ユメ
私たち、もう離婚しましょう
マサ
え…?
マサ
ユメ、いきなり何言ってんだよ…?
ユメ
あなたといるのも飽きてきたのよ、いつも家にいないし
ユメ
私のことを放置ばっかりして…
マサ
いつも仕事が忙しいから…
マサ
しょうがないだろう…?
ユメ
仕事があると言い訳したり早く帰っても全然相手しなかったり
マサ
そんなこと…
ユメ
それにあなたよりも稼ぎが良い人が見つかったから!
ユメ
あなたとの関係もここまでよ!
マサ
おい、ユメまさか…
マサ
不倫してたのか…?
ユメ
そうだけど?
ユメ
それがなに?
マサ
それが何って…
マサ
何でそんなことをするんだよ…
ユメ
そんなことあなたに話す必要ある?
マサ
そんな言い方…
ユメ
あなたの稼ぎが悪いからでしょう?
ユメ
稼ぎが悪いくせに仕事を優先しているあなたに比べれば
ユメ
すごいいい人なのよ
ユメ
私のことを大事にしてくれるし
マサ
ユメのことだって考えているよ…
マサ
それに何かあれば相談すれば良いだろう?
ユメ
あなたに相談して何か変わるわけ?
ユメ
あなたと一緒にいるのももう限界よ…
マサ
そんな…
ユメ
でもさ
ユメ
あなたなんか私のことを取り逃したら、一生独身なんじゃない?笑
ユメ
可哀想にー!
マサ
なんだよその言い方…
マサ
もう良いよ、これ以上話してもしょうがない
マサ
離婚届を役所に取り寄せるよ
マサ
届いたら書いてくれないか?
ユメ
今は無理よ?
マサ
どうしてだよ…
ユメ
今、新しい彼氏のところにいるから
ユメ
あとで帰ったらサインしておくね
マサ
そこまで開き直られるとは…
マサ
じゃあ…
マサ
俺の名前を先に書いておくからな?
ユメ
はいはい!
ユメ
分かったよ!
マサ
それとな、慰謝料のこともあるからな
マサ
分かるだろう?
ユメ
ハイハイ、言われなくても分かっている
マサ
なんだよ、その言い方は…
マサ
本当に分かっているのか?
マサ
慰謝料を払うってこと
ユメ
分かってるって…
ユメ
しつこいな…
マサ
しつこいって…
ユメ
それじゃあね!
数日後
ユメ
離婚届、私の名前も書いたよ
ユメ
文句ない?
マサ
ああ
ユメ
それじゃ、私新しい彼氏のところに行ってくるから!
ユメ
あとはよろしく!
マサ
え
マサ
もう出て行ったのか…?
マサ
慰謝料について相談したかったんだけど…
マサ
いつ頃だったら都合が良いんだ?
ユメ
別に今このLINEで話したらいいじゃない?
マサ
それはそうかもしれないけど…
ユメ
それで?
ユメ
慰謝料はいつごろにくれる予定なの?
マサ
は?
マサ
慰謝料をあげる?
マサ
意味わからないぞ…
ユメ
慰謝料のことでしょう?いつまでに準備できそう?
マサ
いや、だから…
マサ
さっきから何の話をしているんだよ?
ユメ
だから、慰謝料を私にいつまでに準備出来るかどうかの話!
ユメ
それで?どれぐらい慰謝料は払ってくれるの?
マサ
いや、お前が慰謝料を払うに決まってるだろ…
ユメ
はあ?
ユメ
何で私があなたに払わないといけないの…?
マサ
そもそもお前が別の男性と不倫をしたことが原因だろう?
マサ
それでお前の気持ちを汲んで
マサ
離婚届にサインしたんだぞ…
ユメ
離婚をしたら、男性のあなたから慰謝料ってもらえるでしょう?
マサ
お前…何か勘違いしていないか?
マサ
慰謝料を払うのに男女なんて関係ない
マサ
君の不倫のことで、離婚になったんじゃないか?
ユメ
不倫?なんのことかしら?
ユメ
あなたが離婚したいって言ってきたんでしょ?
マサ
は?
マサ
いやいや…
マサ
おまえが不倫をしていると白状したじゃないか…
ユメ
私、そんなこと言った?
ユメ
ごめん、全然覚えていないやー
マサ
そんなの通用しないだろ…
ユメ
自分勝手に生きて
ユメ
仕事のことを優先したあなたに言われたくないわよ!
マサ
いや…そんな話じゃ…
ユメ
私のことを考えたことないくせに
ユメ
何文句言ってるのよ!
マサ
だからお前のことも考えていたって…!
マサ
仕事が忙しくてお前には迷惑かけていたことは謝る
マサ
だけどお前こそ俺のことを考えていたのか?
ユメ
考えていたけど?
マサ
俺のことを想っているんだったら何で別の男性を作ったんだ?
ユメ
なんの話?
ユメ
だから不倫のことは知らないし、何言ってるのか分からない
マサ
そんなこと言うなら…
マサ
じゃあ何で離婚したいと言ったんだよ!
ユメ
あなたと一緒にいるのが疲れたから
ユメ
仕事が忙しくて寂しい気分
ユメ
早く帰ってきても私のことを見てくれない
マサ
それは、どうしても外せない仕事があったからだって…
ユメ
また仕事で言い訳をするね
ユメ
稼ぎも悪い、仕事が忙しいと言ってばかりね
ユメ
それで離婚しようと考えたの
マサ
わかったよ…
マサ
離婚は良いとしても慰謝料を俺から請求するのはおかしい
マサ
お前に何か迷惑をかけたか?
ユメ
離婚をしたいと言ったんだから払うのが当然でしょ?
マサ
だからそこがおかしいんだって…
ユメ
別に、おかしくないでしょ?
マサ
俺が慰謝料を払うのは明らかに間違ってるぞ…
マサ
おまえ、何か勘違いしているだろう
ユメ
え、どこが?
マサ
慰謝料は迷惑をかけた人が払うもので
マサ
離婚をしたいと言ったら払う訳じゃないだろ?
ユメ
そんなの知らないわよ
ユメ
あなたが勝手に決めったことなんじゃないの?
ユメ
あなたは私を寂しい気持ちにさせたじゃない?
ユメ
それだけで慰謝料が成立するでしょ?
マサ
どういう理屈なんだよ…
ユメ
あなたこそ慰謝料を踏み倒そうとしているだけでしょ?
マサ
そんなことないだろ!
マサ
さっきからお前…おかしいぞ…
ユメ
どこが?あなたと今ちゃんと話してるじゃない?
マサ
さっきから全然質問に答えてくれないじゃないか
マサ
慰謝料のことばかりで、他の話は無視
ユメ
あなたにそんなこと言われたくない
ユメ
あなたこそこんなすんなり離婚に同意するなんて
ユメ
他に女がいるんじゃないの?
マサ
していないよ…
マサ
君と一緒にしないでくれ…
ユメ
だからさっきから言ってるけど、なんのことかわからないわよ?
ユメ
そういうのは証拠を出してから言って
ユメ
証拠があるなら今見せて
マサ
都合の悪いことばかりから逃げないでよ
ユメ
あなたに言われたくない
ユメ
このやりとりいつまで続くの?
ユメ
もういい加減疲れてきたわよ…
マサ
まだ話は終わってないだろ?
ユメ
もう良いから、早く慰謝料を払ってね
ユメ
それから新しい住所を伝えるから、あとで荷物送っておいてね
マサ
おい、ちょっと待てって!
ユメ
じゃあね!
翌日
ユメ
ねえ、あなた。いつになったら慰謝料払ってくれるの?
ユメ
慰謝料の約束覚えている?
ユメ
あなたが約束を守る気がないなら覚悟してよね?
ユメ
弁護士に相談して慰謝料を請求させるから
ユメ
民事?とかで裁判をしたら私が勝つに決まってるらしいんだからね!
翌日
ユメ
あなた、荷物が届いたよ
ユメ
ありがとう
ユメ
あれ?
ユメ
なんか入ってる…
ユメ
ってちょっと!何なのよこの写真は?
マサ
ああ、その写真はお前が男性と不倫している証拠写真
マサ
おまえが証拠があるのかと聞いてきたからな
マサ
おまえの住所に荷物と一緒に入れておいたんだよ
ユメ
何で、あなたがこの写真が持っているのよ…
マサ
俺が勤めている出版社のコネを使ったんだ
マサ
現場の人に周辺の聞き込み調査を依頼してな
マサ
不倫相手とお前が会っている瞬間をすぐに押さえてくれたよ
ユメ
で、でも…この写真がいつのものか分からないじゃない…?
マサ
たしかに写真だけでは断定できないね
マサ
だからお前の音声も取らせてもらったんだよ
ユメ
は?
マサ
お前に張り付いてもらって話を録音したんだ
マサ
不倫相手とのやりとりが筒抜けだったよ
ユメ
そんな…
ユメ
そんなの犯罪じゃない!
ユメ
私のプライベートの侵害よ!
マサ
君がそれを言うのかい?
ユメ
このことを弁護士に話せばあなたは終わりよ
ユメ
さらに慰謝料を払う羽目になるんじゃないのかしらね!
ユメ
結局あなたがやっていたことは意味ないのよ
ユメ
待っていなさい!
ユメ
絶対あなたから慰謝料をもらうんだから!
ユメ
何か他に言うことはあるかしら?
マサ
果たしてお前の言う通りになるだろうかね?
ユメ
は?言い訳は見苦しいわよ?
マサ
実は、おまえに一つ話していないことがあるんだよ
ユメ
は?
マサ
今回の調査で、出版社や記者の協力で証拠集めをしていてな
マサ
弁護士にも既に話は通してあるんだ
ユメ
は?どういうことよ
マサ
おまえが離婚の話で慰謝料請求について気になったことがあってな
マサ
あの後に、知り合いから紹介された弁護士に相談したんだ
マサ
慰謝料を請求するかどうか決めるのは裁判所だから
ユメ
だからどうだっていうのよ
ユメ
慰謝料が請求できるのは、女性側の私ということに変わりはないでしょう
マサ
だから男女は関係ないって…
マサ
俺らは弁護士と一緒に動いた上で
マサ
証拠集めとして、記者や探偵に協力してもらったんだ
マサ
だから法的に間違ってないのは確認済みなんだよ!
ユメ
じゃあ…私が裁判で訴えても慰謝料は請求できない?
マサ
お前がいくら俺への不満を訴えたところで100%勝ってないよ
マサ
むしろ不倫の証拠を押さえてあるから
マサ
写真と音声データ、俺の証言があれば裁判に勝ってるよ
マサ
つまりお前から慰謝料を請求できるわけだ
ユメ
そんな…!
マサ
お前はただ被害者面して可哀そうなヒロインを演じていたわけだ
ユメ
そんな…
マサ
俺は家のことを留守にする多かったし
マサ
寂しい想いや大変なことを気にしなかった
マサ
それについては本当にすまなかった
ユメ
今更謝られても!
マサ
けどそれとこれは話が別だ
マサ
それにさ
マサ
証拠を集めをしていて、ふっとお前の実家のことを思い出したよ
ユメ
私の実家?
マサ
お前の両親に会ってきて、今回の件について話してきた
ユメ
なんでそんなことするのよ!
マサ
両親からお前のことを説得して欲しかったんだ
マサ
そしたら、お前の両親は誠心誠意謝ってくれたよ…
マサ
『慰謝料のことはユメと一緒にお支払いします』と約束してくれた
ユメ
関係ないでしょう!
マサ
お前が一方的に慰謝料の話ばかりで聞く耳を持たないから
マサ
ご両親に事情説明をしに行っただけだよ
マサ
そしたらご両親がおまえのことを心配して責任を取ってくれたんだよ
ユメ
そんなぁ…
マサ
それからお前の両親から伝言をもらったよ
マサ
「おまえの慰謝料は父さんと母さんも払うから」
マサ
「だけどね、マサさんにも迷惑をかけておいて恥ずかしくないのか」
ユメ
う…
マサ
「お前はいつも人の気持ちを知らないでばかりで」
マサ
「いつも楽な方に行ってばかりで何をやっているんだ」
マサ
「父さんと母さんは本当にお前のことが心配なんだよ」
マサ
「田舎生活が嫌だから勝手に家を飛び出して」
マサ
「正直、娘の顔なんか見たくもないと思ったよ」
マサ
「そんな時、お前がマサさんを家に連れてきたときに考えは変わったよ」
マサ
「この人にならユメのことを任せられると思った」
ユメ
それは…
マサ
「だからお父さんとお母さんは、お前の結婚を許したんだ」
マサ
「それでもお前は昔から何にも変わっていないじゃないか」
マサ
「マサさんにしっかり謝って、実家に戻ってこい」
マサ
「おまえの面倒も見てやるから」
ユメ
ううっ…
マサ
おまえのお父さんから伝言をもらってわかったよ
マサ
ご両親は本当に娘のことを心配しているんだ
マサ
両親の想いを聞いて何か言うことはあるのか?
ユメ
そ、それは…
ユメ
わ、私…
マサ
うん
ユメ
私は悪くない!
ユメ
慰謝料払いないよ!
マサ
お前…
マサ
はぁ…
マサ
もういいよ
ユメ
何がもういいのよ!
マサ
ご両親に色々矯正してもらいな
マサ
さようなら
〜後日談〜
マサ
それから俺はユメと正式に離婚をした
マサ
ユメのご両親が必死に慰謝料を払ってくれて
マサ
心苦しかったが…
マサ
もらうものは貰わないと
マサ
彼女はその後、実家で厳しく教育をされているらしい
マサ
俺は新しい生活が始まり
マサ
仕事も恋ももう一回頑張るつもりです






