実験

実験

stxxx 桃青 モブ 暗め

参考 遠藤周作　海と毒薬 九大生体解剖事件（相川事件）

ただの大学病院

至って普通

たくさんの人を助けて

医学生としての責務を全うする

優しい先輩とずっと一緒で

これが続くと思ってた

でも戦争が激しくなるにつれて

病院の空気は悪くなる

だんだん正解がわかんなくなってきた

助けなきゃいけないはずなのに

これからでる負傷者のために 誰かを捨てる

これが僕が夢見る医者の仕事なのか？

自分は人殺しなんじゃないかって 考えてると

誰かからお前は人殺しだって 釘を刺された気分になる

そんなある日異変に気づいた

オペなんてしてないはずなのに マスクの数が合わない

先輩が退勤する前に 報告することにしよう

　なんて思うとまた違和感

ステーションに誰もいない

どこだろうと院内を歩き回ると ふと手術室が目に入る

今日はオペの予定が入ってないから 人なんかいるはずない

でも数の合わないマスク

なんとなくここに正解がある気がした

ドアを開けた先に広がっていたのは 信じられない光景だった

米軍の捕虜を麻酔なしで、、？

意味がわからない

やってけないって…

つまりクビだ

ダメだってわかってたのに

お世話になった先輩に脅されて 断れるわけがない

頭おかしいよ

表では人救う善人のふりして

裏では米軍の捕虜で生体解剖

こんな奴ら医者じゃない、人殺しだ

でも僕も共犯だから

ある日は眼球を取り出すために 頭を押さえさせられ

またある日はあばら骨をおりながら 片方の肺を取らされた

最初の頃は治療してダメな奴を 使ってるって先輩は言ってた

でも初めから治療する気がないのは わかりきってる

全部、全部わかってたのに

言いなりにしかなれなくて

僕が1番悪いやつな気がして

こんな自分に吐き気がした

　でも先輩には逆らえない

毎日ぐるぐるまわってる

そんな日々を過ごしていると ある日突然限界が来た

無意識だった

恐怖に負けて思わず口走った

なんて先輩は甘い声で呟いて その後も生体解剖は続いた

真の正義が僕を逮捕してくれた日まで まさにずっと生き地獄

先輩は死刑判決された

僕は10年の刑期を終えた後 田舎で医者をやっている

　8人もの軍人を殺めたこの手で 人の命を預かっていいのか

何度も先輩の声が頭をよぎる

あの事件のことは誰にも話せない

思い出したくないから

でも時々先輩との楽しかった思い出だけ 恋しく思える

先輩も戦争がなければ おかしくなりませんでしたか？

僕たち戦争がなければ幸せでしたか？

毎日答えは返ってこないのに問い続ける

戦争ってもう終わったのかな

終わったなんておかしいよ

ずっと僕のこと縛り付けてるのに

本当に終わりなんですか？

今回の作品は実際にあった事件

またその事件を題材にした小説

これらを参考にしています

余談なんですがらゔ 海と毒薬かなり好きで…🙌🏻

むごい話ではありますが、

本好きな方は読んでみてください

らゔまじで本オタクなんで

今度他の本もおすすめしたい（