春千夜
…ここです
春千夜
ここで話しますね
杏
こ、ここは?
春千夜
ホールに続く階段です
杏
ホール…
春千夜
それは一旦置いといて
春千夜
あの…
ドッドッドッ
駄目だ やっぱり
杏
(2人きりだと…尚更)
杏
(1度決めた事なのに)
春千夜
単刀直入に言います
春千夜
本当に、俺の事覚えてませんか?
杏
…え
春千夜
さっきから杏さんから違和感を感じるんです
春千夜
東卍に居た頃の記憶や
春千夜
マイキーの事も覚えているのに…
杏
(ま、まずい…)
杏
(マイキーの事を覚えてるんだったら春ちゃんの事覚えてないのは不自然だった…)
春千夜
…て
杏
え…?
春千夜
どう…してっ…
春千夜
俺だけ忘れてるんですか…!
杏
……
こうなったら 最後まで誤魔化すのみ
杏
そ、そもそも本当に知らないんですよ
杏
貴方のこ…と_
え__
春千夜
……グス
春ちゃん、、泣いて…
春千夜
知らないフリはもうやめてくださいっ…
春千夜
俺は分かってるんですよっ…!
杏
な、何を…
春千夜
俺を唯一否定しないで褒めてくれた
春千夜
杏さんが街中で見せたあの笑った顔
春千夜
全部全部っ!
俺が惚れた所だからっ…!
春千夜の悲痛な叫びはホール全体に 響いた
もちろん
杏
ッ…!
杏の心にも_
春千夜
はぁ…はぁ…
杏
……
杏
…確かに君が言った事
杏
否定はしない
春千夜
…!
杏
でも
杏
駄目だよ
杏
こんな私を好きになっちゃ
春千夜
そんなっ
春千夜
そんな事…言わないでください!
杏
言えるよ
春千夜
なんで…ですか
杏
……
杏
実はね
杏
私_
「婚約者が居るんだ」
春千夜
え_
杏
だっ、だから!
杏
もう…私には関わらないで…
ダッ
春千夜
あ、杏さんっ…!
春千夜
(なんで動かないんだ_俺の足!)
春千夜
(あー…ショックなんだ…)
春千夜
杏さん……