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そういや、さっきあった奴のあれってなんなんだよ

梅宮

あれって?

まだあれ直ってないのかって言ってただろ

梅宮

あ〜…

言うのか?

梅宮

いいんじゃない?知っておいてもらった方がいいでしょ

蘇芳

家庭の事情ですか?

梅宮

そう

梅宮

あいつ……鈴蘭の親は良く言えば完璧主義なんだ

蘇芳

悪く言えば…

毒親だな

梅宮

あいつが偏差値高い高校行ったのはさっき分かっただろ?

梅宮

それも親が言ったからなんだ

は?

高校くらい自分で…

梅宮

決めなかった

梅宮

いや、決められなかった、の方が正しい

梅宮

ちっさい頃から暴力も多くてな

梅宮

児童相談所の常連になるくらい

蘇芳

流石にそれは限度を超えてますね

梅宮

やばいよな

梅宮

まぁそんなとこだ

…俺からも言いたいことがある

単純に俺が気になったことなんだが

鈴が弱音を吐いたりしているところを見たことがないんだよ

どういうことだ?

普通、勉強とかずっとしてたら多少なりともストレスは溜まるはずだろ?

だけど鈴のそれは見たことがない

少し気になってるんだ

梅宮

あいつのことだ

梅宮

そういうのが分からないって可能性もある

まぁそうだな

けど……

なにか…引っかかるような気がするんだ

梅宮

まぁ、考えるのはまた明日にしよう

梅宮

もう暗くなってきたしな

蘇芳

ですね

帰るか

俺も、少し気になるな

…………!

……て、…………い!

お……ます……く……い

…向こうからか?

確かここら辺から…

…っ!

俺の目の前には何人もの男が倒れていた

その真ん中には先程叫んでいたであろう 男が何度も何度も殴られていた

っ、お前なにやって────

肩を掴んで叫ぶと そいつは俺の方を振り返った

…は…?

俺には信じられなかった

どうしてお前が いや、それよりも

お前、なんでこいつら殴ってんだよ…

鈴蘭

昼間とは違う 真っ黒な目で俺を捉える

おい答えろっ!!

鈴蘭

どうして?

は?

鈴蘭

どうしてそんなこと、君に言わなくちゃならないの?

目を細め 笑っているような表情を浮かべていた

それがあまりにも不気味だった

…明日、風鈴に来い

鈴蘭

…17時までなら

関係ねぇよ

来いよ、絶対

鈴蘭

…わかった

じゃあね、とひらひら手を振るそいつに 今度は寒気がしそうになった

なぜだか、今ここで あいつとやるべきではないと思った

あいつにはもっと他の道があるはず

今日会ったばかりの奴に 俺はそんなことを思っていた

……来ねぇ

なんで来ねえんだよ!!

梅宮

桜が言ってた話本当?

嘘つくわけねぇだろ

梅宮

いや、そうじゃなくてな

梅宮

あいつが殴ってたって

ああ、俺は見たからな

楡井

でも、その鈴蘭さん?はそんな人じゃないんですよね?

俺らが知ってる限りではな

梅宮

…あ、

蘇芳

どうしましたか?

梅宮

ほら、校門にいる

そう言われ見てみると 生徒に絡まれているあいつの姿があった

…俺,

梅宮

俺が行ってくる

はぁ!?

梅宮

俺の前で演じるかどうかだろ?

っ…

…なら俺も

梅宮

おう

梅宮

じゃあ行ってくるわ

梅宮

ちゃんと見とけよ、桜

風鈴生

お前誰だよ

鈴蘭

朱羽鈴蘭です、少し用事があるのですが

風鈴生

だからその用事はなんだってんだよ

鈴蘭

と言われましても…

風鈴生

チッ…イラつくんだよその喋り方

そう言いながらそいつは拳を振り上げる

梅宮

こら

風鈴生

っ!?梅宮さん!?

梅宮

ダメだろ?女の子殴ったら

梅宮

それにこいつ、俺の知り合いだから

梅宮

通してあげてよ

風鈴生

すみません!!

梅宮

いや、いつもありがとうな

風鈴生

はい!

鈴蘭

うわ〜、やっぱ梅って感じする

梅宮

どういうことだよw

梅宮

それより、風鈴に何か用か?

鈴蘭

桜くんによばれてさ

鈴蘭

用事があるって言われてるだけだから詳しくは知らないんだけど

梅宮

心当たりは?

鈴蘭

無いかな〜、あの子とあまり喋ったことないし

梅宮

…そうか

梅宮

ま、入れよ!

鈴蘭

私急に殴られたりしない?

梅宮

その辺は俺がいるから大丈夫だ

鈴蘭

ならよかった

やっぱりか 鈴ならこうすると思った

桜にどんな関わり方するかだな

梅宮

帰ったぞ〜

やっと来たか!!遅えぞ!

鈴蘭

あははっ、ごめんって

っ…!

ちがう

あの時とは比べ物にならないくらい 朱羽は明るかった

鈴蘭

君、はじめましてだよね

楡井

あっ、はい!楡井秋彦です!

鈴蘭

朱羽鈴蘭です、よろしくね

楡井

よろしくお願いします!

んなことよりもだ!!

なんでこんな遅くなったんだよ

蘇芳

それは僕も気になります

鈴蘭

ちょっと学校終わるのが遅れちゃってね

鈴蘭

でもまだ時間あるし、全然余裕でしょ!

お前の心配じゃねぇよ

鈴蘭

あははっ、酷いな〜

吐き気がするほどに気持ち悪くなる

こんな明るく振る舞って 一体お前は何がしたいんだ

鈴蘭

それで、要件って?

…お前、昨日の─────

鈴蘭

待って!

鈴蘭

みんな、ちょっと席外してくれないかな?

…!

蘇芳

…なんでだ?

鈴蘭

話しにくい事だったらちょっと気にしちゃうでしょ?

鈴蘭

告白とか!

ねぇよ!!

鈴蘭

まぁ照れ隠しなんだろうけどさ

鈴蘭

一応、ね?

梅宮

…わかった

梅宮

じゃあ下で飯食ってるから終わったら来いよ〜!

鈴蘭

うん!また後でね!

やっぱそうするか

仕方ないと言われればそうか

鈴蘭

…で?

鈴蘭

なんでここに呼んだの

お前、なんであいつらを殴ってた

あいつら、ここの生徒だった

何か恨みでもあったのか?

鈴蘭

…なんで恨みがあるってだけでやると思うの?

鈴蘭

別に特に理由なんかないよ

は…?

じゃあなんで

鈴蘭

だから言ってるじゃんか

鈴蘭

理由は無い

ここの生徒だってわかってやってたのか?

鈴蘭

他人の学校なんて興味ないしそもそもそんなの考えてない

鈴蘭

でもまぁ、こんな狭い世界なんだから偶然だってあるんじゃない?

偶然って……お前、ふざけてんのか?

鈴蘭

なんでそうなるの、めんどくさいなぁ

お前、幼馴染の友達を殴ってんだぞ!?

鈴蘭

だから何?他人に興味ないって言ってるじゃん

なら梅宮や柊のことも殴るのか?

鈴蘭

なわけないじゃん

鈴蘭

名前知らない奴のことはどうでもいいって言ってるの

鈴蘭

それに、梅たちに勝てるわけないじゃん

鈴蘭

そんな勝てない勝負やらないよ

鈴蘭

…はぁ、

鈴蘭

ねぇ、もう帰っていいよね

鈴蘭

もうすぐで30分すぎちゃうし、帰────

パチンッッ

鈴蘭

っ……は…?

まだ話は終わってねぇよ
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