カタチ

カタチ

俺たちは愛し合っていた

それは確かだったはず

それなのに

流石にこの言葉には驚いた

でも俺は何も言わない

愛しているから

ﾊﾞﾀﾝ

こんなの毎日

桃くんに何されたって許せる

いつか昔みたいに戻る

きっとそうだよ

何、言ってんの

正直言ってる意味がわからなかった

勝手に入ってこないで

ｶﾞﾀﾝｯ

気づいたら胸ぐらを掴んでた

帰ってこない

わかってたけど 日に日に会える時間が減ってる

でも待ってるの

きっと扉を開けてただいまって言って

一緒にデートとかするの

素敵で幸せでしょ？

王子様を待つみたいに 目を瞑って

待つの

ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ

そこから赤のことを知らされて

凄く叱られた

なんて思うわけねえじゃん

赤のことは何よりも愛してた

だからこそ

俺の愛し方をする

黄は

全て説明した

所詮道具でしかなかった

赤だと思って抱いたこともあった

そのときに好きって言ったのかも

好かれていることは知ってた

だからその好意を利用した

青は

赤への好意が見え見え

勿論それも利用したけど

焦りはしなかった

取られる、なんて

愛し合ってたら思わない

おかえりって

迎える声が聞こえた

でも

そこには

折れてしまいそうな細い体に

目を固く閉ざした赤

目の前の光景に さっきの声は幻聴だと悟った

違う、

なんで、

おれの、せいだ

笑顔が辛かった

"ごめん"しか言えなかった

言うことを聞く

操り人形みたいになってしまった恋人

愛 で傷つけた

反応がみたくて

依存してる赤に依存して

ほんと単純で馬鹿な考え方

愛しているからって

許されることじゃない

俺が

"作らなくていい"

そう言ったからだ

じゃないと赤は、、

こうなってしまったのも

全部俺のせい

でも

なら俺はどうすれば良かった？

昔みたいに優しくしたいよ

赤に何されたって許せるよ

いつか昔みたいに戻る

きっと、

きっと

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