一覧ページ

LINE1028

第1話 - あ

2023年08月17日

#恋愛

結城真矢

ナガノ

メイちゃんさっきはありがとう。

ナガノ

本当はアフターしたかったけど、明日はテストがあるんだもんね?

ナガノ

大学生は本当に忙しいから仕方ないけれど、

ナガノ

今度僕がお店に行く時は絶対にアフターしてよ？

ナガノ

メイちゃんが仕事終わりに何をしているのか気になって仕方がないんだ。

ナガノ

そしたら僕の不安は無くなるし、メイちゃんも楽しいし、

ナガノ

一石二鳥だと思わないかな?

ナガノ

もう仕事は終わったんだよね?

ナガノ

早く返信してくれないと僕、また不安になってしまうよ。

メイ

ナガノさん、先程はご来店ありがとうございました。

メイ

今日もお会いできて嬉しかったです。

メイ

大学生の私にはアフターは少し難しいので、同伴はいかがですか？

メイ

時間はナガノさんにお任せしますので、

メイ

もしよかったら同伴をご検討ください！

メイ

いつもアフター誘ってくださるのに断るの申し訳なくて…

メイ

ナガノさんのいう通り、大学はテストやレポートが忙しいので、

メイ

仕事が終わってから勉強やレポートをやるようにしているんですよ！

ナガノ

それは分かっているけれど…

ナガノ

それならキャバクラも大学をやめて僕と結婚しちゃえばいいんじゃないかな？

ナガノ

そしたらメイちゃんは働かなくて済むし、

ナガノ

家にずっと居てくれたら僕はとても嬉しいよ。

ナガノ

他の男と関わる機会も減るし、その方が良いじゃないか！

ナガノ

メイちゃんのような可愛くて若い子と結婚出来るなんて夢みたいだよ！　

メイ

え？

メイ

ナガノさんは本当に冗談がお得意ですね笑

メイ

私は目標があって大学に通っていますし、

メイ

キャバクラで働いているのも大学の授業料などを稼ぐためなんですよ。

メイ

なので、大学を辞めてしまったら本末転倒なんです笑

メイ

ご理解頂けると嬉しいです！

ナガノ

そんな目標なんて大したことないんでしょ?

ナガノ

大学に通ってまで叶えるような目標なのかい？

ナガノ

それなら僕と結婚して安泰な生活を手に入れた方が

ナガノ

よっぽど有意義な人生になると思うんだけど？

メイ

小さい頃からの私の夢なんです。

メイ

ナガノさんが素敵な方だというのは十分承知ですが、

メイ

今すぐ結婚というのは全く考えられません。

メイ

ごめんなさい。

ナガノ

そうか…

ナガノ

というか、メイちゃんまだ家に帰ってきていないようだね?

ナガノ

明日はテストだというのに、どこで油を売っているのかな?

ナガノ

だからアフターして家まで送った方が良いと何度も言っているのに…

ナガノ

早く帰ってこないならもうお店に行かないぞ?なーんて笑

メイ

え…

メイ

どうして私が家に帰っていないことを知っているんですか…？

メイ

アフターは出来ないと何度も言っていますよね？

メイ

仮にアフターしたとしても、自宅まで送ってもらう気はないです…

メイ

しかも、自宅の住所や最寄りを話したこともないですよね?

ナガノ

メイちゃんの帰り道をつけていたに決まってるじゃないか。

ナガノ

何度聞いても住所も最寄りも教えてくれないから、

ナガノ

メイちゃんが出勤する日は毎日帰りをつけていたけど、

ナガノ

僕は彼氏だしこれから結婚もするんだから問題ないよね？

ナガノ

別に家を知っただけで何かしたわけでもないし、

ナガノ

みんなしていることだと思うんだ。

ナガノ

そこまで驚かなくても大丈夫だよ。

メイ

それって…もうストーカーじゃないですか。

メイ

そこまでされるなんて思っていなかったですし、正直怖いです。

メイ

それにナガノさんは私の彼氏でも結婚相手でもなく、お客様です。

メイ

そういうことをされてしまうとお客様として見れなくなってしまうんですよ。

メイ

本当に怖いのでもうやめていただきたいです。

ナガノ

お客様として見れないということは…

ナガノ

僕のプロポーズを受けてくれたということでいいんだよね？

ナガノ

ありがとう！

ナガノ

50歳過ぎの僕にこんな幸せが巡ってくるなんて思っていなかったよ！

ナガノ

早速お店をやめて僕の実家に引っ越しておいで！

メイ

そういう意味ではありません…！

メイ

もう怖いので失礼します！

〜メイとリョウヘイのライン〜

メイ

店長！お休みのところすみません。

メイ

緊急です。助けてください。

リョウヘイ

メイどうした！？

メイ

実は先程来店されたナガノさんが私の家の前にいるみたいなんです。

メイ

最寄りや住所を教えたこともなかったので聞いたら、

メイ

私の仕事帰りを狙って家までつけてきたと白状しました…

メイ

私もそのことについて怖いからやめてほしいと伝えたのですが、

メイ

全然理解してもらえないどころか、

メイ

私のことを彼女だと思って結婚を申し込んでくるんです。

メイ

そういうことをするとお客様として見れないと伝えたら、

メイ

「じゃあ僕のプロポーズを受け入れてくれたんだね！と」

メイ

意味の分からない解釈をされてしまいまして…

リョウヘイ

なんだって！？

リョウヘイ

メイは今どこにいるんだ！？

リョウヘイ

特に被害は受けていないのか！？

メイ

はい…

メイ

今日はたまたまボーイさんと話をして帰るのが遅くなったので、

メイ

まだお店にいるところでした。

メイ

鉢合わせなどはしていないですが、このまま家に帰るのは怖くて…

メイ

ナガノさんいつもは優しくて良い方なのにこんな風になるなんて…

リョウヘイ

過去にもそういうケースがあったけど、

リョウヘイ

普段は温厚で優しい方でもお酒が入ると性格がガラッと変わって、

リョウヘイ

キャバ嬢にストーカーをしてしまう人が居るんだよ。

リョウヘイ

正直ナガノさんは普段からメイ以外のキャストには目も向けないし、

リョウヘイ

独占欲も強いから痛客の可能性ありだと思って、警戒はしていたんだ。

リョウヘイ

とりあえず今日は店に泊まって良いし、

リョウヘイ

明日大学があるなら俺が送っていくから心配しなくて良いぞ。

リョウヘイ

今日はひとまず外には出ない方が良いと思う。

リョウヘイ

ちなみに今までナガノさんからプレゼントされたものは身につけているか？

メイ

ありがとうございます。

メイ

プレゼントですか…？

メイ

今日はナガノさんがいらっしゃると聞いていたので、

メイ

以前プレゼントして頂いたブレスレットを身につけていますが…

リョウヘイ

盗聴器やGPS機能が付いている可能性もあるから、早く外すんだ！

リョウヘイ

外したものは俺が預かるから！

リョウヘイ

とりあえずメイのことが心配だからこれから店に行く！

リョウヘイ

ボーイ達にも店に残ってもらうように連絡しておくから、

リョウヘイ

安心して店で過ごしててな。

メイ

盗聴やGPS…！？

メイ

すぐ外します！

メイ

店長お休みなのにご迷惑お掛けしてすみません。

メイ

何から何まで本当にありがとうございます。

〜数日後〜

ナガノ

おい！！

ナガノ

ここ最近GPSが正常に作動していないからGPSの場所に行ってみたら、

ナガノ

僕があげたブレスレット、山奥に捨ててあるじゃねぇか！！

ナガノ

客から貰ったプレゼントを捨てるとかありえねぇだろ！！

ナガノ

せっかく高い金払ってお前に貢いできたのに、

ナガノ

こんなことされるとは思ってなかった…！

ナガノ

今すぐ店に乗り込んで僕の奴隷にしてやるから、覚悟しておけよ！

〜1時間後〜

ナガノ

なんだよこれ！！

ナガノ

僕がこの店出禁ってどうなってんだ！？

ナガノ

今までどれだけお前に貢いできたと思っているんだよ！！

ナガノ

お前の客で1番金を使っているのは僕だというのに…！

ナガノ

どうして金を使わない奴らじゃなくて、僕が出禁なんだ！！

ナガノ

こんなの不公平だ！！

ナガノ

おい！なんとか言ったらどうなんだ！？

ナガノ

この後に及んで、僕に顔も見せず逃げ続けるなんて卑怯だぞ！

メイ

ナガノさん…どうしてこんなことをしたんですか？

メイ

私、初めてお客様からプレゼントを頂いて本当に嬉しかったんです。

メイ

なのにGPS機能がついていて、私の行動を監視していたなんて…

メイ

あなたが私にしたことはストーカーであり、

メイ

私が警察に訴えればあなたは犯罪者になるんですよ！？

メイ

家まで知られてノコノコあなたの前に現れると思いましたか！？

メイ

勘違いもいい加減にしろよ！！

ナガノ

へ…？

ナガノ

メイ…ちゃん…？

メイ

この際だからハッキリ言わせてもらいますけど、

メイ

キャバ嬢相手に本気で結婚を申し込んだり、プライベートに踏み込むなんて、

メイ

マジで気持ち悪いし、普通そんなやつと結婚したいと思うか！？

メイ

50過ぎてやって良いことと悪いことの区別も付けられないなんて、

メイ

今までの人生、どんだけ無駄に過ごしてきたんだよ！！

メイ

さっき店長から言われた通り、あんたは出禁なの！

メイ

キャバ嬢にGPSつけて、行動を監視して、

メイ

自分のものにしたつもりかよ！？

メイ

それに僕が1番金を使っているって言ってたけど、

メイ

あんたなんて安酒しか頼まねぇし、高い酒なんていれたことねぇよな！？

メイ

そんなやつが太客ぶってんじゃねぇよ！！

メイ

私がおとなしいと思ってつけ上がりやがって…

メイ

あんたみたいな客は、店にいるだけで迷惑なんだよ！！

ナガノ

メイちゃん、客に向かってなんてこと言うんだよ！！

ナガノ

お前みたいなキャバ嬢しか出来ないような女が、

ナガノ

僕の人生にケチをつけるんじゃねぇ！！

ナガノ

絶対許さないぞ！！

ナガノ

もう店に行ってもお前のことは指名しないし、

ナガノ

別な子を指名して見せつけてやるからな！！

メイ

おい、オッサン。マジでいい加減にしろよ。

メイ

店長から好き勝手言って良いと許可が下りたから言うけど、

メイ

この店に2度と来るなって言ってるのがわからねぇのか…？

メイ

お前みたいな客は痛客でしかないの！！

メイ

キャバ嬢のプライベートに入り込もうとする奴なんて客でも何でもねぇんだわ！

ナガノ

え…僕もうお店にすら入れないの…？

ナガノ

出禁ってそういうことなのか！？

ナガノ

僕、メイちゃんを指名するのを禁止されたのかと思ってて…

ナガノ

じゃあ！こうしよう！

ナガノ

もうプライベートに踏み込んだりしないって約束するから、

ナガノ

お店の中には入れてよ！

ナガノ

メイちゃんのことは指名しないで、陰で見ておくだけにするから。

ナガノ

それで許してくれないかな…？

メイ

はぁ？ふざけんじゃねぇぞ。

メイ

私は2度とお前の顔を見たくない。

メイ

お前がストーキングした証拠もあるし、警察に突き出すつもりだから、

メイ

ってかもう店長が警察呼んでるからそろそろ来るんじゃね？

メイ

あ、逃げても無駄だからな。

メイ

お前の顔写真は警察に証拠として提出してあるし、

メイ

店の前であれだけ騒いでれば当然警察沙汰になるだろ。

ナガノ

え、ちょっと！

ナガノ

警察は勘弁してよ！困るよ！

ナガノ

僕だって会社員として働いているんだぞ！？

ナガノ

もう2度としないって言ってるじゃないか！

ナガノ

パトカーのサイレンが…

ナガノ

やばい、逃げないと…

メイ

逃げても無駄だって言ってんのに…

メイ

もう関わることないと思うからブロックします。

メイ

永遠にさようなら。

〜後日談〜

メイ

こうして、痛客のナガノは警察に逮捕されたのでした。

メイ

パトカーのサイレンが聞こえ、焦って逃げ回っていたところを

メイ

別な警察官に職務質問されてしまい、呆気なく捕まったそうです。

メイ

ですが、パトカーに乗せられる直前にまた逃げることを試みたらしく、

メイ

そのはずみで警察官を殴ってしまい、公務執行妨害のおまけがついたとか。

メイ

ナガノさんは無事塀の中での生活が確定したようで、私は本当に安心しました。

メイ

いい歳の大人がこんな非常識なことをしてしまうのですから、

メイ

人は見た目で判断してはいけませんね。

メイ

私は男性恐怖症になり、キャバクラを辞めざるを得ませんでしたが、

メイ

恐怖と引き換えに人生経験を積んだとプラスに考えることにしました。

メイ

数年後、男性恐怖症も無事に克服し、大学も卒業しました。

メイ

将来の夢まであと一歩。

メイ

努力したら必ず結果がついてくると信じて、これからも頑張りたいと思います！

この作品はいかがでしたか？

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

結城真矢

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

LINE1028

第1話 - あ

作者の他の作品すべて見る

#恋愛の新着小説
一覧

関連するタグ

LINE1028

第1話 - あ

作者の他の作品すべて見る

#恋愛の新着小説一覧

関連するタグ

#恋愛の新着小説
一覧