初恋シークレット

side 姫乃

隣の男子校に通う彼に一目惚れして2ヶ月

私は一目惚れしていた彼から告白を受けた

恥ずかしそうに、赤く染めた頬を右手でポリポリとかく姿はなんだか可愛らしかった

彼の名前は、佐久間 桐さん。

金色の髪に、赤い眼鏡の奥の吸い込まれそうなエメラルドの瞳

笑った時に見える八重歯は、同い年なのになんだか可愛らしく見える

正直、私なんかに恋人が出来るだなんてかなりびっくりしている

ムニっと右の頬をつねってみるけど、痛いだけ

ヒリヒリと痛む頬を抑えた

明日、学校に迎えに来てくれるって……言ってたよね

高鳴る気持ちとは裏腹に、私は1つの不安を覚えた

本当はちゃんと家まで送って欲しかったのだけど、事情が事情の為 家付近で彼と別れた

初めて出来た彼氏。

恋愛経験なんて全く無く、学校でも友達がいた事が無いから恋バナというものをしたことも無い

家の仕来りで漫画は読んではいけないから、少女漫画というものも読んだことがない

明らかにカタギではない輩に、挨拶される

どうやら考え事をしているうちに、家についたみたいだ

会話を聞いての通り、私は普通の家の子ではない

関東でもその筋では有名な篠田組の一人娘

簡単に言うと ヤーさんの娘だ

そんな家柄の為、親しい友達なんて出来たことがない

絶対失望……いや、引かれるに決まってる