達也
…(今日もまた)
いじめっ子1
おぅ達也〜おはよー
達也
…おは…よう……
いじめっ子1
今日もプレゼントあるからお楽しみに〜
達也
(要らねえって…)
僕はそんなことを思いつつも笑顔を見せた
達也
楽しみにしてる
いじめっ子1
…っははは
相変わらず僕の笑顔はぎこちないらしい
……前に僕の笑顔は不気味だと言われたことがある
いじめによるからかいなのか
───それとも
いじめっ子2
おいとっとと教室上がれよ
達也
……うん
上履きを取り出そうと下駄箱を開けた時だ
達也
うわッ……!
バラバラと画鋲が飛び出してきた。
僕は思わず下駄箱から後ずさりした
いじめっ子1
うわ〜こりゃ大変だー
いじめっ子2
だいじょーぶかぁ?
心配した口調だが顔を見ればわかる
笑っている
達也
……大丈夫。怪我はしてない
いじめっ子1
……チッ…
周りを見ても見て見ぬふりだ
まあそれが当たり前だ
手伝ってくれたとして、その人もいじめの標的になってしまう。
そういうのを恐れて助けに来ない。
そういうのには慣れた
むしろ手際よく片付けられるくらいにはなった
いじめっ子1
おいとっとと片付けろよ〜
いじめっ子2
オマエが散らかしたんだからな〜
達也
…うん
お前らがやったんだろ、
こころでそうボヤきつつ画鋲を集めた。
達也
……
黙々と画鋲を集める。
ひとつ手に画鋲が刺さる。
僕は手を止めない
あいつらからクスクスと笑い声が聞こえる
達也
………(なんでこんな事になったんだ…)
達也
……(嫌だな…)
嫌でもやめろとは言えない
前に言ったことがあるけどもう酷い目にあったものだ
二度と言わない……いや…
二度と言えない……






