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私の親友は 感情をなかなか表に出さない
どんなにそれが 嬉しくても、楽しくても 悔しくても、苦しくても
でもそんな彼女との付き合いも 7年目に差し掛かった今
他の人が同じに感じると思われる表情も 私にはちゃんと違いがわかるし 私にしか見せないであろう表情も 見られるようになった。
美咲
美咲
みんなには真顔に見えてるかもね
目も、眉毛も、顔色も...
動きだって今日は明らかに鈍い
美咲
美咲
美咲
今頭押さえた
下向いてるけどきっと眉間に皺寄せてる
そんなことを考えながら パソコンのキーボードの音を鳴らす 午前10時
美咲
美咲
私は立ち上がって 少し離れた場所にいる彼女に声をかけた
美咲
百花
百花
少しの時差はあったが振り向いてくれた
美咲
頬は少し赤みがかって 目も私の思い込みか少し潤んでいた
百花
百花
美咲
普段通りを装う彼女 きっと焦っているだろう
美咲
私は首元に手の甲を伸ばした
百花
彼女は反射で逃げたけど
いくら運動ができなくたって 元気な私の方が動きは早い
百花
美咲
美咲
百花
美咲
百花
私は彼女の腕を引いて 宿泊用の部屋に連れて行った
事務所だからなかなか 体は休まらないかもしれないけど 座っているよりマシだろう
百花
美咲
百花
美咲
美咲
いつもは歩くのが早くて 私が追いつけない側なのに
美咲
百花
百花
美咲
美咲
百花
気持ちを伝えるのが苦手な彼女だ 休むきっかけにを探していたのだろう
ガクンッ
美咲
急に力が抜けたのか急にふらついた
百花
美咲
美咲
美咲
いつもなら大したことない道のりだ 同じ会の3つ隣の部屋
彼女の早くなった呼吸音と 繋いだ手から伝わる熱と共に 部屋を目指した
美咲
部屋に着くと 私はベットに彼女を寝かせる
美咲
美咲
百花
寝かせた瞬間安心したのか 違っていた表情が柔らかくなった
百花
美咲
百花
美咲
百花
美咲
百花
私は首のあたりの腫れが気になった
美咲
百花
彼女の武器は声 扁桃腺が腫れると声の戻りは遅い 相当落ち込んでいる
美咲
美咲
百花
沈んだ気持ちを持ち上げるのは 彼女の場合とても難しい
私なんかは沢山食べて 沢山寝れば楽になるけど
美咲
美咲
百花
百花
美咲
百花
百花
美咲
美咲
美咲
おそらく高熱なのだろう
私の服の裾を震え手でゆるく掴んでいた
せめて寝るまでは隣にいてあげよ
美咲
百花
百花
美咲
初めて見た彼女の弱った姿
ぎこちなく甘えてくる姿が可愛かった
美咲
美咲
百花
でも、なんでこんな 隣にいて欲しがるのかな....
美咲
するとある日のことを思い出した
ももちゃんって確か...
中学校うまく行かなかったんだよね そっから1人嫌がってた...
美咲
美咲
美咲
桜花
通話
00:00
美咲
桜花
桜花
美咲
桜花
桜花
美咲
桜花
桜花
美咲
美咲
桜花
桜花
美咲
桜花
桜花
美咲
桜花
美咲
百花
迎えの連絡を終え彼女の方を見ると 眠れずぼーっとする様子だった
美咲
百花
百花
美咲
美咲
百花
美咲
美咲
百花
百花
美咲
百花
美咲
美咲
美咲
百花
美咲
百花
美咲
百花
美咲
美咲
百花
美咲
なんとか家に着いた
誰もいないし、静かだけど
美咲
百花
桜花
桜花
美咲
桜花
美咲
ガチャッ
百花
美咲
美咲
百花
百花
美咲
百花
百花
美咲
百花
ピピピピ
美咲
体温計のディスプレイに表示されたのは 38.2
美咲
百花
美咲
百花
美咲
百花
美咲
百花
美咲
美咲
百花
ブランケットを増やすと 寒さが少し和らいだのか すぐに眠りについた
美咲
寒いという彼女のため 真夏なのにも関わらずエアコンを止め、 窓を開けて扇風機 窓からの涼しい風を部屋に取り込んだ
百花
あ、汗かいてきた。
美咲
汗を抑えて 手足が温まってきた時 熱が上がりきったであろう タイミングで熱を測った
美咲
美咲
滅多にダウンしない彼女の弱った姿と ディスプレイに表示される数値を見て 私は少し焦り心が痛む
美咲
美咲
私は少しでも楽にしてあげたい一心で 立ち上がる
百花
美咲
百花
美咲
ぼーっとした彼女の視界に入るよう 顔を覗かせた
百花
美咲
美咲
百花
百花
百花
美咲
うわごとのように繰り返す彼女
ただ寂しいだけじゃないんだろうな
美咲
美咲
百花
この活動のために上京したての頃 学校に馴染めず軽いいじめを 受けていたことを思い出したのだろう
百花
美咲
美咲
美咲
百花
普段ポーカーフェイスな彼女から 熱で潤んだ目でこんなこと言われたら
普通に調子狂うよ、笑
美咲
美咲
美咲
美咲
美咲
ガチャッ
桜花
美咲
桜花
美咲
美咲
桜花
美咲
桜花
美咲
桜花
美咲
桜花
美咲
桜花
美咲
桜花
美咲
トントン
美咲
桜花
美咲
桜花
桜花
美咲
美咲
桜花
美咲
ガチャンッ
私も何故か眠ってしまった
気づけば16時
あと1時間もすれば 他のメンバーが帰ってくるだろう
美咲
美咲
百花
美咲
百花
美咲
帰ってきた頃とは 比べ物にならないくらい 顔色が良くなった
なんだか血色が出て可愛い
美咲
美咲
百花
美咲
美咲
美咲
百花
美咲
百花
百花
美咲
美咲
百花
美咲
美咲
百花
あっ、ちょと嫌そうな顔。
そうだよね。扁桃腺辛いもんね。
美咲
美咲
美咲
百花
美咲
百花
美咲
美咲
百花
美咲
美咲
百花
美咲
美咲
百花
美咲
美咲
百花
美咲
百花
美咲
美咲
百花
百花
百花
美咲
2口しか食べられなかった。
でも今の彼女からすれば2口も食べた
だが、 ゆっくり食器を下げていると、
百花
私の肩に体を預けてきた
美咲
美咲
百花
美咲
美咲
百花
百花
美咲
あ、ちょっと顔が緩んだ
美咲
百花
百花
美咲
美咲
百花
こんな一面他の子には見せない
ポーカーフェイスと噂される彼女の 可愛い一面が見られた日
end.