月夜
!危ない
星夜
おわっ
男が起き上がり、刃物を持って こちらにやってきた
このままでは刺されてしまう
腕を引き寄せ、立ち位置が入れ変わる
勢いを止める為に、 手を出し刃物が刺さる
月夜
シュッ
その隙を突き、回し蹴りをする
今度こそ男は起き上がらなくなった
月夜
(打ちどころ悪くなかったかな)
やばくなったらどうしようと考えたが 今更で、起きたことは変えられない
月夜
怪我はない?
星夜
ないよ、ありがとう
月夜
なら良かった
怪我がなくて良かった、安心し歩く
月夜
あなたは大丈夫?怪我や痛い所はない?
先程男に捕まってた 女の子の元へ行き、そう尋ねる
女の子
うん、大丈夫
女の子
でもお姉ちゃんの手が……
月夜
心配してくれてありがとう
月夜
私は大丈夫、あなたに怪我がなくて良かった
月夜
怖かったでしょう、もう大丈夫
そう言い、刺されている手を 後ろに隠し、もう片方の手で 少女の頭を優しく撫でる
ずっと心配だった
少女が痛い思いをせずに済み良かった
女の子
う、うわぁぁ
我慢していたのだろう、 少女は泣き出してしまった
月夜
怖かったでしょう、もう大丈夫
少女を抱き寄せ背中に手を回す
幼い子が経験するには過酷なものだ
泣き止むまでずっと抱きしめ続けた
女の子の母親
すみません、ありがとうございます
女の子の母親
もうなんてお礼を言ったらいいか
月夜
いえ、気にしないでください
月夜
助けられて良かったです
女の子の母親
本当にありがとうございます
女の子
またね、お姉ちゃん
月夜
さようなら
母親に連れられ、女の子は 手を振りながら去っていった
手を振りかえし見送る
気づけば辺り一帯は 警備員が立っていた
月夜
(あ、やばい)
刺された手をそのままにし過ぎた からだろうか、ふらりと倒れかけた
星夜
っと
それを支えられて、抱き上げられる
星夜
顔色大分やばいからね
月夜
女の子が、トラウマにならなければ、いいけど……
星夜
自分の心配もしようか
星夜
救急隊員いるし、早く病院行こうか
星夜
暫くおやすみ、ちゃんと起きるんだよ
月夜
ぅん……