秘密の館

代わり映えしない日常

それが"普通"なものだったら どれほど良かっただろう

ここは親のいない女の子達が 奴隷として扱われている村

僕は親に捨てられてこの村に迷い込んだ

長い間放置していた髪は肩まで伸びて 女の子と間違われたらしい

毎朝4時に起きて、働き続ける。

私語は厳禁

食事は傷んだ野菜と水が配られる 昼1回のみ

唯一の休みといったら食事をする時の 5分程度だろう

就寝は大体12時〜1時 足は鎖で繋がれていて村の後ろは樹海

逃げることはまず不可能

ｶﾞｼｯ

倒れそう

足の鎖がいつも以上に重い

ﾊﾟｯ

こんなことは日常茶飯事

まるで地獄の生活だ

ｶﾞﾁｬﾝｯ

ー、〜〜？

〜〜、〜…〜〜〜

今何時だろ まだ起きるには早い気が

ｺﾂｺﾂｺﾂ…

ｶﾞﾁｬﾝｯ!!

ﾁｬｷ…ｶﾞｼｬｯ

気がつけば僕は無意識に走り出していた。

行先なんて分からない、

ただただこの村から出ることだけを 考えていた

ｻﾞｻﾞｯ((草の茂みに隠れる

ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ

ﾌﾜｯ𓂃 𓈒𓏸𑁍

ﾀｯ

自然と足が動いた。

そして僕は意識を手放した

ｶﾞﾌﾞｯ!!

何この味、食べたことない

ﾌﾟﾊｯ

この子絶対元の血美味しいし 顔もいいから 少し育ててみてもいいかもな

ヴァンパイアなんて、、

そっか もう砂とか泥で汚れすぎてたもんね

この人…っていうか人じゃないけど

本当に信用していいのかな

ｽﾄﾝｯ

こんなにちゃんとした食事を 見るのすら久しぶりだった

利用するためだとしても 他人からの優しさに触れてしまったら そんなのもうどうでもよかった

優しそう

それがこの人の第一印象だった

でもそんな考えは 数日後に跡形もなく消え去ることになる