眠れない夜というのは誰にでもあるものだろう。
ただ、俺は最近そういう日の割合がすごい高い。
歌が上手い、英語が話せてすごい、ゲームができないところが可愛い、真面目でえらい、苦手なことに真摯に向き合ってすごい、なんだかんだ言って大人なところが素敵。
色んなことを言って褒めてくれるリスナー。
もちろん、メンバーも。
けれど、その褒め言葉がどうしても重いと思ってしまっている自分がいることは事実で。
わざと幼児退行のような態度をとってみたりしても、その信頼という名の重圧は消えてはくれない。
それがありがたいことだということは、知っているのに。
嬉しいと思う反面、なんでそんなものを向けくるんだというやるせなさが募る。
だからといってこんな自分を誰かにうちあける勇気も、俺にはない
仕事終わり。
ダンス練習をして。
みんなで家に帰って。
さあ、寝ようかと。
自然とそんな流れになって。
でも、寝れなくて。
疲れているのに、体は睡眠を求めているのに。
それでも、精神的に疲れてしまって眠りにつけそうにない
だから、何となくリビングに向かった。
部屋にいても、寝れる気がしなかったから。
誰もいないだろうと思ったから向かったのに、キッチンから薄く光が漏れていて。
誰がいるのかなんて認識できなかったけれど、まるでそうであって欲しい、というように。
願望のようにその人の名を呼んだ。
青
黒
黒
普段は後ろで一つに結っている髪が下へと流れ落ちている。
夜中だからだろうか。
小さな声で囁くように声をかけてくるあにき。
可愛い
その一言に尽きた
青
青
黒
『こんな時間』
時計を見れば2時を回っていた
夜中というかもはや深夜である
青
青
自然とそんな言葉が溢れる。
その声が自分で思ったよりも泣きそうな声であることに驚いた。
人の感情に機敏なあにきがそれに気が付かないはずがなかったけれど黙って一度キッチンの方へ引っ込むと両の手にコップを持って出てきた。
黒
青
青
黒
温かいうちに飲みや?
まろにそう言いつつ自分の手元に残したコップに口をつけるあにき
それに促されるようにまろも飲んだ
青
黒
市販のものであろうに。
お湯を沸かしただけであろうに。
まろの放った言葉に綺麗な笑みを浮かべるあにき。
そんな彼を前にしたら。
今なら、なんだって言えてしまう気がした。
青
黒
青
今までだって何度もあった。親に期待されたり、親戚に期待されたり。
でも、今度は桁が違う。大勢の人相手だ。全員の期待に答えることなんて、できない。
それが不甲斐ないし、それくらいなら期待なんてしてくれるなと思ってしまう。
まろの言葉を反芻しつつ考え込んだあにきはそうやな、と一言呟き、
黒
と言った。
青
黒
いまいちあにきの言葉の意味が分からなくて首を傾げれば
黒
青
黒
黒
黒
こちらを見ずにそう語るあにき。
そっか。そうだよ。
『全て』に答えようとするから、疲れて重いんだ。
選ぶ権利はあくまでまろにある。そんな簡単で単純なことを忘れてしまっていた。
青
黒
じゃ、俺は寝るから
そう言ってまろに背中を向けたあにきに『一緒に寝ようよ』と言えば、『大の男が同じベッドで寝るわけあるか』と一蹴されてしまった
この日のコンポタが市販のものではなくて悠佑が一から作ったものであることを
この日、悠佑は歌みたを撮っていないことを。
Ifが知る日はまだ、来ない。
コメント
3件
最後の尊っ!? ヤバ、これでいい夢見れるわ☆
いふくんが寝れていないことを分かっていて、わざわざ…ってことなんですかね!尊い🤦♀️💓