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一斉に咲き誇る。
目の前の大きな桜の木の下で。
先輩
先輩
先輩
穢れを知らない笑顔と、桜がより一層、彼女を際立たせた。
どうやら部活の歓迎らしく、僕は考えるよりも先に、イエスと頷いていた。
写真部と言うだけあって、 ただ、好きなものを好きなように撮る。
それだけだ。
ふと、彼女が撮っている写真が気になった。
僕
先輩
と、頷いていて見せてくれた写真は花のものばかり。特に桜。
僕
先輩
先輩
先輩
先輩
先輩
そう言って、部室から去っていった。
家に帰る途中、本屋に寄り、 桜のことが書かれている本を買った。
彼女の好きなものを、知りたかった。
月日は流れ.......
僕
先輩
彼女は、それだけしか言わなかった。
多分、彼女より桜のことについては、詳しくなったつもりだけど、 それについて話すことはなかった。
卒業式当日、彼女は
先輩
と、だけ言った。
僕
僕は何故か必死になって彼女を呼び止めて、あの桜の本を渡した。
彼女は本なんて読まないと思うけれども、
少しでもつなぎ止めたかった。
初めましての時から散っていく花びらに寂しさを感じた。
一斉に咲き、一斉に散る。
その潔い姿は、どこか彼女の面影を感じる。
あの本に書いてあった。
桜の果実を食べると、いつまでも酸味が口の中に残るように、
桜の花言葉、フランスでは、
「私を忘れないで」