主
主
主
主
主
主
君が屋上から落ちた
最後の君は此処がどんな風に見えたのだろう
まぁ
こんな事を言ったって
橙
標的は唐突に決まる
切り裂かれたジャージがその印
標的は印を見た瞬間悟る
「逃げられない」と
バッシャーン
紫
水が掛かった
雨なんかでは無い
バケツの水を掛けられたのだ
モブ太
モブ太
モブ子
水が冷たい
でも一番冷たいのは
クラスの奴らの目だ
奴らはやるだけやって帰っていく
そしてその後
安心する足音が聞こえる
橙
紫
足音の主はクラスメイトの橙くん
いや、クラスメイトと言うよりは
親友に近い
彼は親友と言ってくれるが
こんな俺が彼を親友と言って良いかわからない
彼は俺を見た途端
橙
と呟き
橙
橙
橙
紫
橙
と微笑んだ
そして
そして、屋上で
二人きり笑う
橙
橙
橙
紫
紫
この時だけ
俺は幸せだった
一瞬、教室が静まり返る
だが
モブ太
モブ子
教師
モブ美
モブ子
教師の言葉なんて耳に入らない
クラスの奴らは窓ガラスに張り付き誰かが落ちたのか見ようとしている
だが俺はわかった
あの美しい紫の髪は
橙
橙
手が震え思わず持っていたペンケースを落とす
すると
飛び出したのは
傷ついたお揃いのキーホルダー
紫
紫
白いコンクリートが太陽に反射してキラキラと輝く
だが、今の俺の心とかけ離れていてため息が出る
でももう関係無い
紫
紫
紫
紫
昨日の放課後
紫
いつもなら声をかける
いじめられているから声もかけることも気が失せてしまった俺に君は
橙
橙
と言ってくれた
だが今日は声をかけれない
橙くんはクラスの奴らと
楽しそうに笑っていた
紫
俺は耳をすませる
自分自身が苦しむかもしれないが聞きたかった
橙くんを信じたかったから
橙
モブ子
モブ太
モブ美
モブ太
モブ美
モブ子
モブ太
橙
モブ美
気がついたら涙が溢れていた
紫
紫
紫
紫
紫
お揃いのキーホルダーを握りしめる
これは
橙
橙
と言ってくれたもの
大切にしてるのに
紫
紫
紫
紫
紫
ただのいじめの標的
紫
橙くんはペンケースを机にいれっぱなしにしておく
俺はお揃いのキーホルダーを
そっとペンケースに入れた
紫
ご
め
ん
ね
紫
紫
紫
紫
親友じゃないと知った時の悲しみを忘れる為に唇を噛みしめる
紫
最後の屋上の景色は橙くんといた景色より寂しい色をしていた
クラスの奴らが落ちたのを紫くんと知るのに時間はかからなかった
スマホがピロンピロン鳴っているのは明日きっとされるであろういじめの有無の質問から逃れる為の会話だ
キーホルダーをギュっと握る
橙
橙
君に恋をしたのは4月
窓際にいた君は日光に照らされてキラキラ光っていた
橙
直ぐに声をかけたいと思っていた
だが恋敵は沢山いたのだ
橙
橙
モブ太
モブ助
ホントは助けてほしかったがきっとジャマされると思った
だから
モブ美
モブ子
橙
と言うくだらない嘘を教えた
何かと人気のあった俺の事をクラスの奴らは信じた
そしてどん底にいた紫くんの支えに俺はなった
橙
紫
橙
紫
親友って言ったあとの紫くんの幸せそうな笑顔
誰にも見せたくないと思った
橙
真っ青な空を見上げる
風が吹き抜ける
二人きりの屋上
今は一人
橙
橙
橙
屋上の金網にお揃いのキーホルダーを2つ引っ掛ける
橙
2つのキーホルダーを紫くんと俺に見立てる
キーホルダーが風に揺れる
橙
あの世があればこのキーホルダーみたいに二人で楽しく揺れる事ができるのだろうか
橙
金網を登る
そして屋上を一望した
ふと思う
最後の紫くんは此処がどの様に見えたのだろう
まぁ
こんな事を言ったって
すぐ会える予定なのだから
橙
ふわぁ
景色がスローモーションの様に見える
風の音
それしか聞こえない
橙
橙
地面はもうすぐ
主
主
主
主
主
主
主
主
コメント
16件
本作ってください小説でお願いします(´;ω;`)
やっぱり少女レイだったんだ…! 「お揃いのキーホルダー」とか、いじめて助けを求めてもらおうとか… 本当に好きな曲だから嬉しい(´;ω;`)