H.
猛烈な 痛みで 目が覚めた。
目の前の景色がかすむ。
身体が動かない。
痛い。
さまざま 感情が一気に頭を駆け巡る。
……なんでこんなことに なってるんだろう
ふと、そう思った。
H.
そうだ。 そうだった…
確か、クラスメイトに……
H.
乾いた笑いとともに、自虐的な言葉が漏れる。
H.
ちょっと動いただけで 耐えられないほどの痛みが 腕に 走る。
かなり、深くまで切られてしまったみたいだ。
H.
……
そんな言葉は、静寂の中に 静かに消えていく。
返事なんて、救いなんてやっぱりない。
H.
なんとか 立ち上がってみたが
目が回るような感覚がして、倒れそうになる。
幸い 倒れるギリギリで 屋上のフェンスを掴めたのはいいものの
これじゃあ、帰れそうにないな。
S.
え、しょうにぃ?
もしかして、探してくれたのかな。
心配、してくれたのかな?
そんな 淡い期待が浮かぶ。
N.
I.
Y.
お兄ちゃんたちの目が すうっと、細められる。
H.
N.
……なんで、疑うの?
確かに、フェンスに手をかけてるとことか。
この腕の切られた傷とか、
まぁ、お兄ちゃんが言うことのように 見えなくもないけど……
信じてよ。
どうして、そんな冷たい目線を向けるの、?
Y.
I.
なんで、なんで…ッ
去っていくお兄ちゃんたちの 背中を ただただ 見つめる僕。
心配してくれたのかな、なんて 期待をしてしまったことがダメだったのかな。
僕は、どこで間違えたんだろう。
H.
どこかで間違えたんじゃない。
きっと…最初から
生まれてきたこと、それ自体が 間違いだったんだ。
ごめんね。
こんな弟で。
こんな、謝罪すら
きっと 誰にも届かないんだろうけど。
りりん
りりん
りりん
りりん
りりん
りりん
りりん
りりん
コメント
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初コメです!(多分) 続き待ってます ~!!
続き待ってますね!