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【最終話】6人で、シクフォニだから
残されたのは、リーダーのLANと、すちの二人だけ。かつて6人で「いつか絶対にここに立とう」と、夜遅くまで語り合っていた、誰もいない真っ暗なドームのセンターに、俺たちは静かに座り込んでいた。
客席には誰もいない。証明も点いていない。ただ、広い空間に冷たい闇が広がっているだけ。
すち
すちは、ポツリと呟いた。その手には、6人で笑いあっている最後の写真が、指の先から白くなるほと強く、大切そうに握りしめられている。
LAN
LANは必死に声を絞り出した。でも、その声はひどく震えていた。すちはすでに、自分が抱えていた持病の薬を飲むのを何週間も前にやめていた。身体が徐々にボロボロになり、命の期限が削れていくのを、彼は自ら望んで受け入れていたのだ。みんなのいないこの世界で、一人だけ生き長らえることを、彼の優しい心は拒絶していたのだ。
すち
すちはいつもの悪戯っぽくて、でもどこか儚い、優しい笑顔をLANに向けた。そして、その小さな身体から、ゆっくりと、本当に静かに力が抜けていく。激しく苦しむこともなく、ただ静かに、LANの肩へと頭を預けるようにして、すちの心臓はその脈動を止めた。
LAN
とうとう、一人きりになってしまった。静まり返った広いドームの真ん中で、LANは床を見つめた。そこには、綺麗に並べられた、5人のメンバーカラーのペンライトが転がっている。
寂しさは、不思議ともうなかった。ただ、早くみんなのところへ行って、いつも通りに怒られたり、笑い合ったりしたい。胸にあるのは、その一念だけだった。
LANは、ポケットから毒薬の入った小瓶を取り出した。それを、一口で静かに、静かに流し込む。
LAN
薬が全身に回り、LANの視界がゆっくりと暗くなっていく。床に力なく倒れ込む音すら、広いドームの暗闇に、優しく吸い込まれて消えていった。
最後に残ったリーダーの命の灯火が消え、シクフォニは本当の意味で、永遠に一つになった。現世の誰も、彼らの最後を知らない。けれど、あの世の光輝く最高のステージで、六人はきっと、肩を組んで、誰も見たことのない美しい続きを歌い始めているはずだ。
【シクフォニ連鎖死ネタ小説 完結】
コメント
1件
うわあ……読み終えて、しばらく言葉が出ませんでした。タイトルにもあった「6人で、シクフォニだから」という言葉が、最後の最後にこんな重みで効いてくるんですね。最後の一人になる瞬間、すちが「もう音が聞こえない」って言うところが特に胸に刺さりました。一人だけ取り残される怖さと、それでもみんなのところへ行きたいという優しい覚悟が、静かに、でも確かに描かれていて。最終話として、本当に美しい幕引きだと思います。完結お疲れさまでした、くまさん🌷