
香耶
律
律
律の提示した選択肢で
この時私は人生で1番迷ったと思う
言葉がぐるぐる反芻して
今までの思い出が駆け巡った
香耶
香耶
律
律
香耶
律
そう言うと律は
私の手を引いて
店を後にした
次の日の朝
香耶
香耶
ズキズキと身体が痛む
私はあの後
律に一晩中抱かれた
香耶
香耶
久しぶりに入った律の部屋は
驚くほど殺風景だった
律
香耶
律
香耶
この時間がたまらなく愛しい
香耶
香耶
思わず涙が零れた
泣いても困らせるだけなのに
それならあの時
結婚する選択をすればよかったのに
律
律
抱きしめられると
もっと涙が溢れた
香耶
香耶
律
香耶
香耶
律
その後はもう
何も言えなかった
ただ、愛してるとだけ
それだけは言いたくて
唇を動かした
律
あれから
香耶は会社を辞めて
俺の前から居なくなった
律
律
律
あの時俺は
「旦那と別れて俺と結婚するか」
「今晩だけ一緒に過ごして 初恋を綺麗な思い出にするか」
という選択を迫った
後者を選んだ場合は
「次の日からは元通りで」 という約束もした
律
香耶は「元通り」 という約束を守れなかった
俺の次の出勤日には、もうおらず
「身内の急な訃報が入ってしまった」 「家庭に入るため退職させて欲しい」
上司にはそう伝えていたらしい
1日のうちに、自分の仕事だけでなく引き継ぎなども全て済ませて消えた
律
自意識過剰なだけで、もしかしたら 訃報は本当なのかもしれない
だけど俺にはもう それさえも確認する手段がない
全て繋がらなくなってしまっていた
俺は自分の情けなさに泣いた
独り身の自分と違い 香耶には守るものが沢山あった
旦那のこと、親の会社のこと
俺のひとりよがりで 香耶を悩ませてしまった
律
「律」
そう呼んでくれる人はもう居ない
俺の初恋は
昇華できずに
まだ
胸の中
-END-