勝手に流れた涙は、ぽたぽた ぽたぽた 開けた蛇口のように溢れてくる。
突然やってきたパジャマ姿で裸足の女を 何処まで信じて貰えるか分からない。
けれど、未来を変えなきゃ後がない。
止めどなく溢れる涙は止められない。 さっき泣いたばかりなのに まだ泣くのが不思議に思う程他人事だ。
ユウ
林田春樹/パーちん
低い地鳴りのような声がした。 俯いている私は、 その顔を見られずにいる。
私より少し背の高くガタイいい。 それだけの差で相手を捩じ伏せられる。
自分へ向けたものではないと思うのだが 怒気を孕んだその声は今にも 殴り掛かって来そうな程苛烈で…
ユウ
???
ザザッ
声の主は林田春樹と同じ特攻服を着て 私たちの間に入るようにやって来た。
そして、視界に入ったのは 左袖の側面に堂々と刺繍された 『卍弐番隊隊長』
この人が三ツ谷隆
ふと顔を上げた。
すると三ツ谷隆と一瞬目が合うが、 彼は直ぐ林田春樹に向き直った。
三ツ谷隆
林田春樹/パーちん
三ツ谷隆
二人が言い争えば林田春樹の後ろにいた 背の高い金髪の人が前へ出る。
チラリと見えたのは 『卍参番隊副隊長』 林良平 林良平は三ツ谷隆を睨み口を開く。
林良平/ぺーやん
フォローになっているのか、 寧ろ追い打ちになっているような言葉。
これが液晶越しの三人称視点だったら どれだけ笑えたのかな…
そんな笑えない三人の鬼迫に今にも 逃げ出そうと足が後ろへ下がってしまう
ドン
ぶつかった感覚 人の呼吸音 後ろを振り向けずに居る自分
たすけて、まいきぃ… たすけて、たすけて、まいきぃ… たすけて、たすけて、たすけて たすけて、たすけて
頭の中はこれからの結末を乗り切るかで いっぱいだった。 誰であれ、恐怖しかない。
もう、涙は止まらない。 やってしまったと心の中は大騒ぎだ。
???
後ろから掛けられた声色は 思ったよりも優しかった。
涙をそのままに後ろを振り向けば 視界はゆらゆら揺れているが その人が誰かすぐに分かった。
首が痛いほど高く、ガタイが良い、 サイドがない金髪は三つ編みで 頭の左側には龍の刺青が彫られている。
間違いなく、 彼が竜宮寺堅だと確信した。
何度も何度も頭を縦に振った。 口を開けば嗚咽が漏れた。
その情けない姿を見て、 彼らはどう思ったのだろう。 竜宮寺堅は私ではなく私の後ろにいる 人物を見て口を開いた。
竜宮寺堅/ドラケン
林田春樹/パーちん
小さくな返事が聞こえて 林田春樹の方を見れば暗い顔をしながら 離れて行った。
私はベンチに座りながら 時に嗚咽混じりに話を続けた。
集会が終わり一走りしてから 解散の予定だったが 私が来たことによって話を聞いてからの解散することになった。
今は東京卍會、総勢約百人が 私が話終わるまで帰れない状態に居る。
側には、 佐野万次郎、竜宮寺堅、三ツ谷隆 三名がおり各々が考えるように 私の話を聞いていた。
三ツ谷隆
ユウ
一通りの話しが終わりまとめに入った。
正直に言えば信じてもらえるかも 分からなかったが半信半疑だったが 今は信じて動こうとしている。
佐野万次郎/マイキー
竜宮寺堅/ドラケン
佐野万次郎/マイキー
三ツ谷隆
抗争を仕掛ける
口には出されていなかったが そういう事だろう。
話は終わったと竜宮寺堅が手を叩いた。 すると今までバラバラだった一帯が 一斉に此方を向いた。 約二百の瞳が一点を見詰める。
物怖じせずに堂々と立つ佐野万次郎に 私は言い忘れた事を思い出した。
後で話そうとも思ったが…
ここで私は賭けに出た。
今、皆が注目している中で稀咲について 噂程度に話せば今後の展開が 有利に進むかもしれない。
ユウ
モブ一
モブ二
林良平/ぺーやん
離れた此処からも確りと聞こえた 口論する声。
人混みを掻き分けるようにやって来た 一人の三番隊隊員が叫んだ。
モブ三
海を割ったかの様に人の波が割れた。
そこから疲弊した ただの一人の少年が立っていた。 瞳に溢れんばかりの涙を乗せて その少年は吠えた。
林田春樹/パーちん
嫌な予感 よく知っている。
林田春樹/パーちん
林田春樹/パーちん
林田春樹の顔は絶望の一緒に染まり 額には嫌な脂汗が流れていた。
コメント
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予想→ユウちゃんパーチンの話聞いて走り出して。パーちんのダチ?のとこに行く。そして助ける。とか? 続きも楽しみにしてます!