俺だけでいいから

いるまくん！？

なんで上に上がってきたの？

こっちは駄目だよ 、こないで

いるまくんはお義母さんに助けを求めようと階段を上がろうとする

駄目、そっちは駄目

いるまくんに一生懸命首を振る

苦しくて辛くて泣きそうだけど

それでも、君があそこに行くよりマシだ

よかった、

あとは、俺が過呼吸を落ち着かせるだけ

背中をさすってくれてる

その手が凄く暖かくて、安心して

情けないことにさっき程苦しくないのに また少し泣きそうになった

いるまside

勉強をしてたら、上から大きな音がした

廊下に出ると過呼吸のような音がして

一瞬、なつかと思ったけれど

なつの部屋じゃなくて階段から聞こえた

そして上がったら

コイツがいた

このスイカ頭...すち？だっけ

は、クソババア達がいるドアを見つめ、 少し悲しそうに目を細めた

...なにを言い出すんだこいつは

自分が警戒されていることを忘れたのか？

と一瞬頭の中が ？ でいっぱいになったけど

コイツもすぐ、

と、焦ったのか早口で謝ってきた

両手をパタパタと振りながら焦っているのが少しだけ、面白かった

自然とそう言っていた

こういう所だよなぁ、俺が弱いのは

そう自分で思いながらも

こいつをよく知るチャンスだから

これから先、この家で生きていくためには

すちを知らなきゃと思った

それに、

まだ、言えてないから

すちの部屋に入るとまず目に入ったのは

絵の具で丁寧に描かれた海

絵の上半分にはまだ色が塗られていない

多分こいつに見られている時の鋭い視線はこの観察眼のせい

もしお前が俺みたいな性格だったら多分対応も違ったとおもう

バタン