数時間後。
なつ
ん…
なつ
俺寝てたのか
なつ
ってゆうやも寝てるし
ゆうやは壁に寄りかかりながら寝ていた。
なつ
(寝顔初めて見た)
なつ
(本当にムカつくぐらい綺麗な顔してるな)
ゆうや
ん
ゆうやはゆっくりと目を覚ます。
ゆうや
やば…俺寝てた
なつ
あぁ
ぐっすり寝てたな笑
ぐっすり寝てたな笑
なつ
ブサイクな面で寝てたぞ笑
ゆうや
うるさい
なつ
あははっ
ゆうや
それより体調どうだ?
なつ
すっかり良くなった
ゆうや
よかった!
なつ
お前の看病のおかげだな
ありがとな
ありがとな
ゆうや
おう
ゆうや
てか人の看病なんて全然やったことねーから合ってたのか分かんねーけど
なつ
俺が体調回復したんだから合ってたってことだろ
ゆうや
確かに
そうだな
そうだな
ゆうや
そういえば人の看病なんて、ふゆきが具合悪くなった時以来だな
『モヤっ』
なつ
神崎先輩?
ゆうや
あぁ
ゆうや
中学の時アイツの看病したことあるんだけどさ
ゆうや
ふゆきの奴、あれして!あれ食べたい!ってめっちゃうるさくてさ
ゆうや
アイツわがまま過ぎて看病大変だったわ
なつ
そうなんだ
なつ
(神崎先輩の話し聞いた途端なんでモヤっとしたんだ?)
なつ
(2人は幼なじみなんだから普通に具合悪くなったら看病とかするだろ…)
『自分だけじゃなかった』からか?
なつ
(じゃあこれは…)
『嫉妬』ってやつ?
なつ
(なんで嫉妬なんかして…)
なつ
…
ゆうや
どした?ボーッとして
なつ
別に
なつ
てかっお前本当に神崎先輩と仲良いよな
ゆうや
そうか?
なつ
あぁ
なつ
神崎先輩と話してるお前めっちゃ素出してるしさ
なつ
なんで…
『ダメだ』
これは聞いちゃいけない気がする
なつ
なんで神崎先輩に頼まなかったんだ?
ゆうや
何を?
なつ
…恋人ごっこ
返ってくる答えが怖いと思ってしまうのは何故だ?
ゆうや
あー
ゆうや
ふゆきは俺にとって昔から幼なじみだけど「兄貴」って感じが強くてさ
お前本当は『神崎先輩のこと好きなんじゃねーの?』
だってお前が先輩の話しする時いつも楽しそうに話すから
だったら2人にとって、俺って邪魔だよな
なつ
…そっか
なつ
でも先輩とお前、お似合いだと思うぜ
思ってもいない言葉達が口から溢れ出した。
なつ
恋人ごっこ
なつ
今からでも神崎先輩に頼めよ
ゆうや
お前じゃなきゃ嫌だ!
なつ
!
ゆうや
お前以外と恋人ごっこなんかしねーよ
ゆうや
それにさ、なつ相手じゃなきゃ恋人ごっこしようって思わなかったと思う
ゆうや
とにかく俺はお前じゃないとダメだから
なつ
…
ゆうや
おい聞いてんのか?
ゆうや
!
なつ
…聞いてる
なつの顔が赤く染まっていく。
ゆうやの言葉が嬉しいって思ったのは何故だ?
ゆうや
そ、聞いてるならいい
ゆうやは思わず、顔を背けた。
ゆうや
(ん?待てよ…)
俺今凄いこと言わなかったか!?
ゆうや
(なんか告白まがいなこと言っちまった)
ゆうや
(でもでも、こんくらい言わなきゃ意識なんてしてもらえないだろうし)
ゆうや
(だからこれで…いいはず)
ゆうや
(でも恥ずかしい!!)
ゆうやの顔も赤く染まっていく。
ゆうや
(めっちゃ必死で言ってたし、俺ダサ過ぎる)
なつ
おい
ゆうや
(想像の中の俺はスマートにこなせるのに、なつの前だといっつもダサ過ぎる)
なつ
おい
ゆうや
(本番の告白はもっと頑張ろ…)
なつ
おい!
ゆうや
!
ゆうや
なんだ?
なつ
さっきから呼んでんだけど
ゆうや
わりぃ
なつ
もう俺体調回復したし、お前帰れ
ゆうや
あーそうだな
そうする…
そうする…
2人の間に沈黙が流れる。
ゆうや
玄関まででいいから
なつ
わかった
ゆうや
じゃあ、また学校で
なつ
あぁ
なつ
…
なつ
あのさ
ゆうや
ん?
なつはゆうやの腕を掴んで言った。
なつ
今日はありがと
助かったマジで
助かったマジで
ゆうや
おう
また具合悪くなったら俺が看病してやるからな
また具合悪くなったら俺が看病してやるからな
なつ
ふっサンキュ
なつ
じゃあ、また学校でな
ゆうや
おう
第21話終わり