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初恋

初恋

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初恋

♥

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2019年10月20日

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前からずっと隠してきた、

このトキメキ。

この想いは、きっと━━━━━━…

これは、恋のはじまり。

とある夏の日のことだった。

担任

おーい、チャイム鳴ったぞー。
席につけー

全員

はーい

奈留

(…はぁ、またつまらない一日が
始まるのか…)

ガタガタッ

担任

HR前に、前期の途中ではあるが
転校生を紹介する。入ってくれ

奈留

(…この時期に転校生なんて珍しい。
つーか、背デカっ!)

ガラガラガラガラッ

担任

じゃあ、自己紹介してくれ

翔吾

秋雨高校から来た、暁 翔吾です。
よろしくお願いします

パチパチパチパチ

担任

じゃあ、出席番号順で行くと…、
朝比奈の隣だな

奈留

(え!?)

翔吾

俺、暁 翔吾。よろしく

奈留

わ、私、朝比奈 奈留。
わかんないことがあったら、
何でも聞いて。よろしくね

翔吾

おう

翔吾くんは私の目を見て、 ニカッと笑った。 不意打ち過ぎるその笑顔に、 私はドキッとした。

担任

そんじゃ、HR始めるぞー

私はこれから始まる 新しい日々の予感に戸惑いを隠せなかった。

その日の体育の時間

担任

よし、今からバスケの
試合するぞー。
男子メンバー入れー

翔吾

あ、俺じゃん

奈留

頑張ってね

翔吾

おう!
元ジュニアオリンピック王者
の実力、見せてやるぜ!

翔吾くんがコートに入ったあと、 親友の凛音が私の隣に座った。

奈留

やほー

凛音

やほー。
お似合いですね~、お二人さん

奈留

ちょ、なんでよ。
会ったばっかりだし、
そもそも付き合ってないんだから

凛音

えー?でも、かっこいいでしょ、
本当のこと言っちゃうと

奈留

…まぁ、そりゃね

凛音

…あ、試合始まったよ

男子A

翔吾ー!頼む!

翔吾

おう!決めてやる!

担任

…まさか、いきなり3ポイントから!?

シュッ

全員

…決まったー!

男子A

お前すげぇな!

男子B

ナイッシュー!

翔吾

だろー?

奈留

…めっちゃかっこいい

凛音

(…あら?もしかして奈留…)

男子B

翔吾、パス!

翔吾

OK!行くぜ!

担任

(…ちょっと待て、今度は
ダンクシュートのつもりか!?)

翔吾

うおりゃあぁぁぁぁぁ!!

ダァンッ!!

全員

おおぉぉぉ!

奈留

やばい…、ドキドキが…

凛音

おーい、奈留?
おいおーい

奈留

…はっ!

凛音

…ほぅ?
奈留、さては…翔吾くんに
惚れたな?

奈留

んなっ

凛音

だってー、奈留の顔真っ赤だしー、
何より顔に出てるしー

奈留

マジで!?

すると翔吾くんが私の方を向いて、 さっきの爽やかスマイルを見せた。 その爽やかスマイルは私のハートにクリーンヒットした。

奈留

なんだろ、この気持ち…。
なんかドキドキが
止まらないんだけど

凛音

それは恋だねー、奈留

奈留

…そうなの?
こんな気持ち、初めてだから…

凛音

…ん?ちょっと待って。
奈留、恋したことない?

奈留

うん

凛音

マジか。
…じゃあ、試しに
翔吾くんのこと、見てみ?

奈留

…見たよ

凛音

どんな感じ?

奈留

めっちゃドキドキする。
かっこいいって思う

凛音

…素直過ぎ

奈留

え、何々?

凛音

うん。奈留、それは恋だ。
初恋おめでとう!
でも、高3で初恋とは…

奈留

?…まぁ、ありがと

凛音

うちは奈留の恋、応援する。
まず、翔吾くんと仲良くなること
からスタートだね。
…あ、翔吾くん来たよ

翔吾

ふぃー、やっぱバスケは楽しいな!
ん?奈留ちゃん、どした?

奈留

ほぇ!?あ、いや、何でもないよ

翔吾

そう、ならいいや。
そういえば、どうだった?
俺の試合!

奈留

あ、あの、えっと

凛音

かっこいい、ってさっき
奈留言ってたよー

奈留

(ちょ、凛音!)

翔吾

お、マジか!
んじゃ、もっと頑張んなきゃな!

奈留

うん、頑張って

恋って、こんな感じなんだ…。 そう思った私の心臓は、 うるさいままだった。

翔吾

…ふぅ、やっと1日目終了か

転校初日はかなり疲れる、 なんてことは全くなく、 とても楽しかった。 特に、隣の席の奈留ちゃんは 優しくて笑顔が可愛い女子だった。 バスケの時に見た、あの笑顔がまだ頭から離れない。

奈留

…ふぅ、やっと1日が終わった…

翔吾

あ、奈留ちゃんだ!

奈留

し、翔吾くん!

翔吾

翔吾で大丈夫だよ!
そーだ。奈留ちゃん、
一緒に帰ってもいい?

奈留

ほぇ!?わ、私で良ければ!
あと、奈留でいいよ

翔吾

ありがと!じゃあ行こ!

奈留

う、うん!

翔吾

ねぇ、奈留

奈留

うん?

翔吾

なんで、高3の前期に
転校してきたと思う?

奈留

え?んー、親の仕事の都合とか?

翔吾

ピンポーン、大正解!

奈留

そ、そうなんだ

翔吾

みんなとは短い間しか
いられないけど、
残りの高校生活は楽しむよ!

奈留

クラスのみんな、明るい人ばっかりだから、すぐ仲良くなるよ

翔吾

そっか!
でも、奈留とは親友になりたいな!

奈留

え、私でいいの?

翔吾

うん!

奈留

…嬉しい!喜んで!

奈留はニコッと微笑んだ。 俺はその微笑みにキュンッとくる。

翔吾

おう、よろしく!

このトキメキは恋なんだろうか? 奈留を見るたびに顔が真っ赤になっていくのがわかる。 俺はこのドキドキを必死に抑えていた。

そのあと、LINEを交換したり、 一緒に帰るようになったりと、 どんどん仲良くなっていった私達。 そして、時は過ぎ、卒業式の日。 私は翔吾に告白する。 短い間だったけど、翔吾といると、ドキドキする時間が増えたり、 一緒にいたいと思うようになった。 今日を逃せば私はきっと後悔する。 翔吾にこの想いを伝えるために、 悔いが残らないように、 私は翔吾に告白する。

今日は、卒業式だ。 昨日は一睡もできなかった。 俺は奈留に告白する。 初めて奈留と会った時のあの笑顔は今でも鮮明に覚えている。 ふと、奈留の顔が頭をよぎる。 卒業したら、奈留とはもう会えなくなるのかな…。 そう考えると、すごく苦しかった。 俺は、どうしたい? 俺はあの笑顔を、奈留を守りたい。 奈留とずっと一緒にいたい。 だから、俺は奈留に告白する。

卒業式のあと、一緒に帰ろう。 私は翔吾と会う約束をした。 凛音はそのことを聞いて、 チャンスだよ、翔吾くんに気持ちを思いっきりぶつけちゃえ! と応援してくれた。 まもなく待ち合わせの時間だ。

翔吾

おーい、奈留!待った?

奈留

ううん、待ってないよ。
じゃあ、帰ろっか

翔吾

…待って、奈留。
話があるんだ

奈留

え?

翔吾

俺、奈留が好きだ

奈留

!!

不意打ち過ぎる言葉だった。 だんだん涙が込み上げてくる。

翔吾

転校してきて初めて見たときから、
奈留が好きだ。
とびっきり可愛い奈留の笑顔が、
大好きだ。
でも、卒業したら奈留と会えなくなるのが、奈留の笑顔を見ることができなくなるのが、寂しくて…

奈留

…うん

翔吾

俺、思ったんだ。
奈留の側にいたい、
奈留のことを守りたいって。

奈留

翔吾

奈留、キミのことが好きです。
俺と、付き合って下さい!

奈留

…私も、初めて翔吾と会ったときから、キミのことが好きです。
翔吾の笑顔も、バスケにかける情熱も、私は大好きです!

翔吾

!!

ここまで来たら、返す言葉は、 ただ一つ。

奈留

…私で良ければ、
よろしくお願いします!

翔吾

マジで!?

奈留

うん!

翔吾

…グスッ

奈留

え、どしたの?私、何か変なこと
言っちゃった?

翔吾

ううん、違うよ、
めっちゃ嬉しくて…

奈留

…私も、嬉しい!

自然と涙がこぼれた。 私も、翔吾も、笑顔になった。

翔吾

じゃあ、改めて、
よろしくな、奈留!

奈留

うん、よろしくね、
翔吾!

前からずっと隠してきた、

このトキメキ。

この想いは、きっと、

私たちの心の中に、 あり続けるだろう━━━━━━━。

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