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LINE1301

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LINE1301

1 - あ

♥

20

2023年11月06日

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ショウコ

ハルマが家に帰ってこないの!

ショウコ

どうしてか、知ってる?

ケンジ

えっ、ハルマが帰ってきてない?

ケンジ

あいつは毎日、時間通りにきっちり帰ってきてたじゃないか?

ケンジ

何かあったんだろうか?

ショウコ

私、心配で・・・

ケンジ

何か心当たりはないのか?

ショウコ

それが、どうしてなのかさっぱり分からないの・・・

ケンジ

俺は単身赴任中だからなぁ・・・

ケンジ

探しに行くことすらできないし・・・

ショウコ

ねぇ、あなたからハルマに、帰ってこない理由を聞いてくれない?

ケンジ

理由を聞けと言っても、もうハルマもいい大人なんだし

ケンジ

聞きにくいじゃないか。

ショウコ

そんなこと言わずに。お願いよ。

ケンジ

仕方ないなぁ。それじゃあ、明日にでも連絡してみるよ。

~翌日~

ケンジ

お前、家に帰ってないんだって?

ケンジ

どうしたんだ?

ケンジ

何かあったのか?

ハルマ

それが・・・

ハルマ

言いにくいことなんだ

ハルマ

ええっと・・・

ケンジ

どうしたんだよ?

ケンジ

俺には隠し事なんてしないでくれよ

ケンジ

いつものように、はっきり言ってくれたらいいんだ

ケンジ

遠慮することはないんだよ

ケンジ

何か悩みでもあるのか?

ハルマ

それが・・・。母さんのことなんだ

ハルマ

俺、母さんを軽蔑してしまいそうなんだ・・・

ケンジ

えっ、軽蔑って、どうしたっていうんだ?

ハルマ

見ちゃったんだよ

ハルマ

俺より若い男と腕を組んでホテルに入っていく母さんを・・・

ケンジ

見間違えじゃないのか?

ハルマ

見間違いなら、良かったよ・・・

ハルマ

俺もそう思いたかったよ

ハルマ

実際、見間違えたんじゃないかと思ってたんだ

ハルマ

それなのに母さんは、寝室にそいつを誘い込んでたんだよ!

ハルマ

それに、そいつは俺の知ってる奴だったんだ!

ケンジ

えっ?それは本当か?

ハルマ

うん。そうなんだ

ハルマ

そいつは、俺の会社の後輩なんだけど

ハルマ

会社に野球部があって、一緒に野球してる仲間なんだ

ハルマ

それで、家に何度か呼んだことがあって

ハルマ

母さんとは面識があったんだ

ケンジ

そうか・・・

ハルマ

でも、まさか二人がそんな関係になるなんて

ハルマ

思ってもみなかったんだ!

ハルマ

ごめんよ。父さん・・・

ケンジ

お前のせいじゃ、ないさ・・・

ハルマ

俺はそんなことになってるなんて、まったく知らなかったんだ

ハルマ

俺、付き合ってる彼女がいて、帰りが遅かったんだけど

ハルマ

つい最近、別れたんだ

ハルマ

それで、帰宅する時間が早くなってたんだけど

ハルマ

母さんはそんなことを知らずに、あいつを家に連れ込んでいたんだ

ケンジ

そうだったんだ・・・

ハルマ

それで、早く家に帰った時に

ハルマ

あいつと行為をしている母さんを見てしまったんだ

ハルマ

それも、一度じゃない

ハルマ

何度も目にしてるうちに、母さんを軽蔑している自分に気がついて・・・

ケンジ

そうだったのか・・・

ケンジ

あいつは、俺を裏切っていたんだな・・・

ハルマ

俺だって、まさか母さんがそんなことするなんてって

ハルマ

自分で自分のことを、信じられなかったさ

ハルマ

父さんは連れ子の俺のことを、実の息子のように扱ってくれて

ハルマ

金銭面でも惜しみなく援助してくれたのに

ケンジ

父親として、当然のことをしたまでさ

ケンジ

俺のことは頼りにしてくれていいんだぞ

ハルマ

母さんが裏切っても、俺のことを

ハルマ

まだ息子だと思ってくれるの?

ハルマ

当り前だ。お前は俺の自慢の息子だよ

ハルマ

ごめんよ。父さん。

ハルマ

あんな女が俺の母親だなんて

ケンジ

お前が悪いわけじゃないんだ

ケンジ

そんなに悲観するな

ハルマ

母さんは父さんがいないところでは

ハルマ

父さんのこと、「ただのATM。デブで気持ち悪い」

ハルマ

なんて言ってたんだよ

ハルマ

まさか、本心から言っているわけじゃないって信じていたのに・・・

ケンジ

そうなのか、あいつ、そんなことを・・・

ハルマ

俺は母さんのことを許せないんだ!

ハルマ

母さんが俺の後輩と行為をしている姿を度々目にしてしまって

ハルマ

このところ、ずっと眠れないんだ

ハルマ

辛くて、精神的に苦痛を感じるんだ

ハルマ

父さん、どうしたらいいんだろう?

ケンジ

そんな家に帰る必要はない。この際、一人暮らしをしないか?

ケンジ

始めのうちは慣れないだろうから、生活費で不足した分については

ケンジ

しばらくは援助してあげるよ

ハルマ

そんな、悪いよ・・・

ハルマ

これまでも、ずっと頼り切りだったし

ハルマ

これ以上、甘えるだなんて・・・

ケンジ

何を言ってるんだ。お前は俺の息子なんだから

ケンジ

頼ってくれて、当然なんだよ

ハルマ

じゃあ、甘えさせてもらうね

ケンジ

ああ。そうしてくれ

ケンジ

ところでハルマ、ショウコとは離婚することにしたよ

ハルマ

そう思うのは、当然だよ

ハルマ

父さんが離婚するなら、俺も協力するよ

ケンジ

そんな・・・。悪いよ

ハルマ

協力させてよ!

ハルマ

今まで、ずっと面倒を見ていてくれたんだ

ハルマ

俺に恩返しをさせてくれよ

ケンジ

そうか・・・。分かったよ

ハルマ

まずは証拠集めをするよ

ハルマ

必要だったら、証言だってするよ

ケンジ

それは心強いな。頼りにしてるよ

~数日後~

ケンジ

今何してる?

ショウコ

今、料理しているところよ

ケンジ

じゃ、今風呂に入っている男は誰なんだ?

ケンジ

玄関で行為をしたのは何故だ?

ショウコ

なんでわかるのよ!もしかして監視カメラ?気持ち悪い!

ケンジ

今、浮気相手の両親とお前の両親と一緒にLINEを共有している

ケンジ

いまからそっちに行くから話し合おう

ショウコ

どうして、親を引き合いに出すの?

ショウコ

それに、話し合うって、どういうこと?

ショウコ

彼とのことは、お互いに遊びだと割り切っているのよ

ケンジ

お前は遊びかもしれないが、俺が我慢できないんだ

ケンジ

離婚してもらうよ

ショウコ

何よ!器の小さい男ね!

ケンジ

なんとでも言ってくれ

ケンジ

離婚に際して、慰謝料も払ってもらうよ

ショウコ

いくら払えっていうのよ!

ケンジ

300万円だ

ショウコ

そんなお金ないわよ!

ショウコ

でも、ハルマが協力してくれるかも?

ケンジ

どうしてそう思うんだ?

ショウコ

私はあの子の母親だもの

ショウコ

きっと、私のことを助けてくれるわ

ケンジ

それはちょっと、甘いんじゃないか?

ケンジ

浮気相手が自分より年下なんて、気持ちが悪くて

ケンジ

許せないって、ハルマが言ってたぞ

ケンジ

そもそも、お前が浮気してるのを教えてくれたのは

ケンジ

ハルマなんだから・・・

ショウコ

嘘よ!あの子は私の味方のはずよ!

ケンジ

それはどうかな?

ケンジ

あいつは君とは違って、義理堅い奴だ

ケンジ

無理だと諦めていたのに、大学にまで行かせてくれたって

ケンジ

感謝してくれているよ

ケンジ

それに比べてお前って奴は・・・

ショウコ

なによっ!

ケンジ

感謝どころか、蔑んでいるんだからな!

ケンジ

聞いたぞ!俺はお前のATMなんだってな!

ケンジ

陰で、デブで気持ち悪いとまで言ってるんだって?

ショウコ

そんなの嘘よ!本気にしないで!

ショウコ

ちょっとした冗談なんだから!

ケンジ

デブな俺じゃ、お前とは釣り合わないとでも?

ケンジ

周りからは美魔女だなんて、もてはやされてるからって

ケンジ

息子より年下の相手と不倫なんて

ケンジ

あんまりじゃないか?

ショウコ

なによ!私みたいな美人と結婚して鼻が高いって

ショウコ

言ってくれたじゃない?

ショウコ

ちょっとした冗談だって

ショウコ

なんで分かってくれないの?

ケンジ

まったく、笑えないね

ショウコ

ねぇ、離婚だなんて嘘よね?

ケンジ

いいや、本気さ

ショウコ

考え直してよ。私だって、息子より年下の子とは

ショウコ

本気じゃないんだから。あなただって、分かってることでしょ?

ケンジ

不倫に本気か本気じゃないかなんて、関係ないだろ?

ケンジ

本気じゃないなら、何回でも浮気しても許されるというのか?

ショウコ

えーと、私もそこまでは言ってないわ・・・

ケンジ

とにかく、お前とは離婚だ!

ケンジ

玄関まで来たから、ドアを開けてくれよ

ショウコ

嫌よ!

ケンジ

往生際が悪いな

ケンジ

鍵を持ってるから、家に入らせてもらうよ

ショウコ

そんなっ!

~三日後~

ショウコ

ねぇ、ハルマお母さんを助けてくれない?

ハルマ

今、俺は一人暮らしをしていて

ハルマ

もう母さんとは暮らさないから・・・

ショウコ

あなたも、そういった年頃になったのね

ショウコ

そのことはいいの

ショウコ

ただ、お母さんを助けて欲しいの

ショウコ

聞いてるかもしれないけど、離婚することになったの

ハルマ

聞いてるよ。母さんのしたことは、あんまりだよ

ハルマ

あんなに優しい人を裏切っていたんだからね

ショウコ

私、あの人から慰謝料を請求されたの

ハルマ

母さんが浮気して離婚になったんだから

ハルマ

慰謝料を請求されるのは、当然だと思うよ

ハルマ

でも、それがどうかした?

ショウコ

300万円請求されたの、けど、手持ちがなくて・・・

ショウコ

ハルマは貯金してるわよね?

ハルマ

貯金はしてるけど・・・

ショウコ

ちょっとだけ、貸して欲しいの

ハルマ

それって、いくらぐらい?

ショウコ

300万円なの

ハルマ

それって、全額じゃないか?

ハルマ

貯金は大切な時に使おうと思って

ハルマ

とっておいてるんだよ

ハルマ

母さんの失敗の尻ぬぐいをするための

ハルマ

お金じゃないよ

ショウコ

そんなことを言わないで

ショウコ

絶対に返すから、しばらくの間貸してくれない?

ハルマ

母さん、無理だよ

ハルマ

他をあたってくれない?

ショウコ

そんな、冷たいこと言わないでよ!

ハルマ

俺はね。怒ってるんだよ

ハルマ

まさか、俺の後輩と関係するだなんて・・・

ハルマ

それに、知ってるんだよ!

ハルマ

本当の父さんと離婚した時も

ハルマ

原因は母さんの浮気だったんだってね?

ショウコ

ハルマ・・・知っていたの?

ハルマ

おじいちゃんとおばあちゃんに聞いたよ

ハルマ

母さんの浮気は病気だってことも、言ってたよ

ハルマ

父さんは我慢してたらしいけど、浮気癖が治らないからって

ハルマ

離婚を決意したって聞いたよ

ショウコ

ごめんね。ハルマ、こんな母さんで・・・

ハルマ

でも、もう無理だよ。俺の後輩にまで手を出すなんて・・・

ハルマ

母さんを軽蔑してしまいそうなんだ

ショウコ

そんな・・・

ハルマ

しばらく、俺の前に顔を出さないでくれよ

ショウコ

ハルマ、ひどい・・・

ハルマ

まぁ、そういうことだから

~数日後~

ケンジ

離婚が正式に決まったよ

ケンジ

今日、弁護士から連絡が入ったんだ

ケンジ

慰謝料もきっちり払ってもらうよ

ショウコ

ひどいじゃない!本当に300万円も請求してくるなんて!

ケンジ

このことは、弁護士を通して正式に決まったことだから

ケンジ

ちゃんと、従ってくれよ

ケンジ

今回のことは証拠が揃っていたから、思った通りに

ケンジ

有利にことが進んだよ

ショウコ

証拠って?

ケンジ

言ってなかったかな?

ケンジ

ハルマが証拠集めをしてくれたんだ

ショウコ

えっ?

ケンジ

もともと、不倫のことを教えてくれたのはハルマだしね

ケンジ

証拠写真や画像、音声もとってもらったよ

ケンジ

家の中にカメラを設置してくれたのも、ハルマだ

ケンジ

今までの恩返しがしたいと言って

ケンジ

率先して、証拠をつかんでくれたよ

ショウコ

ハルマが私を蹴落としたというの?

ケンジ

お前の不正を正してくれたのさ

ショウコ

いったい、何を言って・・・

ショウコ

とにかく、私はハルマにしてやられたのね

ショウコ

息子に裏切られていたのね・・・

~後日談~

ケンジ

ショウコは自分の両親に援助を頼むが拒否され

ケンジ

絶縁を言い渡されました

ケンジ

ショウコが不倫相手とは遊びだと言い切ったので

ケンジ

この件がきっかけで別れました

ケンジ

ショウコの浮気相手は学生で、ケンジからの慰謝料について

ケンジ

支払い能力がないので、両親が代わりに支払いました

ケンジ

学費が慰謝料でなくなったので、大学は中退

ケンジ

田舎の実家に帰っていきました

ケンジ

俺はというと離婚したことで、仕事に集中できプロジェクトが大成功

ケンジ

さらに昇進しました

ケンジ

ハルマともショウコとの一件で絆が深まりました

ケンジ

ショウコはお金、信用、子供、全てを失い路頭に迷いました

ケンジ

ずっと専業主婦だったので、仕事の仕方も分からず

ケンジ

安いパートの仕事しかできなかったので

ケンジ

朝から晩まで働き詰めだそうです

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