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りょうぼーの指先が輪郭を失って、大気中に溶けていく。
りょうぼー
五十嵐大呉
五十嵐大呉
却って頭が冷静になる。慌てていても状況は好転しない。召喚の魔法をしていた部屋まで走る音が響いた。
五十嵐大呉
デイジーは指先から消え始めているりょうぼーを見ると最悪の状況を一瞬で理解してしまった。
デイジー
デイジー
渡されたのは光っていないカンテラだった。
デイジー
デイジー
五十嵐大呉
デイジー
デイジー
魔法陣が光る。二人はこの世界にさよならを言った。最後まで運命に抗うことを誓って。
五十嵐大呉
五十嵐大呉
りょうぼー
五十嵐大呉
りょうぼー
りょうぼーは意識が曖昧になり始めているのか、ぼんやりとしている。重なる異常事態に大呉は先を急ぐ。
りょうぼー
りょうぼー
りょうぼーの足は半分から下が消えかけている。光の粒子が体内からどんどん溢れている。
りょうぼーの案内により家の前には着いたが、りょうぼーの姿が小さな光の集まりに変化していた。表現者の人格として人の姿を借りていたが、これが本来の姿である欠けた魂なのだろう。
りょうぼー
りょうぼー
五十嵐大呉
大呉はりょうぼーの魂である小さな光をカンテラに閉じ込める。魂の明かりは柔らかく、氷のような冷たさを感じられる。
五十嵐大呉
生まれた頃から受けていた祝福が解けた。
その祝福というのは異常な執着だった。 それに執着している間は強い幸福を感じられるというよりも、生命としての循環が上手くいく。一生こうでもいいって思える。
アイデアを形にしたい。そして、それを世に知らせたい。皆僕を知ればいいのに。
人を楽しませたい。他人より、自分が面白いことをしたい。
そう思っていた。企画が失敗して白けた時も、人間関係が拗れた時も、アイデアが枯渇し一週間何も思い浮かばなかった時も、自分の精神が擦り切れるほどの問題を抱えた時も。それらは絶対に離れることのない執着があれば、なんてことなかった。
三日前から動画を一切作っていない。
そのため、一週間も動画投稿出来ていない。動画に関することが一切考えられなくなった。常にそのことを考えるほど興味が湧かなくなった。
編集のやり方とか、アイデアを人に分かりやすく表現するとか、面白いやり取りとか。
そんなものが考えられない。何故これらに執着していたのかすら分からない。
情熱が冷水をかけられて、消火されてしまった。
もしかしたら、これが正しい人間の在り方なのかも知れない。動画投稿に執着していた十年は人生が停滞していたのかも知れない。
これから正しい生命として生きていかないといけない。しかし、どうやって。人生を構成していた一部である執着の祝福が無いまま僕は生きていけるのだろうか。
りょうぼー
予定にない来客がインターホンを鳴らした。
五十嵐大呉
大呉がそう疑ったのも無理はない。りょうぼーにより案内された家のインターホンを鳴らすと、出て来たのはあの彼とは似ても似つかない人物だった。同じなのは特徴的な声だけだった。
りょうぼー
りょうぼー
りょうぼー
彼はテンションこそ高くないが、目にいつもワクワクするような光を宿していた。しかし、目の前の人物にはそれがない。まるで人生が退屈で仕方がないとでも言いたげな真っ黒な目をしていた。
りょうぼー
五十嵐大呉
りょうぼー
表現者の人格である彼がどれほどエネルギーで充ちていたか分かった。その魂が欠けたせいでこれほど廃人になっているのだろう。
五十嵐大呉
りょうぼー
りょうぼー
りょうぼー
りょうぼー
五十嵐大呉
沸々と怒りが込み上げる。目の前のコイツは一体誰だと。
五十嵐大呉
五十嵐大呉
五十嵐大呉
りょうぼー
五十嵐大呉
五十嵐大呉
りょうぼー
りょうぼー
五十嵐大呉
五十嵐大呉
大呉がカンテラを目の前の人物にかざす。情熱の魂が目の前の人物に入り込んだ。