短編集 2

見なくても損しないです

それ程に没です

ポンポンとさとみくんに頭を撫でられると

ムスッとした表情で僕の元に来る

そう言えばドタバタと自分の部屋に行って

桃色の彼が好きそうなカセットを大量に持ってきた

確かに、桃色と黄色の手にはコントローラーが握られていた

しかもこれ、二人でするゲームじゃん

ああ、また来る笑

手に持てるだけのカセットを抱えて

犬耳と尻尾を下げて来る

待て待て、泣かれると僕が困る

『助けて』と遠くで僕たちを見ているななジェルに視線を送る

そして二人で何やら話をして近づいてきて渡されたものは

なんて呑気なことを言いながら

大丈夫かよ…と思い桃色に目をやると

ああもうすごい、すっごい甘い目してる

さては全部分かっていての行動か?

いや、考えるだけ無駄だ、僕も飲もう

りぃぬくん、ちゃんと愛されてるから安心して

あーー、ほんっと可愛い

ほら、と少し離れたところで飲んでいる赤色を指さす

犬耳と尻尾を下げてしょんぼりしてる

ポケットからスマホを取り出して、バレないように彼を撮る

さっきまで嫌いとか言ってたのに

俺を見ると泣きついてくる、可愛い

よいしょ、なんて言って席を立つ

じぃちゃんかよ、なんて思っていると

ちょっぴり意地悪しちゃったから

ご褒美ね

構って欲しい受けが可愛い

構って構ってって言っても構ってもらえなくて、拗ねちゃうの可愛い