アタシは、元人間の、吸血鬼だ。
ここは、ソテイラと呼ばれる組織の、研究所。
研究所と言っても、寝床も自室も客室も、庭も食堂もオモチャも…
基本的に、何でもある
そんなアタシの住む施設に、昨日から一人の悪魔が泊まっているのだ
その悪魔は、ある用事が終わったら、自分の家に帰るそうな
風の噂でそう聞いた私は、朝からその悪魔に会おうとしている
リカーネ
…早朝。AM2:00
アタシは、扉を叩いて大きく声を響かせた。
リカーネ
リカーネ
怒鳴っていると、ドアが開かれる
アオト
アオト
リカーネ
少しアタシの背が小さいせいか、見下ろされる形になった
アオト
アオト
アオト
リカーネ
相手が口を開こうとしてきたが、アタシは、間髪に入れずに要件を話す
リカーネ
リカーネ
リカーネ
アオト
アオト
アオト
リカーネ
リカーネ
アタシの後ろにいた、人型の…いや、吸血鬼型の機械。
アタシの妹が、声を合図に、前へ進み出た
リヘデラ
アオト
リヘデラ
リヘデラは、隠し持っていた銃口をアオトに向けた
アオト
リカーネ
アオト
リカーネ
リカーネ
アオト
リヘデラ
リカーネ
リヘデラ
アオト
リカーネ
リカーネ
アオト
リカーネ
確かに、リヘデラは機械の身体で、眼球は、特殊なガラス玉だ
しかし、ガラス玉でも、目なのだ。
リカーネ
リカーネ
アオト
アオト
アオト
アオト
リカーネ
リヘデラ
アオトにずっと銃口を向けていたリヘデラが、引き金の指を動かす
アオト
リカーネ
リヘデラ
リヘデラは、引き金に絡めた指を緩める
リカーネ
アオト
アオトが、ずっとアタシを見ている
自分の過ちに気がついたのかもしれない
アオト
そういうわけでも無かった
リヘデラ
リカーネ
リカーネ
リヘデラ
リヘデラ
リカーネ
アオト
リカーネ
リカーネ
アオト
リカーネ
アオト
……頭に血が登りすぎたかもしれない。
少し、冷静になろう
リカーネ
アオト
リカーネ
リカーネ
リカーネ
アオト
リカーネ
リヘデラ
リヘデラは、銃をしまって、アタシの隣へ来た
そして、背を向けてこの部屋から去ろうとした時…
アオト
アオト
リカーネ
アオト
リカーネ
唐突な声に、私は先程いた部屋の方向へ身体を向ける
アオト
アオト
リカーネ
アオト
リカーネ
アオト
リカーネ
リカーネ
アオト
アオト
リカーネ
リカーネ
リカーネ
…一瞬、声にモヤがかかったような。
アオト
上手く聞き取れない
アオト
…呼吸が苦しい。無自覚に、止めていた?
アオト
アオト
心臓の音がうるさい。
アオト
アオト
アオト
アタシの背後から、銃声
リカーネ
よく喋る口が黙った。
それと同時に、うるさかった心臓の音も、静まった。
リカーネ
リヘデラの撃った、銃弾は…
アオトから数ミリ横にズレた壁へ、着弾していた
リヘデラ
アオト
アタシは、バレないように呼吸を整える。
リヘデラ
リヘデラ
アオト
アオト
リヘデラ
リヘデラ
リヘデラ
アオト
リカーネ
アオト
アオト
リカーネ
リヘデラ
リカーネ
アオト
アオト
リカーネ
アオト
リヘデラ
アオト
リヘデラ
アオトは、自室へ戻り、ドアを締めた
リカーネ
アタシは閉まったドアを凝視した後、ドアに背を向けて、歩いた
外へ。まだ暗がりのある外へ、足を運ぶ
外は、寒かった
リカーネ
リカーネ
リカーネ
何をするでもなく、街をただ歩く
リカーネ
リカーネ
リカーネ
街を出た。それでも歩く
リカーネ
リカーネ
リカーネ
早朝だからなのか、敵の気配は無い
リカーネ
リカーネ
リカーネ
リカーネ
リカーネ
リカーネ
リカーネ
あんな言葉で動揺してしまうのは、私が弱い証拠だ
もっと、強くならなければ
もっと、強くなければ
妹を、また守れない
リカーネ
妹を、愛せない
リカーネ
リカーネ
リカーネ
リカーネ
リカーネ
リカーネ
リカーネ
リカーネ
それは、守れなかったから?
妹を、不自由なままに逝かせたから?
リカーネ
頭が痛い。これ以上、考えられない
リカーネ
リカーネ
人間を見つけた。
あの服装は…他国の者。 数は少ない。3~4名ほどだ
リカーネ
襲っても許される
リカーネ
リカーネ
リカーネ
リカーネ
リカーネ
…アタシは、高笑いを上げながら敵へ鉤爪を振りかざす
そして
それを見ていた者が、一人
リヘデラ
やはり、姉は強い
みるみる内に、人間が斬られ、裂かれていく
リヘデラ
リヘデラ
姉の高笑いを、戦場の音楽を聞きながら、考える
リヘデラ
リヘデラ
リヘデラ
リヘデラ
リヘデラ
機械のパーツ一つ一つが、熱を帯びているように感じる
…不具合?
リヘデラ
この感覚が不具合なのだろう
…リヘデラには、その不具合を直す気など、毛頭無いのだが
リヘデラ
…茂みに、潜伏した敵を発見
リヘデラ
姉の"楽しみ"の弊害になる
リヘデラ
リヘデラ
人知れず、狙撃銃を取り出し、構える
リヘデラ
リヘデラ
アタシは、その敵を撃ち抜いた。
リヘデラ
リカーネさんが、銃声に気付き、こちらを見た
その顔は、喜びに満ちている
リヘデラ
リヘデラ…"妹"は、リカーネの支援へ
リカーネ…姉は、魔力で作った鉤爪で、自由に踊る
周囲に、高笑いと、銃声と、肉の裂かれる音が響く
その戦場には
季節違いのカーネーションと
アイビーが咲き誇っていた
今回の世界:欠陥リビルド
立ち絵:五百式立ち絵メーカー様
リカーネ
リヘデラ
アオト
ここまでお読みいただき
ありがとうございました!
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